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2008年8月13日 (水)

eneloopは市場パラダイムを変化させる

 自宅にいると分別無しゴミ扱いだし、閑散としているとはいえお盆まで会社に出向きたくない。原稿書きのために都内某所に沈潜しています。そこにいらっしったRWingさん、勉強家だし、がんばり屋さんで、すっかりエネルギーをいただきました。

 とはいえソトに出ると太陽光にヘタばって。充電が必要だ!と思いあたって、三洋電機の充電電池『eneloop』。1,000回充電できる!のは中年には心強いぜ。

【hmm…なアドバイス181.eneloopは市場パラダイムを変化させる】
これまで、単1形/単2形の需要に対しては「単3形eneloop」を単1サイズ
/単2サイズとして使用できる専用の「スペーサー」で対応してきましたが、
「もっと長く使いたい」、「スペーサーの装着の手間が面倒」といったお客様
の声に応えるため、この度、新たに「単1形/単2形eneloop」をラインナップ
に加えました。
引用元 プレスリリース 

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 ありそで無かったのがeneloopの太いヤツだった。単3、単4のニッケル水素電池としては「(2005年11月の)発売以来、累計約5,000万個を出荷し、世界 60カ国(2008年4月末時点)」で使われてきた。そのラインナップに単1、単2を加えて電池バリエーションを制覇したわけだ。従来は単3形のeneloopを単1サイズないし単2サイズの“スペーサー”に差し込んで対応してきた。その必要がなくなったわけだが、今どき単1、単2はナニに使うのか?

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【ナニに使うの、単1形/単2形】
 スラドではマニアックに調べて投稿してくれた人がいる。転載しました。

・ラジカセ (単1形乾電池8本)
・ガステーブル(単1形アルカリ乾電池×2本)
・懐中電灯・ランタンなど (単1形乾電池×4本、他)
・ワイヤレスメガホン(単1形乾電池 R20Px10(DC15V))
・音楽用キーボード(単1形乾電池6本)
・時計(単1形2本)
・おもちゃ(単1形アルカリ乾電池 2本)

 だいたい網羅していると思うが、コンロ、灯油ポンプ、プラレールという指摘も。昔のよしみで言えば“田宮の戦車のリモコン”(プラモデル)は単2だった。さらに夏休みの工作はたいてい単1か単2なので、夏御用達の電池かもしれない。

【なぜeneloopに単1形/単2形がなかったのか?】
 それは単1形/単2形には大電流が流れてショートする可能性があるから。大電流が必要な機器もあるし、家中すべてeneloopにしたいファンは、スペーサーで納得しなかったのだ。

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 そこで電流保護素子(PTC素子/positive temperature coefficient)を搭載した。“電流が流れると自己発熱によって抵抗が増大し、電流が流れにくくなる性質を利用して電流制限素子として用いられる”のである(wikiより)。要はeneloopの中で過電流制御をする機構だ。こんな技術的なブレイクスルーがあり、太いeneloopが生まれた。

【まだまだ1%】
 累計5000万本がどのくらいの規模か?3年でならせば年間1500〜2000万本。電池工業会の統計によれば、07年に57億個の電池が出荷し、そのうち使い捨ての乾電池(アルカリマンガン電池+マンガン電池他)は約21億個、三洋電機では22億本としている。

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 だからまだ1%くらい。使い捨て、やめよう!という割には少ない感じ。

8 なのにまだ2000万本。

【hmm...なアドバイス】
 使い捨て電池市場として見れば、eneloopのシェアはまだ1パーセント。だが少子高齢化により乾電池市場は減ることはあっても増えることはない。今のまま継続して生産しても減るだけだ。そんな時代だからこそ逆に、消費者に“(他社メーカーの品を)買わせないようにしてシェアを取る”方針もありだ。これが市場パラダイムを変える戦略である。

 マーケット心理を使い捨て型からloop型に”変えてしまえば、市場縮小のトレンドから脱出できるばかりか、新市場での大きなシェアも獲得できる。さらにリサイクルできるならもっと使おうか、という心理に傾けば、従来の乾電池になかった新市場さえ獲得できる可能性がある。

 これまでの市場原理=“使い捨て”にこだわっている限り、市場が縮小するようにしか見えない。市場のパラダイムが変わり、当社はそれを変えると考えれば、新しい市場リーダーとなる可能性が出てくる。たとえばこうだ。

・自動車は持つモノからシェアするもの
・電力は買うものから、自家発電でもまかなうもの
・ゴミはリサイクルするものから、まずリユースするもの

 とパラダイムを変えて見れば、全体市場は減っても市場リーダーのシェアは前より増える。前の時代の常識、捨てましょう!今日は以上です。

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コメント

Cherryさん、コメントありがと。
君んちはeneloop。長持ちするってのは
いいことだ。おっしゃる通りデジタル
プレーヤーも環境に良いのであります。
乾電池や“ガム型”のリチウム電池をよく
充電していた。ボクは王様のアイデアで
乾電池の充電器を買ったこともあった。

それにしても乾電池のデザイン、ギミック
で目立ちたがり屋のものが多い。
eneloopは無印のような控えめなデザインも
いいと思う。

投稿: ごふ/marketing-loophole | 2008年8月14日 (木) 13時53分

うちでは、順次eneloopにかえています。
引越しを機に、電池が切れるたびにeneloopを買って、
今では家の中の50%以上がeneloopです。

よいところは、初めて使う時に充電不要なところ。
なので、まだ、充電したことがありません。
1年以上前に買ったのに・・・。
だいたいがリモコンなので、一向に減りません。

でも、ちょっとプラごみになる素材で包装するのは
やめてほしいなと思いました。

ずいぶん前にライブ会場でeneloopの体験ブースがあり、
音楽ファンに、普通の電池とeneloopで
CDウォークマン(だったかしら?)で再生した音を
聴きくらべてもらうというものがありました。
今だとipodとかなので、自動的に充電式で、
関係なくなっちゃいましたよね。
ipodが普及したおかげで、CDMD時代よりかなり
環境によさそう。


投稿: Cherry | 2008年8月14日 (木) 08時38分

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