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2008年10月の32件の記事

2008年10月31日 (金)

笑顔こそ温かさの素

 今朝、新事業“utte”(うって、と発音します)のSmall & Cozyなオフィスに着いて一番でしたことは“物品の整理”。隣の部屋にうっちゃっておいた段ボールや手提げ袋のモノたちを、ようやく片付けた。

 そのあとホワイトボードに書いたメモをすっかり消して、いよいよカウントダウンに入ったウエブサイトの第一次オープンをにらんだTo Do Listsを書いた。掃除とリストアップで気持ちがスッキリした。

 やっとMacBookに電源を入れ、クリエイターRさんのインタビューの仕上げにかかるぞ。書き出して心は温まったけれども、今朝は寒かったせいか、クシャミを連発&ゾクゾクっ。やばいぞ。

【hmm・・・なアドバイス240.笑顔こそ温かさの素】
 しばらくしてやってきたCherryさん、おやおや・・・キワめてハナ声じゃない。

 「風邪ひいた?」とわたしasked。
 「ちょっと」ぐすん「ダイゾウブです」ぐすんと、Cherryさんreplied。

 まるでインフルエンザに“同時アクセス”したigoさんデュオみたい。utteオフィスはもちろん“冷暖房アリ”ですが、まだ10月ですから。そこでちょっと気になった暖房グッズ2つ。

【Travemate Portable Fireplace】
It is indeed portable, though a bit heavy at 55 pounds.
How neat to be able to carry this aquarium-style fireplace
with you from room to room and even outside to the patio!

引用元 こちら

Travelmate Outdoorfireplacepreview

 取手が見えますか?ポータブルなんです。と言っても55パウンド(25kg)もあるので、取手はどうかと思いますけれど。完全密封式なので全天候対応。雨のパティオでも、地下のビリヤード室でも使えます。しかも燃料源は“バイオエタノール”。クリーンでエコ。

Balance

 ドイツの温かい設備のデザイン会社『conmoto』が制作。ほかにもスタイリッシュな温か設備あり。 

【イオンドクター・ブランケット】
オンドクター・ブランケットは、ジェイ・エスが考案した天然素材100%の
良質な綿生地に、11種類の天然鉱物パウダーを特殊加工により吸着させた
中わたを使用。静電気防止効果に加えて、膝にかけるだけで、自然な遠赤外線
を発生し、心地よく身体を暖め、血流を促す作用や消臭・抗菌効果なども
期待でき、身体に優しいブランケットだ。
引用元 プレスリリース

14 16

 高速バスツアーに高品質のブランケット導入というプレスリリース。国際航業では夜行高速バスの顧客満足を高めるため、料金の安売り追求ではなく、乗客思いの温かい付加価値を導入した。それが高品質のブランケット。これはGootきました。

 ひるがえってutteオフィス。Cherryさんには幸いなことなのか、わたしは平均オジさんほどに暑がりでなくむしろ寒がり。暖かめで生きたい。わたしたちは寒がりデュオですかね。こんなブランケットがあれば、年内はうとうとしつつ温かくできるなあ(机の下のブランケットの中でインタビュー原稿書き、なんてね_笑)

【hmm・・・なアドバイス】
 さて午前中にインタビュー記事を仕上げたクリエイターのRさん、数日前のインタビューのとき、とっても温かい絵のギフトをutteに描いてくれた。それはわたしたちutteの“最初の宝物”になった。

17 笑顔。

 “utteをイメージした絵”。彼女がイメージしたわたしたちは、“温かい”。これは響きました。うれしくてね、あとで帰宅路で涙がこぼれたのよ。今朝も原稿を書いていて、ちとウルウル。風邪だけでなかったよ、ぐすんは。

 Cherryさんは今朝、「わたしたち、不満ばかり言っているような気がする」と言った。Rさんのモットーは“笑顔”です。プレッシャーもあって、きっとわたしはシカメヅラだったのだろう。

 暖房器具もブランケットも必要だけでど、笑顔こそ心から温かくなる素なのです。Rさんの温かさ、伝わってきてutteのデュオの風邪も良くなりつつ。今日は以上です。

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2008年10月30日 (木)

ジュエリーの女性デュオが生み出す“igoにしかできない世界”

 今日はビジネスメディア誠で連載する“うふふ”マーケティングへのリードです。

ジュエリーの女性デュオが生み出す“igoにしかできない世界”
社会人生活をやめて専門学校へ。そこで出会ったのは、自分と同じような
行動を取る女の子だった。共作で“自分たちにしかできないモノ”を
造りはじめた……。
続きはこちら。

 Igo01_2  彫金机“小次郎”の部分。

 ジュエリーデザイナー・デュオ、igoさんたちへのインタビューのきっかけは、相棒Cherryさん。2ヶ月くらい前のある日、銀座三越に立ち寄った。店内を歩くと創作イベントが開かれていた。そこで、あるジュエリーに惹きよせられた。「あれ?」という感覚があった。

 「ここにしかないジュエリー」とCherryさんは感じた。

 ユニークなジュエリーにたちまち恋に落ちて、彼女はネックレスを衝動買いした。それはigo、マロッタ忍さんと山内芙美子さんのデュオのブランド。ナチュラルでさりげなくおしゃれなネックレスの写真があればいのだけど、不手際ですね、写真なし。すみません!いつも素敵だな、と想って見ているのだけど。

【原稿料はデュアルじゃないけどスプリット】
 世界でたったひとりの相棒なのに、彼女を写真に撮るという行為を余りしてきていなかった。なぜかとても反省しつつ、明日、彼女がそのネックレスをしてきたら(過去2ヶ月ほぼしている)追って掲載します。

 <写真リザーブエリア> 明日ないし明後日、掲載します。

 Cherryさんが情感たっぷりにigoさんの話しをするし、衝動のジュエリーも素敵だし、igoさんをテーマにしたAll aboutのサイトがまた良い文でした。まっすぐ“おふたりのことを知りたい!”と想いました。祈りが通じて、ようやく先週、実りました。ありがとうございました、マロッタさん、山内さん。とても楽しいインタビューでした!

 

 さて取材現場での役割分担ですが、Cherryさんが写真撮影、わたしはインタビュー。原稿作成面では企画がCherryさん、制作がわたしという感じ。今回の原稿料はスプリットだな(源泉徴収後ですよん♪)。

081023_132801  よく見ればボウリング・ピンのスプリット。

【クリエイティブの本質は“加工法”にはない】
 igo、印象に残ったたくさんのお話のうち、ひとつ挙げるなら、制作面の“平面のグラフィックに強くて、立体に弱い”(詳しくは誠をお読みください)。

 ビジネスメディア誠では読者層から“物語”が適するので、そちらに重心を置いた。でも制作面では、立体か平面かもっと掘り下げて語れることはある。ジュエリーは置いて眺めるオブジェではなく、直線がひとつもない“人間のカラダ”に装着される。曲線の人肌を曲線の装身具で飾る。だから、どう局面を造れるか、勝負のしどころ。

 彼女たちはありふれた曲線のジュエリーを否定して、人肌の曲線を“igoなりに”もう一度解釈し直そうとしている。それが彼女たちのオリジナリティにつながった。学校では加工法を学べる。でもクリエイティブの本質は“加工法”じゃない。何を表現するか、何を表現できるか。それを突き詰めるのが創作。

【デュオのチカラを信じて】
 創作を生み出すもうひとつのチカラ、それはデュオ。ふたりの効果効能を挙げましょう。

・鏡に我が身をじっと写して(発想が世間に受け入れられるのか?)
・強化ガラス(ふたり/2枚合わせて世間の荒波に耐える)
・鏡よ鏡よ鏡さん(語りあって、褒めあって、広がる)

 わたしの相棒関係の場合、およそ企画はCherryさん、制作はわたし

 彼女がいなければ、これからやろうという新事業は生まれなかった。わたしと黒っちが新事業の振り出しをしたけれど、枠を固めたのは彼女。枠の中身の絵のモチーフを振り出すのは彼女。彼女こそコアコンピタンスなのだ。その職業上の才能を誰より知っているのは、たぶんわたしだ。

 Igo03_2 彫金の専門机“小次郎”

 新事業がうまく育たないという会社は多いですよね。ひとりで悩ませず、ふたりにするのはひとつの有効打。2人ではコストがダブル・・・なんて言わずにまかせれば、2人X2人で価値4倍になるかもしれませんよね。わたしはそれを信じています。今日は以上です。

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2008年10月29日 (水)

SAKURAの春【10】胸をひらく 3/4

 ブリスベンのダウンタウンの日本料理店『SAKURA』に漂着したふたりの若い日本人、コバヤシと後藤。SAKURA2号店をめぐり、失意と熱意と成長を描く“マーケティング・エンターテイメント物語”。その10回目です。

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 日本人とオージー、異国フードと自国フード。この4つの切口で4つのタイプに分かれる。これである程度は整理ができそうだ。
 

Sakura01_2  

だが残るマスの意味をうまく片付けられない。対角の“オージー・自国フード”のお客さんは分厚くて大味なオージー・ビーフを食べるオージーだろうか?だとすればSAKURA2号店のお客さんではない。もうひとつの対角のマス、“日本人・異国フード”は、オージー・ビーフを日本に売り込むニッポンの商社マンだろうか?やっぱりSAKURAのお客ではない。

 どうもこのあたりがよくわからない。表分析とはむつかしいなと呟いたとき、店の表の入口ドアをコツコツと叩く音がきこえた。顔を上げると後藤がガラス越しにのぞいていた。

 「帰ろうとしたら、まだコバヤシさんがいるのを見たんで」
 
 後藤も今日はもやもやしているのだろう。そのまま帰れなかったのだ。後藤はテーブルの椅子をさかさまに向けて、背もたれに腕をのせて座った。わたしはテーブルの紙エプロンの分類作業を見せた。“オージー・異国フード”がねらうべきターゲットだよなと言いつつ。

