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2008年6月24日 (火)

“ボディトーク”を読む取材作法

 先週のビジネスメディア誠の連載『見たことのない日常風景を切り取る――スナップに必要な“2つの目” 』を掲載しましたよ、とSonyの写真教室の講師の坂口恵さんにメールで連絡をした。ほどなく“インターネットがダウンしていて返信が遅れました・・・”という返信があった。その中にこんなくだりがあった。

 「セミナーの後にお話した時には特にメモなどをとっておられなかったように
 記憶していますが、どのように記事に反映させたのかが気になります。
 郷さんならではのコツを伝授していただきたいと思ったからです

 教室のあとインタビューをお願いしたのだが、実に痛いところを突かれた。メモもあまり取らずテキトーさというか、いい加減さがバレた(笑)。だが長年インタビューをしてきた、わたしなりのコツは少しはある。そのイイワケとわたしの取材作法を今日の話題としたい。

【hmm・・・なアドバイス138.“ボディトーク”を読む取材作法】
 坂口さんには相棒Cherryさんと一緒に、ソニービルにあるパスタのお店でお話をうかがった。

 お腹が空いていたのでわたしたちはパスタを注文したが、坂口さんはコーヒーだけだった。まず取材の鉄則“取材対象者と同じものを飲み、食べる”をわたしは軽々とヤブってしまった。お腹が空いてはイクサもできん・・・が、ぺペロンチーノのお皿が邪魔してメモがしにくかった。それがメモが少ない理由No.1です(笑)。

 メモするとき、いくつか気をつけていることはある。たとえば、

 「自分だけがわかればいい単語でメモる」
 「なるべくビジュアルにメモる(文字より絵や図)」
 「マルチペンの色を変えて、段落や内容や強調の変化をつける」

 レコーダーは使わない(あとで聞き返すのは面倒だし、人によっては自然に喋らなくなるので)、切り込みの質問と余談を交互に混ぜる、こんなことも必要だ。何よりも事前にできることはすべてしておく。これが原則。

 正確に会話をメモするのはたいせつだが、そのためにも、ぜひ気を配りたいことがある。それは相手の表情やカラダを観ること。ジロジロ観るとセクハラですので、そういう意味ではない。“カラダも語る”からです。

  Dsc00064_2 
  カラダの一部です(教室のとき無断で切り取りました 笑)

【カラダの語りを感じる】
 坂口さんへのわたしからの返信メールを引用します。
 
 「むしろ相手が、話されるときの仕草や表情を努めて見るようにしています。
 ことば=体の表現だし、どのくらいその人がそのことばを信じて話している
 のか?こっちが感じることばは、(相手の)体から伝わってくると思います。」

 ことばとカラダは一体モノだと考えるようにしている。いやむしろことばは嘘をつくが、カラダは嘘をつなかい。ことばが表現していないことを、カラダが表現することもある。

 相手がのけぞって喋るか、身を乗り出して話し込んでいるか、身振り手振りにどれほど熱が入っているか。インタビューアーとして熱を感じさせているか。メモするためノートに目をやりつつも、相手の表情や体を見ることは意識しています。

 人間のカラダはかくも喋る器官なのです。

 と、そんなことを考えていたら、“カラダが語る(ボディトーク)”写真を発見しました。

【カラダが“hyper”な写真群】
 フォトグラファーDenis Darzacq氏の新シリーズ『hyper』の写真は凄い。スーパー/量販店という日常風景の中で、“買物客たちのカラダがシュールに語る(というか跳ぶ)”。

 Hp5

 Hp6

 Hp4

 Hp1   
  ※すべて引用元はこちら。こちらはDenis Darzacqのサイト

 もちろん被写体はフツーの客ではない。ダンサーやスポーツマンやウーマンをモデルに雇い、ハイパーなポーズをとらせて瞬間を切り取っている。デジタル処理は一切なしだという。

 Denis Darzacq氏のねらい、わたしはこう読んだ。お店の中で消費者は、実はさまざまなボディトークをしており、商品やサービスにたくさん反応している。

 “おもしろい!” “お徳!” “あら高いわね!” “のけぞりそうだわ”

  それを極端なポーズと瞬間で切り取った写真だと思う。

【hmm・・・なアドバイス】
 取材対象者のカラダや顔もまた(ここまでノケゾリはないにせよ)いつも何かを語る。

 そのボディトークを真ん中においてみて、一番響いたことばキーワードを重ねる。ほかのワードをジグソーパズルのように組み合わせる。構成にまとまりがあるか、自分なりにピースを組んでみる。「よし!」と思ってから書きだす。メイキングしないように、でも事実の列挙にならないように。

 こんな感じで取材エッセイを書きます。取材なしの場合はまた別ですけど。今日は取材を受ける身になって、あらためて取材を考えました。ボツにならなければ講談社MOOK『セオリー』にわたしのコメントが掲載されます。(講談社さん、ダベリになってしまってごめんなさい!)。今日は以上です。

 Photo15 オマケは『LA CHUTE』より。

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