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2008年8月16日 (土)

Maghoundは雑誌界の黒船になるのか?

 みなさん雑誌は月に何冊くらい(立ち)読みしていますか?朝っぱらからコンビニで立ち読みする人々にはチト飽きれるが、本屋で立ち読みといえば雑誌コーナー。わたしも定期的に雑誌コーナーをぐるりとする。

 まあ本屋での定点観測ですね。雑誌で世の中を斜め読みするニッポン人の雑誌マニア、たくさんいます。そんな人々にウケるサービスが、米国タイム社から08年9月始まる。

【hmm…なアドバイス184.Maghoundは雑誌界の黒船になるのか?】
Maghound.com allows consumers to choose titles from a
variety of publishers for a mix-and-match “subscriptions”
where they pay one monthly fee and have the ability to
switch titles at any time. Unlike traditional subscriptions,
members aren’t locked in their memberships and can cancel
whenever they wish. Ventresca says that Maghound.com offers
“flexibility, choice, control and personalization.”

引用元 FOLIO 

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Maghoundは一ヶ月の料金を支払えば、登録雑誌をどんな組み合わせでも購読できます。いつでも雑誌を変更できるので、従来の雑誌購読のように年間購読でしばられることがありません。Maghoundはフレキシブルさ、選べる自由、個性化を提供します、と(社長の)Ventresca氏は語る」(一部意訳)

 ひとことで言えば、お好きな雑誌を定額料金で毎月チョイスができ、タイトルを変更もできる。9月の事業開始時で300タイトル、12月までに400タイトルを目指すので、タイム社だけではなく、全米の雑誌発行社をつなぐシステムだ。

 公表されている料金も凄い。月間3冊3.95ドル、5冊で7.95ドル、7冊で$9.95ドル、8冊以上はプラス1ドルでいいそうだ。5冊で1,000円!ですよ。年間購読料が19ドル以上の高額誌はプラス2ドルの割り増しが必要。それでも安い。

【クロス雑誌・マーケティングへ】
 出版社の壁を乗り越えて、いつでも購読を中止・乗り換え・再開ができるシステムを構築するため4年の歳月を投入したという。さらにVentresca社長が強調するのは「雑誌社主導の購読」を「消費者主導」に変えること、としている。顧客データべースは同社が握り、出版社とは切り離されるということでもある。

 そこから類推できることは、Maghoundのビジネスモデルは、雑誌購読管理代行だけでなく、クロスメディア(というか雑誌)・マーケティングのような収益源も想定しているはず。

【オトコをめぐる雑誌の旅、雑誌購読分析も緻密に】
 たとえばこんな女性読者がいる。『an an』の特集“男は顔で選ぶな!見かけ倒しのオトコと恋するなんて時間のムダ!”で共感して(10月号の特集)、『ESSE』へハシゴ読み。“5人のイケメン料理人”をじっくり味わい「男も料理もヤッパ顔よ!」と不条理にうなづき、『InRed』をパラパラめくって“30代女子の恋する秋服”特集で「服はいいけど恋の相手がな〜」と現実しみじみ。

15 an an

17 ESSE

 18 InRed

こんな読者をアンケートで追っかければ、オトコに関して生々しい分析もできるのだ。

【どんな変化が押し寄せるのか?】
 顧客情報も一括管理されるので、雑誌社にとってはマイナスだが、今だって顧客リストをうまく使う出版社はほとんどない。それに雑誌は売れないし広告も不調。タイム社自身、07年に写真誌『LIFE』を廃刊にして痛い目にあっている。由緒正しき写真誌でさえ売れないのだから、変化が必要だ。Maghoundが流行るとして、考えられる変化をざっと。

・マニアックな雑誌に陽があたる(これはいいことだ)
・雑誌が特集にチカラを入れてムック化する(特集次第で選択)
・いや連載にチカラを入れて購読者の離反を防ぐ(かな?)
・広告掲載の掟が変わる(雑誌と雑誌の思わぬ関連付けができる)
・オンライン目次がたいせつになる(そうだね)
・本屋は立ち読みだけで(ますます)売れなくなる(問題だ)


【hmm…なアドバイス】
 ふと思い出す。美国内の雑誌定期購読、伝統的に安いのだ。わたしが現地にいたとき購読していた『Popular Science』『Rolling Stone』『Newsweek』を、合わせて月間3.95ドルで読めるなんて!と狂喜したが、それぞれ米国内の年間購読料を調べると次の通り。
 
 Popular Science 月間12冊=14ドル=1.17ドル/月
 Rolling Stone 隔週刊26冊=14.97ドル=1.25ドル/月
 Newsweek 週刊54冊=20ドル=1.67ドル/月

 〆て4ドルちょい。Maghoundの月間3.95ドルと大差ない。つまりMaghoundの良さはコストより“スイッチの自由さ”にある。

 一方、Maghoundは日本の雑誌出版業の問題も明らかにする。雑誌の定期購読料金があまりに高すぎるのだ。まずそこにコスト改革が必要だ。今日は以上です。

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