          ********************

 「どこをねらうかと言えばそうかも知れないけれど」後藤は肩をすぼめた。「よくわからないのは、このマスには何を入れたいんですか、コバヤシさんは」
 「う〜ん。つまらない商学の課程の教科書本で読んだんだけど、ほらいわゆるターゲットさ。標的顧客。でいいんだよな?」
 後藤は無言でボールペンをとりあげて、コツコツとテーブルをたたいた。「お客さまってターゲットなんだ」ボールペンをダーツの矢のように持ってなげる真似をした。
 「あまり良い表現じゃないな」わたしは頭をかいた。
 「堀田店長は」後藤はことばを切った。「“日本食を伝道する”とか“優れた味は普遍的である”とか」
 「そうだ」
 「もしそうだとすれば、この4つのマスは“日本料理をどう食べたいか?” “どう食べてもらいたいか”、そんな意味を入れるんじゃないかな」
 後藤はマスのヨコ軸に文字を書きたした。「このヨコにくるのは、“異国フードとしての日本料理”をどう食べたいか、“自国フードとしての日本料理”をどう食べたいか、そうなるんじゃないかな?」
 わたしは言われるままに、図にふたつのことば、“としての日本料理”を書き足した。

Sakura02

「そうか、わかった。異国フードとしての日本料理を楽しむオージーは、日本食の初心者だ。日本食を体験したいんだ」わたしは表のマスに“初心者”と“体験”と書いた。
 「日本に興味を持つオージーでも、わさびが苦手とか納豆が食べられない、そんな人だ」後藤が加勢した。
 「彼らはヘルシーなジャパニーズフードを食べたいと思うけれど、日本料理店に入りにくいのかもしれないな」
 後藤はうなずいてわたしからペンを取り上げた。「じゃあこっちのマスは」“自国フードとしての日本料理”と“日本人”のマスにボールペンを走らせた「“ベテラン”だね。ようするに味にうるさい日本人だ」
 「“味にうるさい”と書いておこう」わたしがそう言うと、後藤はそのマスに“ベテラン”で“味にうるさい”と書き足した。

Sakura03

 初心者の異国フードを楽しみたいオージーはそこそこ来ているけれど、リピートしてくれていない。ぽつぽつとやってきて定着してくれない。だからランチは閑古鳥だ。

 一方で“味にうるさい”日本人の“日本食のベテラン”を唸らせる料理は出していないから、やって来ない。やっぱりKOTOやSAKURA本店に行くのだろう。だからディナーも閑古鳥だ。現地のマズい甘いビーフボウル店や日本ラーメン店のように安くないので、安けりゃいい日本人ワーホリも来ていないのが、救いなのか災いなのか。

 この図でわかったこと。SAKURA2号店は、初めて日本食を体験するニーズも、日本の味に満足するニーズも、まだどちらも満たしていない。それから“ターゲット/標的”を単純に描くのではなく、どんなタイプのお客さんなのか、そのお客さんのレベルはどこにあるのか。それを整理すべきなのだ。

 でも対角線上に残された2つのマスはまだ空白だった。“日本人・異国フードとしての日本料理”、“オージー・自国フードとしての日本料理”。どちらも何が入るかわからない。この表はまだ変なのだろうか。
 

Vegemiteontoast_large 引用元 

 「日本食じゃあないけど」後藤は鼻をつまんだ。「こんな顔してベジマイトを食べることかな」
 わたしは彼の歪んだ顔につられて笑った。ベジマイトとはオーストラリアンが好むパンのスプレッド。人によれば“ドリアン”ともいうべき匂いがあるからだ。

          ********************

SAKURAの春、10月に10回の掲載をしました。10回分、まとめてこちらに掲載をしました

 新事業のインタビューのまとめで、あいかわらず“脳内膨張”が続いています。その他のコンテンツでも、明後日くらいからCherryさんと制作合戦が始ます。いつブログが途切れるか予断なき状況。がんばり通せれば、SAKURA2号店の物語と新事業の同時進行ドキュメントを。ではまた明日。

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2008年10月28日 (火)

SAKURAの春【9】胸をひらく 2/4

 ブリスベンのダウンタウンの日本料理店『SAKURA』に漂着したふたりの若い日本人、コバヤシと後藤。SAKURA2号店をめぐり、失意と熱意と成長を描く“マーケティング・エンターテイメント物語”。9回目です。

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 昼と夜には物理的に境目がある。平均台のようなその狭い幅の道をふらふらと歩む、時間の帯がある。右手はまだほんのりと明るい。左手は暗い。どっちつかずだ。占いが当たったのだろうか、みるみる空が暗くなってきた。遠鳴が聞こえる。わたしは厨房から出て、黒い空が走って来るのを見た。すぐに雨が降り出した。熱帯特有のスコールだ。

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 雨だけの理由ではないだろうが、その夜もお客はまばらだった。ぼんやりとお客さんの様子を見た。オーストラリアン同士のカップル。始めて見るお客さん。そしてときどき来る日本人駐在員のグループ、日本人家族連れ、中国人らしきふたり・・・。ジ・エンド。今日も全テーブルが一度も埋まらずに終わりだ。

 来るお客さまは、スコールのように一気にやって来ず、中身も“ばらばら”だった。法則が見えない。オーストラリアンの注文は、すき焼きセットに、刺身の盛りあわせという、珍妙な注文だった。そんな注文がやってくるのは、ウェイトレスのせいもあるのではないか。何のために彼らがSAKURA2号店にやってくる。理由はそれぞれ違うような気もする。きっと空いているから来るんだろう。はっきりとはわからない。

 「お客さんを観察しただけじゃ、わからないな」後ろから後藤が声をかけた。「やっぱりジカに聞いてみないと」
 「だけどせっかく食事しているときに“アンケートをお願いします”てのも変だし」
 「日本でもよく『ご意見お願いします』って紙が置いてありますよね。あれはよっぽどアタマにきたときしか書かない。こんなサービスしやがって!店長出て来い!て」
 「そう言って出て来た店長が、あの拳のやたら強い空手バカだとしたら?」
 ふたりで空しく笑いあった。

 われわれもぼんやりしているが、台湾人のウェイトレスの麗朱も、やはりぼんやりと立っていた。ついKOTOのウェイトレス恵子を思い出して、その差を嘆いた。だが彼女のせいではない。手持ちぶさたも仕方ないのだ。

 
         ********************

 店を閉めて、客席の灯りを落とした。さっき後藤も帰った。ひとりきりだ。厨房から漏れる灯りを頼りに、客席のテーブルに座った。すき焼きをするときにお客さんに渡す紙性のエプロンを一枚取り出し、テーブルに広げた。ボールペンを持ちながら、何かを考えようと思った。窓からの月明かりも手元を照らしてくれていた。わたしは堀田店長が話したことを思い出した。

 “お客さんがどんな人たちか。どんな注文をしているか。なぜ彼らが来るのか。なぜ来てほしい人が来ていないのか。この順序です”

 いったい、どんなお客さまが来ているのだろう?大まかに言えば、オーストラリア人か、その他だ。チャイニーズもいるけれど、その大半が日本人なので、白人のオージーか日本人か、そのどちらかだ。大くくりにするとそんなところだ。次は彼らがどんな注文をしているか。日本人から見るとナンセンスな注文か、納得できる注文のどちらかだと思った。日本人は日本食を知っているし、オージーは余り知らない。当たりまえじゃないか。わたしは頭を振った。

 もう一度やりなおそう。分ける切り口は“オージー”か“日本人”か。これは事実だから、とりあえずいい。彼らはどんな注文をするのか。日本食初めてのお客はへんてこな注文、慣れたお客は理にかなった注文。当たりまえだ。堀田店長の“どんな注文”とはどういう意味なのだろう?

 考えかたを変えてみよう。SAKURA2号店が提供するのは日本料理だ。日本料理がなぜへんてこになったり、理にかなったりするのだろうか?わたしはう〜んと伸びをして両手を伸ばした。視界のはしっこに、料理をホールに出すカウンターが入ってきた。その上に“ダルマ”があった。SAKURA本店からひとつ持って来たものだ。

 Darumal  

 ダルマ・・・手も足も出ない。それは事実だが、異国の人にはとてもへんてこなモノだろうな。

 と思ったとき、ひらめいた。日本料理というのは、ダルマを見て“わかる”か“わからない”か、自分の国の文化と異なる感じがあるかどうかなのだ。“異国のフード”か、“自国のフード”か。そのどちらか。それを図に書いてみた。

 最初の分類は“オージー”か“日本人”。これはこれでいい。ヨコは“異国フード”と“自国フード”。つまり“どんな注文をしているか”で整理ができないだろうか?

 Sakura01

 「オージー・異国フード」のお客さんは日本食好きで、日本に行ったことがあるかもしれない。日本食のヘルシー・ダイエットな良さに惹かれることもある。きっと日本文化にも興味があるだろう。次に「日本人・自国フード」は、どうしても日本食しか受け付けられない人や、現地食に飽きてたまには日本食を食べたい人。現地日系企業の駐在員とその家族、日本人だ。

          ********************

 SAKURA2号店の物語、ご読了ありがとうございます。

 まだ2ヶ月くらい前の勤め先を“古巣”といふのは変ですけれど、わたしと相棒Cherryさんの元同僚の方々が3名(rayさん、yukaさん、サトさん)、新事業の新オフィスに来ていただきました!ありがとう。

Pict1089  おみやげムシャムシャ。

 お菓子まで持って来てもらって。実は直前までCherryさんとふたりで、オフィスの巣作り(棚上げしていた棚づくり)を一気にヘコヘコしていて、実に体力消耗して、実に飢えていました。それでむしゃむしゃ(笑)。ありがとふ!今日は以上です。

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2008年10月27日 (月)

SAKURAの春【8】胸をひらく 1/4

 ブリスベンのダウンタウンの日本料理店『SAKURA』に漂着したふたりの若い日本人、コバヤシと後藤。その失意と熱意と成長を描く“マーケティング・エンターテイメント物語”。“リライト掲載”の8回目です。前回の“失意”で終わったシーンから。

            **************

 わたしと後藤は無言で車に乗っていた。熱風しか送らないエアコンを止めて、窓を全開にした。心地よい店内の冷気に打たれ、堀田のことばに冷水を浴びせられたあと、今は35度に温められた風に頬を打たれている。Fiat 125はゴホゴホと老人の咳のような排気音をやかましく響かせる。人なら還暦をとうに越えて喜寿くらいの年式だ。許してやろう。その音のせいで、ふたりは口を開かなくても済むのだからありがたい。わたしは堀田店長のことばを心で繰り返していた。

 「規模の小さいSAKURAを作ってもダメ」

 ハンドルを握る汗ばんだ右手を、斜めに開けた三角窓から入る風にさらした。SAKURA2号店は、SAKURA本店でもなければ、KOTOに対抗できる店でもない。かといって現地のエセ日本料理のゴム麺のラーメン屋やビーフボール屋でもない。そのまま日本に移設してもきっと街道沿いに埋没する“何でもレストラン”にすぎない。

147d263b  引用元 

 フィアットはフードコートのあるショッピングセンターの前で信号待ちで停止した。ここにもアジアンフードはたくさんある。チャイニーズ、タイ、インド、寿司ロール。アメリカン情緒たっぷりのサンドウィッチもベーグルもある。みんな安くてお手軽だ。この先にあるSAKURA2号店にわざわざ来る理由はなんだろうか?

