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2008年7月24日 (木)

“ぐっとくる”感覚を科学しよう

 今日はビジネスメディア誠に連載する“うふふ”マーケティングへのリードです。

“ぐっとくる”感覚を科学しよう
スターバックスのタンブラーに秋刀魚の携帯箸入れ、iPhone 3G……。その
魅力的なスタイルに“ぐっときて”我々はモノを買い求めてしまう。なぜ我々は
“ぐっとくる”のだろうか? その理由を分析してみると……
続きはこちら。

 テーマは“ぐっとくる”。突き詰めればマーケティングとは“ぐっとくる”ことの研究です。わたしのマーケティング生涯をかけてのゴールのようなテーマ。このブログの副題にもある「Aha!」も翻訳すれば「ぐっとくる」とも言えます。お客さまにぐっとさせるには、売り手がまずぐっときているのも必要です。それが成功するマネジメント改革、マーケティングの原則です。

Pict0227 左がロゴタンブラー、右は10周年記念。

 ビジネスメディア誠で取り上げた『ロゴコールドカップタンブラー』。あるスタバファンのブログの書き込みを見ると「ロゴタンブラーにひと目惚れ!なくなったらどうしようと仕事手つかず、夕方定時で退社、やったぁゲット!」なんてあった。その気持ちわかります。その気持ちを持ってもらうことこそマーケティングです。その気持ちを持って買ったときには、買い手はマーケティングなんて意識していない。

 “マーケティングはセリングをなくすこと”とか言いますが、ぐっとくるマーケティングは、マーケティングがあることを買い手に感じさせないわけです。

【マーケティングとはAha!であり、愛であり】
 一般的なマーケティングとは、お客さまを購買経験や購買力でセグメントして、市場へ商品と販促を絨毯爆撃をする手段という定義で通用しています。成熟した市場に向けて実践すべきマーケティングとしては、それではかなり荒っぽすぎるのではないか?と思います。

 起点は買い手のAha!と言いたい気持ちであり、売り手のAha!と言ってもらいたい気持ちです。それがマーケットというコート上で打ち合うのが、ありたいマーケティングだと思います。コート上を行ったり来たりするのは、表向きは商品とかコンセプトというボールですが、実は商品にこめられた“愛”です。

愛がないのに売ろうとするから、売れない。売れないから戦術に頼ろうとする。それをCRMだとかマーケティングだとかいう。それは違うでしょう。愛があって始めて戦術も機能する。愛のない悪循環にはまる前に、愛がないことを自覚して、愛せる商品づくりに転換すべきです。

【白鞣革にもぐっときた】
 さて、ぐっとくるの対語は何か?「ぐっと(買いたいを)抑える」です(笑)。昨日同僚のTomoyoさんから、ぐっとくる“白鞣革(しろなめしがわ)”の紹介がありました。文庫屋『大関』さんのサイトとぐぐっとしてしまいた。

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 和柄のデザインは工芸的ですが、モダンでもあり、いつの時代にも通じるテイストも感じます。丁寧なつくりであるし、細部まで和の表現、和の色づかいがすばらしい。これは好きです。

 大関のサイトによれば「姫路の東に位置する市川の流れに数日間牛皮を漬け浸し、バクテリアの作用で毛根をゆるめてから脱毛し、播州の天然塩と菜種油を加えて乾燥、揉みを繰り返すという重労働に加え自然相手の経験と勘に頼る自然鞣し」だそうです。一時期、継承者はたったひとりだったそうです。

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 奴携帯ストラップ 2,310円。       新書判カバー 9,030円
 
 その絶滅寸前状態をなんとかしなくてはという白なめし革への愛が起点になって、姫路市で『白なめし皮保存研究会』を発足し、今風の商品化につながったようです。文庫屋大関さんではかくも美しい白なめし革の商品づくりをしている。思わず買いたくなりましたが、前方に峻烈な日々を予感していまして、今はぐっと我慢、我慢。出費は抑えます。

【ぐっとくるでお客さまをセグメントする】
 この工芸にぐっとくる人と、こない人がいるでしょう。成熟した市場の顧客セグメントとはぐっとくるかこないか。単純に言えばこの2つしかない。買い手の年齢や職業も関係なければ、既婚・未婚というステータスも関係がない。

 一歩踏み込んで「どのようにぐっとくる」か、これは知りたい。どんなデザインや色あいにぐっとくるか、どんな触感にぐっとくるか、どんな背景ストーリーにぐっとくるか。その衣食住遊学に関連する消費を分析すれば、実はかなり一貫性がある。大々的に調査をしなくても、ぐっときた商品のアイコンを並べてみるだけでも、おおよその傾向はつかめる。化学的にできるか、継続的に追えるか課題はありますが、求められる顧客セグメントはそんな基準でしょう。

 心の琴線に触れる商品づくり(仕入れ)をして、ぐっとさせるキーワードをたくさん持ち、“ハマった!”という買い手の身体の中から湧き出る感情を導きだしたい。売り手のやることです。

 ただ、ひとつだけ注意点は「ことばの意味は人によって異なる」。同じキーワードでも意味が違うときがある。「ぐっと」だって「ぐっときて衝動買いする」という意味もあれば、「ぐっとこらえる」という意味もある。「うふふ」と聞いて「あ、マーケティングの連載のタイトルですよね」と言う人も(稀に)いれば、「“うふふ”ってH?」と顔をしかめる人もいる。今日は以上です。

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