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2008年9月28日 (日)

ポール・ニューマンの青い目

 先日監督を引退した王貞治さんをテーマにした。その後で死去した人をテーマにすると、マーケティング・ブレインは“マーケティング・メモリー”かと言われそうだけれど、消費というのは新しいものにしゃぶりつくだけのものではない。自分のメモリーを楽しみ、メモリーを深めることでもある。特に高齢化社会ではそうだ。悪いね。

 この老俳優の訃報にじわっときたんだ。それはポール・ニューマン

【hmm…なアドバイス221.ポール・ニューマンの青い目】
 彼との映画館での最初の出会いは、映画史上屈指の名作『スティング』だった(1973年)。中学1年か2年のわたし、あまりに感激して日比谷の映画館に5時間居座って2度続けて観た(当時、座席入れ替え制があったのは、銀座の外れのテアトル東京くらいだった)。

11933view002 ゴンドルフ 引用元

 詐欺師フッカーを演じるロバート・レッドフォード。はすっぱで敏捷なヤクザぶりがよかった。何よりも、あのニコッとした笑顔は世界を変えた。あの映画の後、笑顔な“レッドフォード男”が巷に増えたのは間違いない。わたしもそのひとりだった。良い映画は世の中を明るくするのだ。

 そして大物詐欺師のゴンドルフを演じたのがポール・ニューマン。元大物のねぐらはサーカス小屋のハウス。しかも酔いどれという出現ぶりがやれやれの雰囲気で。二日酔いでへろへろのゴンドルフ、フッカーの熱さを感じて、シャワー一発でスカっとした男前になった。あの変貌ぶりも映画史上屈指の名演だ。

 この映画の監督はジョージ・ロイ・ヒル(2002年死去)。ふたりとのトリオの、さらに不朽の名作は、もちろん『明日に向かって撃て』(1969年)。

【永遠のストップモーション】
 原題は『Butch Cassidy and the Sundance Kid』。ブッチがニューマンで強盗の計画屋、サンダンスがレッドフォードで早撃ちだ。タッグを組んだ銀行強盗が盗みに成功しつつ、官憲に終われて逃げる物語。

 どのシーンもいい映画だが、ひとつ挙げるとすればもうひとつは、あの“ストップ・モーション”。あのシーンを見るだけのために、この映画のリバイバル上映に2度通った。

Butchcassidyandthesundancekid1 このセピアはいつ見ても感動する。

 ポール・ニューマンの役者ぶり、好演が心を打つのはなぜだろうか? はすっぱなヤクザや酔いどれや出来の悪い男から、一転して熱い男として命を賭け、行動する男。世間的な意味合いではない“賭け”の行動に純粋さを感じさせる。だが熱さだけではない。

【円熟とは腕を伸ばすこと】
 佳作『ノーバディーズ・フール』(1994年)ではしがない土木作業のドカジャン男。でも心根は熱く、円熟したことばで人生を語る役だった。メラニー・グリフィスのおっぱいを見て、何ともいえない表情をするシーンがよかった。余談だがメラニー・グリフィスのファンのわたしも、彼女のおっぱいを見て気持ちがよかった。

Nobodysfool4 ノーバディーズ・フールから。

 彼は98年(73歳)にうけたインタビュー円熟についてこう語る。

質問者:人間として丸くなったと思いますか?
ポール:もちろん。
質問者:人間、60歳を越えるとみんなそういうものですか?
ポール:ハッキリわからないものだけど、みんなそうだろうね。それは距離をどうとるかという問題でね。丸くなるっていうか、人を受け容れられるようになること、それと自分とどれだけ距離をとれるかってことさ。
 テネシー(ウィリアムズ=劇作家)が良いことを言っていた。“もしも自分が誰かと距離があるなと感じるなら、それはその人の腕が長くないせいじゃない。自分の腕が短いと考えるべき”とね。(訳は郷 引用元)。

 演技でも円熟した役を演じることは、自分への挑戦と受けとめていたと語る。だからこそ、彼は自分の腕を長く伸ばして、私的事業からの利益(累計)2億5千万$を慈善事業に寄付してきた。足長ではなくて腕長ですね。

【hmm…なアドバイス】
 ポール・ニューマンのもうひとつの魅力。あの澄んだ青い目だ。あの目があるから、どんな役でも味わい深い演技になった。彼と同年代で、色は違うが、寂しがり屋で、どん欲で、本質的な目をしていた俳優がいた。

1
 あのジェームス・ディーンと共にオーディションに。動画はこちら。

 あらためて合掌。円熟に向かって、今日は以上です。

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