 日本人に懐かしくなく、オージーに異国情緒もない。それがSAKURA2号店。つい空ぶかしをしてFiatのアイドリング音が動悸のように高まった。いや実はわたし自身の心拍音かも知れない。そういえばKOTOを立ち去るとき、堀田はこう声をかけてきた。

 「君たちはどうしてKOTOに来たのですか?」

 後藤が半ばヤケのように答えた。「敵情視察で」わたしはきっと凍てついたような笑いをうかべていた。だが堀田店長は真剣なまなざしを崩さずに言った。

 「単なるアルバイトなら逃げるだけだ。だが君たちはここにやってきた。それはたいせつなことでしょう」

 なぜ後藤とわたしはKOTOに行ったのだろうか?そもそもは後藤が“破れかぶれ”と言い出したからだが、敵情視察ではなかった。自分たちの悩みをどうにかしたかった。誰かに話してみたかった。隠すよりも伝えたかった。隣の後藤を見た。きっと彼も同じ気持ちだったのではないだろうか。ある意味でわたしは、KOTOで始めて後藤と向き合ったのかもしれない。

         
 ********************

 SAKURA2号店にもどり調理服に着替えた。ディナーの準備にかからなくてはならないが、もやもやは晴れなかった。堀田店長のことばが頭をめぐっていた。
 
 お客さまの心を感じ取る・・・・
 お客さまの近いところで商売を考える・・・・
 日本食を敬遠されるお客さまも大切に・・・・

 照明を落としたSAKURAの窓ガラスからは平行四辺形にゆがんだ、落ちかけの日照が差しこんでいる。外はまだ明るい。だが店にはすでに“残照”の雰囲気が漂う。

 KOTOのBGMの琴の音色、気さくな従業員の声かけ(Goo' Day!)、日本庭園の佇まい、ひざまづく和服のウェイトレス、滅多に味わえない熱さ加減と濃さ加減の日本茶を思い出した。SAKURA2号店の規模、雰囲気、什器そして従業員とくらべて、どれひとつとっても勝てそうなことがなかった。

 Mr.Tにせよ、わたしや後藤にせよ、しょせんは風来坊。KOTOのような大企業組織で運営しているわけじゃない。最初から勝ち目なぞない。わたしはレジ脇のカゴに積まれた“fortune cookie(運勢の書かれた紙片の入った菓子)”をひとつつまんだ。元々は日本人がアメリカで普及させた菓子で、精算時に差し上げるものだ。開けると占いにこう書いてあった。

 “if you can hear the thunder, you better take cover …”
 (雷の音がきこえるなら、避難したほうがいい)

Fortune_cookie  fortune cookie

 勝ち目がなければ逃げればいいさ。ここ(南半球)まで来たんだから。さらにどこに逃げればいいのかはわからないがー。

            *******************

 10日ぶりくらいで掲載した“SAKURA2号店の物語”、ご読了ありがとうございます。

 さてクリエイター支援事業“utte”の、Small&Cozyなオフィスにお客さまゾクゾク。

 昨日は木の加工の本質を考え抜く木工アーチスト。ていねいな仕上げの木工家具、そのウラの想いをじっくりと。今日はおふたりの訪問。おひとりは清楚and笑顔がとても可愛い書家のクリエイターさん。凛としてほっとする書。もうひとりは、お話しているといつの間にかその明るい笑顔が、まっすぐ広がってくる“笑顔のアーチスト”。皆さんのインタビュー、できるだけしっかりまとめます。ほんとうにありがとうございました。

 そのうちのお一人の方から、あるギフトをいただきました。正確には預かりました。その方のインタビューのメモをまとめていたら、だんだんと熱くなって、嬉しくなってきて、たまらなくなってきました。明日、その絵のご紹介をしましょう。今日は嬉しすぎるので内緒です。

 明日は元同僚たちがいらしてくれるとか。ちとテンぱっておりまして、大したおかまいができません。ごめんなさい。でも楽しくお待ちしています。今日は以上です。

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2008年10月26日 (日)

東武百貨店のエコバッグと百貨店の興味力不足

  先々週、山の手線某駅の某M老舗百貨店に出向いた。そこで“クラフトフェア”なる催しが開かれ、そこであるクリエイターさんと会った。彼の作品は素晴らしいけれど、今ひとつ販売が思わしくない。彼の作品だけでなく他の出展者も思わしくない。

 なぜ?と聞くまでもなく、その老舗百貨店の顧客層とその催し(斬新なクリエイターの作品展示・販売)がマッチしない。いやそもそも集客がまるでダメで、どのフロアも閑散としている。さらに・・・

 「やる気、あるんかね〜、百貨店の人」クリエイターさんが言う。
 「う〜ん。観るからになさそうですね」わたしが答える。

 その企画を担当する百貨店の人から、熱気というかやる気というか、オーラがない

【hmm…なアドバイス239.東武百貨店のエコバッグと百貨店の興味力不足】
 池袋の東武百貨店で、エコバッグのデザインコンテストが開かれた。20のデザインから5つを投票で絞り込んで、エコバッグ化して販売する。

Xmas3  green earth logo

地球環境を守るため、百貨店も更なる省資源化を求められています。東武百貨店
池袋店では、マイバッグの推進をはかるため、お客様に選んで頂くエコバッグ
デザイン人気コンテストを実施します。 展示された20種類のデザインからアン
ケート形式で投票していただき、人気上位3点とプロのクリエイター選定による
優秀作品2点をあわせた5作品をエコバッグとして商品化します。

引用元 東武百貨店プレスリリース 

 そのコンテストの媒体にdesignboomが起用された。わたしの愛読HPです。08年8月に公募デザインを締め切り、10月に入選作を発表。5点をエコバッグ化する。

 包装華美になりがちな都心の百貨店が“エコバッグで来てください”というのがいいなと思った。しかも世界中のデザイナーの選りすぐりのデザインを公募するというのもいい。各100個、5種類で限定500個だけもそそります。担当者のやる気を感じた。“ブランデート東武”を見直しました!(わたしは長年、池袋住民でしたから、古い東武も知ってます)

【エコバッグの入賞デザイン】
 designboomでの1位はこれ。韓国のji yoon Yangさんの指紋がエコになるデザイン。

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 これを“action stamping”とデザイナーは言う。小さな行動を起こそうよ。募金のカードとか短冊とか、いろんなことに使えそう。とっても気持ちいいデザイン。このエコバッグってどういうデザインか気になりますが欲しい。

 第2位は英国のデザイナー、Benjamyn CoxさんとLloyd Moffatさん。よく見るリサイクルマークの中に木を入れました。秀逸なデザイン。

Recyclexmassymbol1 大きくしてみてください。

 第3位は飛行機です。CO2の飛行機が見えますか?これポスターとしては“警句型”の部類に入りますが、デザインが緻密でいいなと思いました。

Env_comp_03_c 大きくしないと見えません。

【ああもうクリスマス・リースですね】
 台湾のfelicia leeさんの“クリスマスリース”デザインがいい。クリスマスシーズンは包装紙も多くなりがち。そこを簡易化&リサイクルしましょう!という2つのデザイン。

Xxxxxbig  Wreath_02_bag

 もうひとつ、“ride a bike whenever possible”「できるだけ自転車に乗ろうよ」がいい。自転車乗りとしてはこのエコバッグが一番欲しい。Tシャツにしてもいい。

Wreath_03_bike これ、自転車界に広めたい!

【hmm…なアドバイス】
 某都心郊外百貨店の方がこう言っていた。
 「催事企画、新奇性がなくて困っているんですよ

 毎週のように企画が必要な百貨店もたいへん。でも実際は、催事のウラに“企画屋”がいるし、“催事屋”がいるんです。食べ物催事屋のおばさん・おじさんたち、一年中、日本全国を旅しているんです。つまり百貨店は人手を少し出すだけで、“北海道うまいものフェア”も“博多どんたくフェア”もできる。催事さえも場所貸しなのが多い。

 百貨店の魅力の減退、資本の集約・後ろ向きのコストダウン。根底にあるのが、どのフロアも自前が無いことでしょう。それでは仕方ない。

 原因は社員の“商品やお客さまへの興味力不足”にもある。やらされ企画なんて誰だってつまらない。企画にはこだわり屋さんや変人が必要。そこを今革新しないと、百貨店の存亡の危機はさらに深まるしかない。今日は以上です。

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2008年10月25日 (土)

ドアベルは個性的に!

 その昔小学生のころ、下校の帰り道、ピンポ〜ン♪と知らない家のドアベルを押して、走って逃げるイタズラ、したことありませんか?わたしはたくさん(笑)あります!

