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2008年9月 3日 (水)

ベンチとは、個にもなるし、板渡しになる。

 

ベンチというカタチ、かなりエコなのである。なぜなら元々の素材が木であるとして、まっすぐ長く、なるべく原型に使いカタチで加工するからだ。さらに人と人との接触というテーマから考えてみると、ひとつの椅子に複数の人が座るわけです。これは“個脚”にはできない。

 国際的なデザイナーで、“猿の腰掛け”など傑作椅子を手がけた喜多俊之さんが、丸太のベンチを作った。それを見て、あらためて“ベンチ”とは興味深い椅子だと感じた。

【hmm…なアドバイス200.ベンチとは個にもなるし、板渡しになる。】
「600年もの間、職人から職人へと伝承された技術のもと、大切に育まれた
木材の美しさをもっと多くの人に知ってもらいたい。これらの木材が “自然の
シンボル”として生まれ変わることにより、次なる世代に新たな可能性を見出す
ことができれば…」と喜多氏は語る。 
引用元 エキサイト

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 “磨き丸太”と言われる貴重な北山杉を素材にして、喜多さんが制作したのはベンチ。それもタイプが3つ、S(65cm幅)、M(95cm幅)、L(180cm幅)。ひとり、ひとり半、三人用という感じだろうか。白っぽく見えるのはそもそも木質と、“オスモクリアー”だけを塗っている。オスモクリアーとは、木のぬくもりをできるだけ損なわないように、汚れを寄せ付けない塗料。木肌をそこなわず、美しさを長持ちさせる。

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 喜多デザイン。                  北山杉サンプル。

 北山杉とは、茶室や数奇屋づくりに使われてきた京都産地の杉である。ひとことで言えば、鑑賞して美しい材木である。タルキ、磨丸太、面皮丸太などの種類があるけれど、喜多作の丸太ベンチは天然モノであろう。植林から伐採の40〜60年のサイクルを保つために、切り出して使ってもらう家具として何がいいか?という思考ゆえの商品化。

【喜多さんの想い】
 本人の言を聞いてこの稿を書いているわけでないので、デザインのコンセプト経緯がわからない(一度喜多さんのご講演を聴いたことがあり、感銘しました)。だが樹齢数十年の木を切り刻むことはもったいない。使用方法によっては“冒涜”である。関西出身の喜多さん、京都の山にも愛着があるから、こんな素で粋なデザインになったのだろう。

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 このベンチ、どんなところに置くのか、ベンチに座って何を見るのか、何を語るのか興味が湧いた。次の深澤直人さん作の“丸太”は、リビングに置いて、くつろいだり、くぐって遊んだりするというヤワらかいコンセプトだった。

Chn11_rpt634_log02_w5001 これは深澤作の丸太チェア。

【ベンチ・コミュニケーション】
 話はそれるけれど、“ベンチを温める”といえば野球用語では補欠。座る本人の気持ち「お尻をアッタめていないで、グラウンドにでたい!」と焦ったり、「レギュラーとしてやれるのだろうか?」と不安なのが普通だ。監督やコーチだって、温めさせておきたくはないし、おけない。でもグラウンドはみんな“大声”なのに、ベンチでは“ウックツした無言と会話”。

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 ロッテマリーンズのベンチ。バレンタイン監督、解任なのですか?

 「自分を鼓舞する」「みんなでヤジを飛ばす」「打てなくてしょんぼり」などの気持ちが、ベンチに混じり合う。そんな個と衆をつなぐのが一枚岩=一本木=ベンチだ。次の『samaya flat』というコンセプトで制作されたベンチのコンセプトがそれを表している。

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 schemata architectsによるコンセプトデザイン。ひとりなのにみんな。みんなでありひとり。ベンチであって人間の本性に近いぜ。実際に製造すると売れないかも知れないが、椅子を通じて人間の本質を突いている。

【hmm…なアドバイス】
 実は、クリエイターがクリエイティビティを発揮できるスペースづくり、わたしの宿題である。プロのクリエイターでなくても、わたしたち一般の社会人にとって、発想力って重要じゃないですか。クリエイティブなワークプレイスのキモは何なのか?

 だから“個のベンチ”という視点にハッとした。個はみんなにつがなる、みんなは個でできている。個にもなり板渡しになるーそれがベンチの効用なのである。相棒同士だってあつれきもあるし(相棒同士だから尚更か?)。今日は以上です。

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コメント

yukaさん、コメントありがとう。
う~ん、なるほど、人と人の社会距離
の問題でもありますね。
距離ゼロの恋人同士もあれば、
距離無限大の夫婦もある。

距離が見えなくなった関係に
おちいったときは、ベンチの片方を
よいしょっと持上げてみますか。

投稿: ごふ/marketing-sittin' | 2008年9月 4日 (木) 11時22分

個のベンチ、面白いですねー

ぎゅうぎゅうにくっつき合えるのがベンチなのに、
この隣同士の距離感が笑えます

あつれきがあるときは6人がけで、
ないときは11人がけなのかしら・・・

投稿: YUKA | 2008年9月 4日 (木) 09時07分

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