 押してから脱兎のごとく、お尻だけでなくランドセルを左右フリフリ、ブロックの角までひたすら走る。隠れてあたまだけひょいと出して、ピンポンした家の家人が出てくるのを待ち受ける。“あれ、誰もいないわね・・・”という怪訝な顔を見たくて、やったもんです。悪ガキ同士、イヒヒと笑ってね。

【hmm…なアドバイス238.ドアベルは個性的に!】
 そんな牧歌時代はとうに過ぎ去り、危険人物がウヨウヨ、フツーの人びとが突然に悪漢変異する世の中。ドアベルではダメで、“ドア・セキュリティ”の時代。ワイヤレス・玄関ドアカメラ商品がたくさんある。中にはマスクや大きなサングラスをしていると、カメラが検知する機構まである。もちろん集合住宅はエントランスでオートロックだしね。

 仕方ないやら情けないやら。しかもいたずらっ子は、ピンポンいたずらができなくなってかわいそうだね。

 何よりも日本の住宅の呼び鈴というかドアフォン、すごくボツ個性でイヤ(かく言うわたしの家も超ボツ個性ですが)。呼び鈴をテーマにしたサイトを発見しました。『呼び鈴ランキング』なる観察記録があります。 “よく見かけるピンポン”ベスト5なる記録。サイト運営者の努力はともあれ、日本家庭のボツ個性ぶりに暗澹となりました。

2  引用元

【エンターキーとピアノのドアベル】
 でもこいつは個性的です。パソコンのエンターキーをドアベルにした。

Enterbell01 引用元

 『Again! Enterbell』のデザイナーは中国人のLi Jianyeさん。この発想、エンターを押す=開く、つまり“開けゴマ”と一緒ですね。

Enterbell02

 もうひとつの彼のデザインが超イイ。ピアノ『Pianobell』です。ドレミなのかラシドなのかわかりませんが、ピンポンの代わりに音楽奏でたり(笑)。

 音階がそろっていれば、格闘技の選手登場のようにテーマソングを決めておく。伺うと鳴らす、ではなく奏でる。それを聴いた家人「あら、あの人がやってきたわ」とわかる。パーティなんかではいいなあ。でもわたしぢゃ、いつも“チューリップ”かなあ(笑)。

【没個性のニッポンをドアから個性的にしよう!】
 写真家の吉村和敏さんのブログから引用します。

 近頃人と会う度に話題に上がるのは、Googleのストリートビューに関して
です。(中略)日本では反対運動も巻き起こっているようですが、おそらく欧米
で暮らす人々はそれほど気にしていないでしょう。というのも、やはり人々の
心の意識の中に、町や村の美しさをアピールしたい、洒落た造りの民家や
よく手入れされた芝生の庭やガーデンを人に見せたい、という思いがある
からです。

 海外の風景写真も多く撮る彼だからこその視点。ニッポンのボツ個性の門構えで、何を隠したいのでしょうか?むしろ庭を飾り、菜園を活き活きさせる。そんな姿をGoogle・ストリートビューでアピールする。いいなあと思う。

9  実家の割とソバ。

【hmm…なアドバイス】
 くらしをもっとクリエイティブにするには、表札(ウチはわたしの手作りです)や門柱、ドアフォンなど入口から始めるのも手。

Keith_richards_afp_224601g 拡大すると5弦です。

 ぜひ『Pianobell』の弦楽器、ギターバージョン『Guitar Bell』を作ってほしい。そうしたらね、ン十年ぶりにイタズラしたいね。6本ある弦のうち第6弦を外しちまうんだ。5弦のオープンGチューニングにして、ダッ ダァ〜ァ♪と“ホンキー・トンク・ウィメン”を弾きたい。イントロ長いから逃げられないぜ(笑)。今日は以上です。

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2008年10月24日 (金)

夢への準備

 今日は自分のことを少し書いてみたいと思います。

【hmm…なアドバイス237.夢への準備】
 このブログをチラチラ読んで頂いている方々には、コンサルタントのわたしが独立し、コンサルやウエブでのライターだけでなく、どうやらクリエイターの支援事業もしだしたぞ、と思って頂いているはず。

 クリエイターの支援事業とは“クリエイターたちのギャラリーとショップ”。さまざまな分野のクリエイターの作品で、くらしを気持ちよくするーそれを“くらしクリエイティブ”と事業を表現します。

 事業のコアはウエブサイトですが、いずれ「教える・制作する・展示/販売する」などの“リアルな場所づくり”へも広げたい。その活動拠点のちっちゃなオフィス、だんだんかたちができつつあります。ウエブサイトも開発が進んでいます。オープンの暁にはここでも少しPRしますので、ぜひサイトにいらしてください。

Dsc00483_2  ひとつ、灯りがともりました。pic by cherry

【この事業の運営について】
 今はそのコンテンツづくりがたけなわ。とりわけクリエイターさんにインタビューをして、撮影をし、ご紹介する記事をじっくりまとめています。かなりていねいにやっているつもりです。主な運営者は4名。相棒Cherryさんに責任者の黒っち、事業へ理解を示してくれた運営母体の会社の社長の“米”さん。

 そしてわたしは三足のわらじ(起業者、コンサルタント、ライター)も履くのでバタバタして、「自分、チカラ抜けよ」を心がけても、つい階段を駆け上がる。だからこんな夢もみます。

【わたしの2つの夢】
 バタバタの一日を終えた日、夢をみました。

 それはインタビューをするために、クリエイターさんと待ち合わせる夢でした。写真を撮ってくれるCherryさんがなかなかやってこない。間に合わないじゃないか。時計をにらみつつ、じりじりして探しに歩くと、まるで最後の晩餐のような長手のテーブルに、多くのクリエイターさんが座って談笑していました。待ち合わせ場所はどうやらそこらしいのです。その中を分けいって、Cherryさんを探しあてました。

 「早く行こうよ!間に合わないよ!」とわたしは叫びました。
 ところが彼女は(何焦ってるの?)という微妙な笑みを浮かべて
 「大丈夫、大丈夫」とにこやかに言いました。

 わたしは“そうだね”とつぶやいて、ふっと落ち着いたところで目をさました。

 その夢をみた翌日、お昼に(秋葉原の)ドンキホーテに行きました。オフィスの小物や消耗品を買い、ついでにドンキ1階で、お弁当のサイドメニューを買いました。わたしはコロッケ、Cherryさんはなぜか“たこ焼き”。ふたりとも、家からお弁当を持ち込んでいます。

20080617092639  銀ダコです。出典

 オフィスにもどり、さあお弁当でお昼。彼女が買ったたこ焼きをみて、なぜか銀だこの話しになりました。「あれって、ちょっと油こいよね」「揚げてるから」「でもぱりっとしているよね」「ときどきタコ焼きが無性に食べたくなる」などと語り合いつつ、Cherryさんはひとつもくれませんでした(笑)。

 その日の夜、こんどは夢に黒っちが出てきました。夢の中で黒っちが言うのです。

 「このクリエイター、いいよ!ぐっとくるんですよ!
 「へえ、そうですか」とわたし。
 「郷さん、一度会ってくれない?」と黒っちが言います。
 「いいですよ、行きましょう!」とわたし。

 それで二人でクリエイターさんのアトリエに行きました。するとすごくやさしげな男性が現れました。ほんとうにいい感じの奴なんです。創作物が部屋中に掛かっていて(絵とかオブジェ)、雰囲気がいい空間。わたしたちは椅子にこしかけ、クリエイターさんは部屋の奥に行きました。やがて“何か”を持って現れました。

 「これ創ったんです!見てください」クリエイターは言いました。

 クリエイターの手にあったのは、なんと“たこ焼き”でした。

【自分を表現したいクリエイターと一緒に、格闘したい。】
 Cherryさんにこの夢の“実話”を話して、「ボク、ノイローゼ?」と聞くと、うなずきやがって(笑)。ノイローゼかもしれないけれど、そのくらい、インタビューに入魂しています、ということにしておいてください。まだ発狂していませんから(笑)。

 この事業でやりたいことで、最もたいせつなのは、クリエイターさんの世界と作品を理解することだと思っています。

 だから当初クリエイターさんは少数精鋭でスタート。何千人も登録して、人材派遣をするような“ビジネスモデル”じゃないし、企業の販促つなぎのサイトでもない(やります、なるべく丁寧に)、ましてアートの計り売りでもない。

 丁寧さとビジネスは正比例しない、丁寧にやればやるほど、“量”や“収益モデル”から外れていく。一般論はそうです。マーケティング=“魚群探しのツール”が一般のイメージ。でもわたしのマーケティングは違う。“幸せの原点を生みだす活動”。

Dsc00498  袋小路に入らないように。オフィスの奥に実在。 

自分を表現したい気持ちを抑えきれないクリエイターさんと一緒に、格闘したい。それが3人がやりたいことです。売上との格闘、続くものと覚悟してますが。

【スプリットをどうするか】
 最後に。ある郊外の写真です。Cherryさんと訪れた、某クリエイターのアトリエの門前から見えた光景で、ちとわかりにくいですがボーリングのピン3本あり。

 081023_132801  撮影わたし。
 
 「あのスプリット、どうやって倒そうか?」とわたし。
 「まん中のピンに当てて、右を倒す」とCherryさん。

 まあそれが打倒いや妥当ですね。われわれ3人に見立てて言えば、3本/3人バラバラやないか!とも言えなくはない。実際けっこうバラバラです(笑)。でも根底で一緒です。

 金融危機の中、会社組織や受発注関係の“クッション”はどんどん薄くなりサツバツとする。モノを言うのは信頼関係です。相棒のためなら絶対に踏みとどまるとか、死んでもやるという気持ちがたいせつな時代に突入した。その準備、できていますか?今日は以上です。

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2008年10月23日 (木)

日本は“少子・多ペット社会”? ワンコを増やして街おこし

 今日はビジネスメディア誠で連載する“うふふ”マーケティングへのリードです。

日本は“少子・多ペット社会”? ワンコを増やして街おこし
犬と猫の数は合わせて約2500万匹、15歳未満の子どもは1750万人——。
すでに日本は子どもより、ペットの方が多いのだ。ならばどうやって
“共生”すればいいのか。そのヒントはお風呂にある……?
 

Photo  ペイクHPトップ

 男も女も一生のうち、たいてい一度か二度しか結婚しないけれど、たいてい何匹かのペットと同居するものだ。

 男も女も一生のうち、たいていは愛する人のタイプをあれこれチョイスしてみるけれど、犬好きは犬好きを生涯貫き、猫好きは猫好きを生涯貫くのがフツーだ。

 つまりこうだ。異性への愛よりペットへの愛の方が、深くてまっすぐだ。色恋沙汰もDVもなく、まことに潔い。だからペット愛をテコにするビジネスは栄える。

【ペイクマガジンをめぐって】
 今回のビジネスメディア誠のエッセイのテーマはペット。それもあえてカテゴライズすればB2CではなくB2Bビジネス。というより、ペット愛をコアに据えた社会ビジネス株式会社ペイクの野中社長が展開するビジネスモデルを取材させていただいた。

 いろいろ書いたので再掲しないけれど、フリーペーパー『ペイクマガジン』をめぐる話しを付け加えておこう。

 その中の特集『ドッグナビ』は、街のペットショップやカフェのPRだけでなく、掲載時に懸賞や特典を付けてのプレゼント企画、ペクマガの設置店舗開拓に広がり、掲載情報のデータベース化でコンテンツ販売も可能。街ごとペットでPRという好企画。

 諸物価値上がりの中、ペイクマガジンは次の秋号から一部100円になる。設置するペットショップもペットカフェからも、販売もできる内容だと気持ちよくOKを頂いた。ところが獣医院が難関。「有料だったら要らないよ」と冷たい。管理が面倒だし、要するに“出入りの業者”扱いなのである。

 人間の病院と同じ“医師=偉い構造”がある。そんな態度で、ペットを思いやる温かみがあるのだろうか?野中社長、ほんとうに残念だと思った。そこでわたしの体験を思い出した。悪い獣医だけじゃないですよと。

【母の犬好き】
 記事にも取り上げたが、わたしの周りの犬好きの代表格は母だ。母はママさんバレーで鍛えた足腰を、次に何に活かそうか考えていた40代半ば、好きだった犬に捧げようと思いついた。近所(目白駅前)のペットショップに通いだし、ペットのシャンプーとカットを実施で学んだ。最初の頃は無給どころか“学ぶ”で持ち出しだった。何年か修行を終えて、JKCだかなんだかの公認トリマーになった。

 その後自宅でトリマーを開業し、店舗よりは少し安い料金帯で引き受けた。クチコミ100%だったが、あんがい来るわ来るわ。毎週何匹かの犬を世話した。多かったのがプードルやポメラニアン、ヨークシャー。伸び放題・汚れ放題のプードルの“トリマー前・トリマー後”は、誠に写真も載せたが、インパクトがある。綺麗になるもんだと思った。

Photo Photo_2

 実家でも犬が多かった。トリマーからさらにブリーダーまでしたので、5匹以上犬がいたことは何度もある。ヨークシャーとブードル、そしてチャイニーズ・クレステッドというレア犬までいた。

 ペットはずっと飼っていれば具合が悪くなる。夜中や早朝に、犬を連れてタクシーでかつぎこんだことは何度もあった。その中で江古田のY獣医はやさ男風で、夜でも朝でもほんとに親身だった。誠に良いセンセイだった。もう20年以上も前、まだ開業しているだろうか?

【フライフィッシングの眼】
 ペイクの野中社長。もともと動物、植物、昆虫好きで、それが嵩じてフライフィッシング好きになった。川面に一瞬飛ぶトビケラやカゲロウ、カワゲラといった虫。それを食べようとして鱒が飛びつく一瞬をねらうのがフライフィッシング。

 そうした水棲昆虫には昆虫の孵化の時期があり、それはさらに月の満ち欠けにも関係する。1ヶ月のある時期だけしか鱒が釣れない(食いつかない)そうだ。

 人も動物も植物も、すべて観察がべースに。川面は市場、疑似餌さは打ち手、つり上げるのはお客さまとも言えるが、疑似餌さはおそらく“自分自身”なのだ。事業というのは、自分自身の思想や生き方を投げ出さないとうまくゆかない。今、実感しています。今日は以上です。

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2008年10月22日 (水)

テキスト・デジタルメモ “ポメラ”の存在価値

 わたしはテキストでの文書作成に美学を感じている。このブログも、ビジネスメディア誠のインタビューも、新事業で実施しているクリエイター・インタビューも、そしてSAKURAの春も、すべてテキストで書いている。

 テキストファイルは保存サイズが小さくて済むからではない。GBやTBハードディスクが当たりまえの今ではナンセンス。テキストしか書けない潔さ。WORDの何でもできるが、要らない機能ばかりの厚化粧とは大違い(とりわけ見出しや自動番号付け大嫌い)。そのテキスト特化のメモマシン、おもしろいと思った。

【hmm…なアドバイス236.テキスト・デジタルメモ “ポメラ”の存在価値】
 株式会社キングジムは、文庫本サイズの本体ながら、ノートパソコンなみの
キーボードによるスムーズな文字入力を実現した新概念のビジネスツール、
デジタルメモ「ポメラ」を11月10日(月)に発売いたします。
引用元

0203012_019   

 “ポメラ”というワンコのような名前はちと引いたが、4インチ液晶は反転可能で、折りたたみ式のバタフライ・キーボードは17mmのキー間隔で、B5ノートPCくらいのサイズがある。スペースキーの位置に違和感があるけれど、こんな折りたたみ式だから仕方ないかな。

 電源オンから2秒で起動、単四乾電池駆動(実使用時間は20時間)さらに辞書にATOKが選べるのがいずれも◎。2GBまでのマイクロSDカードも使用可能なので、文字だけならほぼ一生の日記が保存できる。保存形式はTXT。価格は27,300円。

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【どんな使用シーン?】
 どのような使用シーンありや?キングジムでは会議、移動中、講義やセミナーでというシーンを紹介している。わたし的にはパソコンを開くまでもない、ちょっと長めの電車中で原稿チェックやブログの草稿作成。寝ぼけ眼のアイデア書き留めはやってみないとわからない。まずキーは打たない。文庫本手帳で十分。ブログはネットを参照しながら書くから、これだと限定的だと思う。

 昔、パームパイロットをひょいと立てて、小型キーボードを打つコンサルタントを見かけた。このポメラの姿に似ているが、打ち手にかなり違和感ありで。ちなみに通勤電車でのノートPCの使用も違和感あるなあ。肘張って隣に迷惑だしね。火急の場合以外、わたしはやらない。

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名作のモバイルギア          伝説のバタフライ・キーボード

 5万円ネットブック全盛の今、ポメラの存在意義はいかに?NECの名機『モバイルギア』の乾電池駆動力(エネループを使えばエコ)、IBMの野心『ThinkPad 701』のバタフライ・キーボード(開閉を遊びたい)、ぎゅっと2.7万にしたところは脱帽ですが。

【テキスト美学の問題もある】
 WindowsからMacへ移行したわたしには、標準仕様のテキストさえも「なんてMacは使いやすいんだろう!」と思う。Winではできない選択&ペーストもできるし、やり直しは何度もできるし、文字選択でスポット辞書検索もできる。さらに文字体も好きだ(わたしはMonaco 12)。

 MacとWinのテキスト相性の悪さ(MacからWinへはRTFにしないと文字化けする)も考えれば、“秀丸”装備とか、気遣いのあるソフトの採用もよかった。くわえて辞書機能は必須だと思う(スポットで文字を選んで、意味だけでなく類語検索もあればね)。

【hmm…なアドバイス】
 ネットブックにせよポメラにせよ、結局現代のデジタル・ノマド(遊牧民)が“モバイルギア”をどう扱うか?という問題である。どんな街を移ろい、街のどこに漂い、どんな姿勢で、どんなことをメモるか・連絡するか・制作するかという問題だ。

 立ちながらもできるのがメモ、座らないとできないのがキーボード。

 街を移ろいながら、創作することがどれほどできるのか?盲人用のブロックを頼りに、歩きながら携帯メールを打つ人びとはさておき、座る場でやるか、立ちながらでもやるかの違い。たとえば通勤電車では、周りは他人ばかりだからひとりになれる。わたしのブログも誠の原稿も、電車の中で立ちつつ構成を決めてきた。そこではもちろん手書きのメモ。実際の文章作成は座らないとムリですね。

 “創造のための集中”と、“作業のはかどり”は本質的に違う。ポメラがとてもおもしろいコンセプトゆえに、いろいろ考えてしまった。今日は以上です。

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2008年10月21日 (火)

筆記用紙 “紙キレ”に心が埋まった。

 今日は文具好きマインドをフツフツ&ワクワクさせたる新製品です。単なる紙のシートに、シンプルな発想で、書く・印刷を超越する付加価値を付けた。素晴らしいデザイン、稀な紙の発明である。

 コクヨデザインアワード」2007年グランプリ受賞作品『筆記用紙 “紙キレ”』

【hmm…なアドバイス235.筆記用紙 “紙キレ”に心が埋まった。】
コクヨS&T、自由な大きさや好きな形に切り取れるA4サイズの筆記用紙を発売
7mm方眼のミシン目がA4サイズの筆記用紙の全面にレーザー加工で
施されています。ミシン目はほんのり色づいて、レースのすかし模様の
ように美しく、文字を書くときの罫線として利用ができ、自由な大きさ、
好きな形に切り取とることができます。
引用元 プレスリリース

10

 ひと言でいえばミシン目の付いたシート・オブ・ペーパー。7mm方眼という一文字を入れる心地よいサイズにも妙があるが、レーザー加工の穴=レースのすかし模様という、繊細な加工に技を感じる。文字を書くときに、シャーペンの芯やHI-TECH-C コレトのペン先が穴に入ったら具合が悪い。それを感じさせないサイズの穴で、かつ切り取りが可能だという。その技術は凄い。

 価格は30枚でA4 1,260円。専用カバー付き。1枚40円とはある意味でギリギリの心理ライン。

【デザイナーさんは3人一組】
 技術はともあれその発想も凄い。デザインは「コクヨデザインアワード」2007年グランプリ受賞作品。山中俊二氏を始めとする審査員の中では賛否あったと伝えられている。でもわたしが審査員ならイチオシですね。デザイナーは“3人一組”という、そのまんまでフフンなネーミングのデザイナー集団です。

Img_0564

最初はピザを切るような、ミシン目がつけられる道具を使いましたが、書くと
ひっかかりました。ビジュアル的に成立しても使ったときがNGなので、
レーザー加工のメーカーを探して、ピッチを指定して発注しました。撮影
したのは一枚1,200円でした。
引用元 コクヨデザインアワード2007

 以上、受賞のときのことば。なあるほど、デザインの発明にはお金がかかりますよね。ピザのカッターもフフンですが、ミシン目の長さにするとコストがかかり、店頭販売可能な加工をすると100万円かかるとか(笑)。デザイン煮詰めのご苦労あれこれあった。3人の姿から「あれしたい」「でもできない」「やんなきゃダメだろ」という議論を想像しました。

Img_0508 グランプリらしく。

【用途自由自在】
 さてデザインの妙と技術の結晶、レースのすかし模様のミシン目、どう使おうか?。文字を書くときの罫線にはいいし、自家製のジグソーパズルもいい(いずれもメーカー提案)。この素材革命、さまざまなことに使用可能。

・くじやクイズ
  ちょうど学園祭シーズンですから、ミシン目を利用してのくじも可能。
・学習シート
  過去問を印刷して、答えのマス部分だけ切り取って食べちゃう(笑)。
・売りたしシート
  売りたいものをポスターに描いて、その下にミシン目の紙片(連絡先の
  電話番号が書いてある)を切り取れる掲示板シート。
・恋歌のやりとり
  恋する男がその想いの前半をつづり、後半を女が返句する。
  その上の句と下の句を分断して、ふたりで持ち合う秘密の愛(笑)

 紙=印刷・記入・ファイルでなく、使い手の発想次第で「遊び」「学び」「売り」「ひみちゅ」まで、可能性をすごく広げたところが脱帽です。

【hmm…なアドバイス】
 切れる、とは本来良いことばだった。「彼は切れ者だ」といわれば皆うなずくとか、「彼女はアタマも切れるし、男もかんたんに切る」も、語る人によっては吐き捨てことばだが、たいがいは褒めことば。それがいつの間にかキレるといふカタカナになって、“突然殴り掛かる”とか“掲示板に書き込んで殺人する”、悪いことばになってしまった。

 “キレる”が“切れる”な、ほんらいの良い意味だけになればいい。事業の企画書って“紙キレ”で、そこから世の中に良いことが始まることもある。“きれ”は良いこと。今日は以上です。

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2008年10月20日 (月)

SOHOでほんとうに必要なこと

 わたしはSOHOを実感的に語れるようになった“独立SOHO一年生”。コンサル+モノ書き+新事業起業者。スモールオフィスも準備しつつ(感じいい部屋)、ホームオフィスは資料や本のスタッキングの穴倉で作業をしつつ(乱雑です)。快適な仕事環境づくりがとても身近で切実なテーマ。

 そこで今日はプラスのSOHO/ホームオフィス向けの新製品を取り上げつつ、SOとHOの作業場で、どんな作業空間が理想なのか?考えてみたい。

【hmm…なアドバイス234.SOHOでほんとうに必要なこと】
ガラージ『バーテラル・コンポ』は、PC・家電のインテリアへのコーディ
ネイトをコンセプトに開発。充実した収納スペースに加え、PCワークや
家電の使い勝手も考慮したホームワーキングファニチャーです。デスク
や収納棚など6種類のユニットを、部屋の広さや用途に応じて組み
合わせて構成(後略)
。 引用元 プラス プレスリリース

0202750_02

 この商品の大きな特徴は、“ホームオフィスの必需品”を包括的にとらえたところ。PCワークを中心に、ワーキングファニチュアの組み合わせを自在にできるところが素晴らしい。

Vc3  なるほど高さを揃えるのですね。

 ワーキングファニチュアのテーブルの基本高を700mmと定めて、テーブルの高さを揃えつつ、家庭内の他の家具に目を向けた。たとえばシステムキッチン。下段収納には引き出し式(油や醤油のペットボトルの収納のイメージです)、上段にはワンタッチ開閉収納庫を。なるほど、キッチンほど機能と創造と凝縮した空間は他にない。

K080908_3   実例 すっきりしたスペース。

【オフィスにはいろいろ】
 HOは小さくてもSOと同じ機能が要る。液晶モニター/TV、プリンター、サウンドシステム、電話システム、ルーターに電子ホワイトボード、卓上照明に湯沸かし器、冬に向かって深澤の加湿器。いろいろな情報家電がやってくる。

 だからcozyなプレイスを乱すNO.1の存在とは“コード類”。これがやっかい。長かったり短かったり、収まり悪いし。バーテラル・コンポではそこをしっかり意識して、配線の穴と配線を隠すバスケット装備あり。

Vc4  お釜もポッドもあるのがうれしい。

【家はSOHO化し、そしてノマド化する】
 情報化が進み、家全体がHO化するのは避けられない。リビングダイニングをはじめ、書斎、寝室、子供部屋まで、場所を選ばず機能的ですっきりとしたインテリアを構築する無線LANは当たり前。“家のデジタル化”はすでに進行中。

 だからプラスのワーキングファニチュアの提案はキッチンにとどまらず、書斎や寝室でのワークスペースまで広がる。つまり家族もノマド化する。家庭内でもデジタル・ノマド(ワイアードな放牧民)が増えてゆく

 まあすでにベッドと仕事は一体的だ。寝ながら思いつきをムクッと起きて書いていたりしますよね。ホームオフィス/HOでなくて、“ベッド・オフィス”。頭文字をBOとして、“SOBO/ソーボー”って語感悪いな(笑)。バーテラル・コンポのねらい、かなり良い線。住宅展示場などに提案できればウケて受注増でしょう。

【SOHOで最も欲しいこと】 
 こんなことがありました。昨日(日曜日です)HOで、“コンサルタントのワラジ”を履いて作成したファイルをお客さん(クライアント)に送りました。ところがクライアントの担当者さん曰く“よくわかりません”と。

 「この資料の生み出すメリット、わたしにわかるように説明してください

 要するにわたしがやった作業、価値がわからんと言うのです。せっかく何時間もかけてやった作業、陳腐な言い回しですがギャフンと(笑)。長い目で見れば絶対それがいいと思うのですが、通じない、響かない。ああ・・・と溜め息。

 でも3足のワラジの身、そんな時は気持ちのスイッチがないと作業が滞る。気分転換ができて引きずらないで、次の仕事にかかれる仕事空間がほしい。それが何かうまく言えないけれど、究極的にはモノではなくて“相棒”でしょう。心を許せて、しっかり刺さるアドバイスをもらえる相棒。SOHOという小さい空間ならばこそ、それが最重要かな。

081020_125401 手早く作業中。 

 おまけ。新事業のちっちゃなオフィス。ロールスクリーンの施工がようやく今日完了。日差しのコントロールもオフィス機能のうちですね。今日は以上です。

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2008年10月19日 (日)

MINI Eが教えてくれる“ほんとうの合理性”

 あるTV番組で「ニュースキャスターが電気自動車に乗る体験記を報道していました!」と、以前相棒のCherryさんが話していた。環境にやさしいし、すでに実用レベルに達している一方で、充電時間が足りなくて焦った!というようなエピソードも記憶してます。間違ったらわたしの記憶の悪さゆえ、ごめんね。

 彼女が話していた中でもっとも心に残ったのが“静けさ”。何しろエンジン音がないので、クラシカル音楽の弦の弾む音まで聴こえてきそうだとか。それっていいな。違法マフラーに、カーステをガンガンの“公害ドライバー”たちには、死んでもわからんだろうな。

【hmm…なアドバイス233.MINI Eが教えてくれる“ほんとうの合理性”】
 あのMINIが電気自動車になる。無骨な“実験車”でもなく、エコ義務臭がプンプンする“役所カー”でもなく、MINIですよ。これはハマりました。

Minie2

 e-MINI、メーカーのBMWではMINI Eと言うらしいけど、日本語だとやっぱり“イイミニ”ですよね。08年11月19日〜20日のロスアンジェルス・オートショーでお披露目されるという。その先行写真と主要スペックが発表されて、ああ惚れました。

 ぱっと見は、フツーのMINI ONEのように見えるけれど、中身は全て違うらしい。スペックは電気自動車?というほどスポーツカーライク。

201馬力の電気モーター。トップスピードは95mph(約150km/h)
・時速 0-60mph(約100km)へ8.5秒で到達。
・フルチャージ 2.5時間(高電圧の充電ステーションで)
・巡航距離 150マイル (約240km)

P00479061280_2 電気印。

 だがそんな機能面のスペック、MINIには似合わない。実際、MINIオーナーの大半は性能スペックなんて気にしていないのではないだろうか?

【給油印がいいなあ】
 ユーモラスなのが“給油印”。電気印をパタンと開けて、セルフ電気ホースを差し込んで、「おいミニよ、ぐっと貯めておけよ」とか呟きそうだ。

P00479251280 P00479231280  

 その貯めこみはダッシュボードの燃料計?いや電料計で示される。毎日自宅と仕事場を往復50kmするような人でも、およそ3日は持つのだから、帰宅したらiPodなら3日に一回、iPhoneなら毎日クレードルに差すように、帰宅時に自宅ガレージでコンセントを差せば不自由はない。

P00479151280_2 P00479161280

 MINIと電気って相性ばっちりだし、そもそもがMINIって車、動力源て何だろう?という感じだから電気も似合う。

【MINI=アンビバレントな存在】
 MINIという存在は独特なブランドだし、ずぅっと昔、MINIオーナーだった記憶を呼び起こして考えると、実にアンビバレントな存在だ。

それは日常の足であり、
でも、日常を越える翼である。

 コンパクトなのにゆったり4名乗れる(電気仕様は2人乗り)、燃費がいい、アクティブに走れる、そんな特徴をひとことで言えば合理的だ。でもMINIには機能から語れない合理性がある。

 所有上の合理=ユニークなブランド満足。
 使用上の合理=ミニマルなライフスタイル。
 思想上の合理=エコとエゴのバランス。

 さらにヒトとモノの間の合理性。車がその人に似合うのか、その人が車に似合ってゆくのか。すぐに、ではなくだんだんと一体になるデザイン合理性がこの車にはある。そこが希有な存在なのだ。

【hmmなアドバイス】
 でも充電の2時間半、何してましょうか?イオンSCで2時間は疲れるからNG。シネコンや落語鑑賞がいいし、エコと組み合わせて“走ってくるぜ”とシティマラソンもいいかも。

 この「2時間半どうするか?」という問い、分秒を争うガソリンステーション・ビジネスの合理性にも疑問を投げかける。ワークスタイルやライフスタイルにも疑問を投げかける。地球全体を見渡して、ほんとうの合理性とは何か?考えさせる。今日は以上です。

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2008年10月18日 (土)

コクヨSYSTEMICとインデックスなき思考

 人は生まれて死ぬように、およそこの世の事象は時系列で語り尽くせる。恋も愛も、アチチと言ったり涙を流しつつ、すべて時系列に流れていく。

 だからノートも手帳もアタマから使いだし、お尻で終わらせる。システム手帳やルーズリーフの紙片を、順序を入れ替えこまめにインデックスを付けるウチに、時が過ぎて案件は終わる。整理はムダとは言わないが有意義とも言えない。

 それでも手帳が二種類欲しいときはある。コクヨのカバーノート『SYSTEMIC』(システミック)がそれに応える。

【hmm…なアドバイス232.コクヨSYSTEMICとインデックスなき思考】
調査結果より、業務用ノートを用途に分けて2冊同時に使用しているユーザーが
存在することから、業務上複数の記録媒体を同時に活用していることが明らかに
なりました。今回発売する<SYSTEMIC>は、それらのニーズに応えて、仕事上の
手書き記録を効率的に管理できることを可能にした2冊収容タイプのカバーノート
です。
引用元 コクヨプレスリリース

3

 かんたんに言えば、カバーの両内側にノートの片方の表紙を差し込めるポケットを付けたノートカバー。普通のカバーより深めなので、2冊しっかり収納できるという。こうした使い方を既存のノートカバーでトライしたのはわたしだけではあるまい。だが抑えが浅いのでノートが落ちがちだ。

081018_181801 081018_181901 手持ちのノートカバー

 さらに表紙ポケットに筆記具やポストイットなど、文具小物を収納できるし、紐の栞が2本付くのもいい。カラーリングは2パターン、サイズはB5、A5、A6の3種。1冊のノート付きで1,100円から1,500円、11月10日より発売。3足のワラジを履くわたし、ちょっと惹かれている。

7 工夫多し。

【2冊目のA5ノートを選んでみよう】
 定番でもっともフィットするのはA5サイズ。左側はフツーのキャンバスノートとしても、さて右側にはどんなノートを装着しようか。

 まずは『ツバメ方眼ノート』がいい。クリーム色の5mm方眼ノートというシックさ、背表紙の赤いラベルもかっこいい。コクヨにツバメですみません。30枚60ページで300円。

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    表紙の写真      ページの写真  

 同じコクヨでは『コピーフィラーノート』がいい。2枚一組で複写になる。カフェで打ち合わせをして、よし!こんなんでいこう!と言って相棒と一枚ずつ持てば、どちらかが無くしても大丈夫。ちょっと高いけれど(420円)ナイスなノート。

 081017
 

 無印良品にはおもしろノートがある。『再生紙週刊誌4コマノート・ミニ』。最初から4コマが描かれている。マンガを描く必要はない。たとえば起承転結で企画書の構成やプレゼン資料を考えてもいい。88枚で94円という不況知らず。

0810174548076716341_l 吉田戦車御用達。

【hmm…なアドバイス】
 でもなぜ2つノートが必要なのか?日常業務以外に特定のPJを持つときや、管理業務、ミーティング用など、分けて書いておきたいと思う几帳面さかしら。

 フト思ったのだが、“分けて書いて整理したい”欲求、小学校時代から学科で異なるノートを使ってきたからではないだろうか?英語や書き方や理科や算数や音楽、みんな違うノートでした。ランドセルも重いし、今考えると功罪あり。

 化学と生物、物理と数学、音楽と美術、英語と国語、日本史と古文、保健体育と道徳、みんな関係し合っているのに、ブツ切れで教えられて、“学際の意義”、“知識の相乗”を体得しにくくしていないか。大人になって夢は夢、仕事は仕事、愛は愛、みんなインデックスを付けるようにバラバラの思考に結びついていないか。

いろんなものを瞬時に結びつける思考力、それがアイデアづくり。最初からインデックス付けるなんて思考じゃだめです。何でも生で受けとめよう。だからせいぜいノートは2つまで!今日は以上です。

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2008年10月17日 (金)

これタレの出口と、SAKURAの春のエピローグ

 「タレがこぼれタレ」なんて駄洒落を飛ばしているヒマはないけれど、昨日ビジネスメディア誠にアップした『たれコレ』にまつわるこぼれ話を今日は書いておきたい。

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 きっかけはタレだったが、最初に連絡を取らせて頂いてから、あれよあれよと2つのメジャー新聞にタレの記事が掲載され、正直、その上でわたしごときのマイナーライターが書くことがあるのか?と思った。それに食分野は専門のライターさんがゴマンといて、わたしの舌の語彙力、さほどではない。隣に座る“料理コンサルタント”のCherryさんに、フフンと鼻でくくられるのも癪だし。

 ところがこれタレの開発者で、プレスリリースの第一人者の蓮香尚文(はすかひみ)さんにお会いすると、おもしろい話がたくさん。特に刺激されたのが「出口から考える」だった。

【PRとは戦略をつくる仕事】
 蓮香さんのおっしゃる“出口から”は、狭い意味ではプレスリリースでの表現とその反響であり、広い意味では社会へのインパクト、つまり社会を少しでも変えることから考えよう、その2つのねらいというか想いがある。

 記事には書かなかったがこんなエピソードを教えてもらった。蓮香さんは、学生時代に小田急百貨店でアルバイトをしていた。その職場の管理職にとても尊敬できる方がいた。卒業して就職して、PRの仕事を起こした頃、その管理職さんに街角でバタリと再会した。

 「元気なようだね」「ええおかげさまで」「何やってるんだい」といった会話を交わした。管理職さんが訊いた。「ところで今、何やっているんだい?」

 「PRです」と蓮香さん。
 「ほぉ。良い仕事やってるな。戦略をつくる仕事だ」

 そんな卓見に感激されて、蓮香さんは、会社のPRとは商品開発後の付け焼き刃ではなく、その上流の戦略から深く関わり合うべき仕事である、ということを社会に伝えようとしてきた。いまどきの“CSR”、企業の社会的責任論が、企業のエコ責任と対になって、押し付けられるように言われるずっと前からだ。これは凄いことだと思う。

 入口=事業戦略、わたしの言い回しでは“お客さまのしあわせ”、そこからマーケターもPRパーソンも考えるべき。そこの想いは彼と一致したと思っている。

【むつかしいなあ、出口からのプレスリリース】
 “プレスリリースとは出口から”、要するにその企業の戦略からと語る蓮香さん。でも出口から考えることはあんがいむつかしい。

 自分の事業や人生の旅の到達点から、やるべきことを組み立てる。目標を手帳に書き込みTO DO Listsを書き連ねる。その実施状況をモニタリングして絶えず修正。ああ、新しいモノ・コト好き、行き当たりばっ旅、O型で獅子座、ネアカな狼(動物占い)のわたしの対極にある人生姿勢。むつかしい。

 出口からのプレスリリース、すなわち戦略とは、自分をブレないように律する作業でもある。

【ナチュラルに生きたい】
 自分が出来ないなら、自分の分身でやろう。マーケティング・エンターテイメントと銘打って『SAKURAの春』、異国を漂うコバヤシと後藤をめぐる物語を綴ってますが、これを(出版とか演劇とかで)プレスリリースするなら?と考えた。いくつかスローガンが思い浮かぶ。

・海外放浪の日本人の若者の奮闘記(体験記)
・放浪の果てに、何かをつかむ物語(ピカレスクロマン)
・海外における日本文化の普及物語(社会文化誌)

 いずれもYes。ちょうど今日、盟友TOMOYOさんがコメントをくれました(ありがとう)。前のが記録ぽいよと言われて、それは感じて、もっと“自然体”で書き直したくて。自分も励まされたい人物像と行動を描いておきたい、と思いました。だから書き直しにあたり“エピローグ”から書き始めました。終わりから描けば、心の到達点が決まりますから。

91607_pc_m  サクラのマンホール。

 生きる上での体験も思考も、本屋の書棚のように「人生」「ビジネス」「文学」「飲食業」とジャンル分けやカテゴライズはできない。人はさまざまなジャンルの事象を受けとめて、さまざまに対処する生き物。複合体。それがナチュラルなのです。でも社会生活で自分を細切れにして、心にパーティションをつくり、自分で自分を分裂させて、だからストレスフルになる

 “ナチュラル”をどう実現できるか、それが生き方の出口なんじゃないかと思っています。今日は以上です。

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2008年10月16日 (木)

SAKURAの春【7】KOTO 3/3

 ブリスベンのダウンタウンの日本料理店『SAKURA』に漂着したふたりの若い日本人、コバヤシと後藤。その失意と熱意と成長を描く“マーケティング・エンターテイメント物語”。“リライト掲載”の7回目です。

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 「そうです。ワーキング・ホリデーを利用して語学学校や大学に通いながら、現地の和食レストランで働くという雇用契約です。日本で飲食業に従事すると、ただウェイトレスをするか、調理をするかで、料理や店舗を総合的に勉強しにくいのですから。
 「朝も夜も仕事や勉強?」後藤が訊いた。
 「はい。シフトはありますが勉強と仕事の毎日です。たいへんですけど、経理も語学も経営も一緒に学べます。日本ではできない一石二鳥と思って応募しました」
 「なるほど」 ワーキング・ホリディで居ついたわたしも風来坊上等兵なら、後藤は風来坊一等兵だ。同じワーキング・ホリデイでも人種が違う。わたしはお尻がむずむずした。

 「日本にいるよりも海外の日本食レストランで和食店の調理や経営が学べる。妙な感じもしますが、ヤル気のある人にチャンスを与えると、こうして生き生きと働いてもらえます。彼女に成長してもらうことも、このお店の使命なんです」と堀田が言った。
 わたしはSAKURA2号店の台湾人とオーストラリアンのウェイトレスを思い浮かべた。彼女たちにひざまずくという習慣はない。たとえあったとしても、きっとしないだろう。
「この店で採用するのは日本人だけではありません。現地の日本文化や日本食に興味を持つ人も採用しています。これも必要なことです。ありがとう、恵子さん」堀田はウェイトレスを去らせた。

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 「SAKURAで感じたのは、別に日本食でなくてもいいのではないかということです」 
 「日本食じゃなくてもいい・・・?」わたしは堀田のことばを反すうした。
 「偶然、あなたを雇った人が日本人で、あなたたちが日本人で、自分たちに扱えそうな商売が日本食だった、率直に言うとそう思いました」

Img1046771579jpeg 引用元 

 図星だ。カンフーブームが去り、ブリスベンの空手道場経営が傾き、Mr.Tはある日こう言った。“日本食でもやるか”。それでMr.Tは、空手の弟子のひとりだったレストラン経営者の店で半年ほど修行を積み、現地のシーフード料理店を“居抜き”で買い取った。内装に日本画の複製画や掛け軸をかけ、ランプシェードに和紙を用いて、BGM音楽を唱歌に替えた。メニューは「すき焼き」「天麩羅」「ソバ」といったいわゆる日本食をあれもこれもそろえた。日本で言えば田舎の街道沿いのファミリーレストランだ。だがヘルシー料理ブームに乗り、日本食=ヘルシーというトレンドにあたるという幸運さだった。これがワーホリの歴代アルバイト同士、語り継いできた物語だ。

 「SAKURAの本店は、まだ高級日本食店で競合がない時代というタイミングが良かった。日本企業、大企業の多い立地への投資も当たった」
 わたしは唾を飲み込んでうなずいた。
 「だがSAKURA2号店は業績不振ですね」断定とも質問ともつかない口調で堀田が言った。
 わたしと後藤は目をあわさなかったが、心の中では同じことを考えていた。
 「その通りです」わたしは正直に答えた。「何とかしたいんです」

 「ではいくつか質問しますが、答えて頂けますか?」堀田が訊ねた。わたしは、こんな光景をMr.Tに見られたら、顔面が完膚なきまでにへこんでいると思いつつも“はい”と答えていた。
 「2号店で一番やりたいことは何ですか?」
 「一番やりたいこと?」後藤はおうむ返しに言った。「それは・・・お店で日本料理をサーブすることじゃないんですか?」
 堀田は首を横に振った。「それは一番やりたいことを実現するための手段でしょう」
 「一番やりたいことか・・・」わたしのまぶたに椰子の木陰でのんびりしている自分の姿が映った。それを振り切ると、次はMr.Tの後ろ姿に向かって、店舗の繁盛を誇らしげに胸を張る自分がいた。わたしも“日本料理”でなくてもいいのだった。
 「いずれじっくり考えてください。それはそれとしてー」堀田は続けた。「2号店ではどんなお客さまがどんな食事をされているのですか?」
 「ランチは駐在員の家族、韓国人などアジア系とオージーがまばらで、だいたい日本人が半分くらいでしょう」
 「いやボクの感じだと、日本人とオージーの連れが半分。あとは独身や単身の駐在員がときどきやってくるのではないかな」後藤は違う見立てだ。
 「おやおや、基本的な観察さえも違うんですね」堀田は笑いながら首を振った。「ほんとうはどんなお客さんに来てもらいたいんですか?」
 「駐在員とその家族半分、オージー半分、くらいでしょうか」わたしは自信がなかった。調査という調査はしなかったし、ばくぜんと日本人に受け入れられる味を出せば、だんだん現地のお客さんも増えてくると考えていた。
 「まずはちゃんと観察してみましょう。今のお客さんがどんな人たちか。どんな注文をしているか。なぜ彼らが来るのか。なぜ来てほしい人が来ていないのか。この順序です」
 わたしたちはうなずいた。
 「メニューはどのようにして決めたのですか?」
 「・・・それは、SAKURA本店のメニューから人気のある、料金的に高すぎないものをもってきました」
 「味はどのレベルを狙っていますか?」
 「日本人の駐在員の接待ですね」後藤が答えた。「日本人に受け入れられる味ならオージーにもだんだん広がるから」
 「ではひとつお訊きしますが、調味料や下味を作る材料の仕入はどうされていますか?」
 そう聞かれて、わたしは現地のチャイニーズ・マーケットでコスト優先で材料を仕入れている自分の姿を思いだして赤面した。現地の昆布、現地の塩、現地のソース・・・。少しずつ日本のものとは違うが、原価も下げなくてはならないのだ。
 「するとこうですか。SAKURAの名前を使う。駐在員家庭と裕福なオーストラリア人が多い郊外立地で、家庭ではあまり食べないメニューを、日本の一般家庭よりも高いレベルの味でつくり、平均料金よりも高めで出す」
 わたしたちはうなずいた。どこかがおかしいとは感じたがはっきりしなかった。堀田店長は畳み掛けるように言った。
 「お客さまは日本体験をしたいからくるのか?本格的な日本の味を楽しむためにくるのか?日本の味が懐かしいからくるのか?」
 そのいずれでもあり、いずれでもないような気がした。

 「ここで、規模の小さいSAKURAを作ってもダメでしょう」

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 7回目までの掲載分を一本にして、次週別のサイトに上げます。“リライト”『SAKURAの春』、従来アップしていた回を全面改訂しつつ、エピソードの幾つかも刷新していく予定。今回は結末を付けて、ブログべースではトータル30〜35回分になります。

081016_191601  新事業準備室の一光景。

 3足のワラジ(クリエイター支援+コンサル+ライター)、ときどきめげそうになりますが、コバヤシと後藤に力をもらってがんばります。今日は以上です。

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2008年10月15日 (水)

SAKURAの春【6】KOTO 2/3

 ブリスベンのダウンタウンの日本料理店『SAKURA』に漂着したふたりの若い日本人、コバヤシと後藤。その失意と熱意と成長を描く“マーケティング・エンターテイメント物語”。“リライト掲載”の6回目です。

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わたしはお吸い物をすすり、日本的な味に舌を巻いた。SAKURAで出す日本料理は“日本的”ではあってもこの味は出せていない。 

673539pm01_49006bi  引用元

「いかがですか、お吸い物は?」店長が訊いた。
 「すっごくいい味が出ています」後藤がすすりながら言う。
 「KOTOは日本の調味料の伝道師でありたいと思っています。もともと出汁や調味料が主力の日本企業の子会社が開いているものですから、こだわりはあります」
 堀田は日本人なら誰もが知っている調味料製造の大企業の名前を挙げた。その企業がKOTOを出店しているのは聞いていた。

 「ですから事業の展開は、お分かりいただけると思いますが、最終的には自社の商品の拡販です。しかし目先の販売増のために出店しているためではありません。レストラン・チェーン展開が本業でもありません」
 「チェーン店を買収しても仕方ないですよね」わたしはサクっとした海老天ぷらに塩をつけて頬張った。塩にもこだわりがある。
 「私たちは、きちんとした日本料理のシーンを海外に普及させたいのです」
 後藤もむしゃむしゃしつつ言う。「ここいらには、みょうちきりんな日本食も多いですからね」
 「甘〜いビーフボウル、うどんに刺身を載せる海鮮うどん丼、照り焼きチキンのお重・・・」 堀田がそういうと、三人で笑った。「あれは日本食じゃない」

 「ですがいまだにあれが日本食だと思っている人もいます。日本食を知らない海外の人を甘くみています。日本人ターゲットでも同じです。普段日本食を食べつけない現地日本人に“日本食ぽくあれば懐かしむ”と手抜きをする」
 わたしはブリスベンのスーパー『ウールワース』でときどき買うインスタントラーメンを思った。安くてスパイシーな即席麺。あれさえあればいい、と思うことがあるのを恥じた。
 「日本食が正確に伝わらないと、本格的な調味料を製造するわれわれの会社には阻害要因になります。KOTOのねらいのひとつは、日本食を伝道することです。高級イメージの日本食レストランにやって来る現地のお客さまは、さまざまな分野のリーダークラスの方々です。彼らから正しく日本食を広める、彼らのステータスにあった格の店舗をつくる。それに相応した味とメニュー、味、サービスを提供する。これがひとつのねらいです」

 「もうひとつは逆に、現地の食スタイルと融合させた日本食スタイルを創造することです。現地のお客さまがどういう食べ方で日本食を食べると幸せなのか、日本食の何が好まれ、何が好まれないか、どんな香りが好まれ、どんな食感が好まれるのか。現実にお顔を拝見しながらデータを蓄積しているわけです。常連のお客様にはメニューや飲みものについて、お話を伺う場ももうけます。むしろこっちがメインになります」
 「現地リサーチですか?」わたしは訊いた。
 「リサーチというより、“お客さまの笑顔を感じ取る”んです。和食・洋食・中華を問わず、美味しいものは美味しいでしょう?」
 後藤が頬張りつつうなずいた。「天ぷら、ほんとに美味しかった」
 「それはよかった。優れた味は普遍的なもの。グローバルに通用する。日本食を知ってもらうこと、その調味料を知ってもらうこと、その調味料を現地の人にも親しみやすいものにして共通語にしたいわけです」

 堀田は続けた。「“お客さんの近いところで商売を考えなさい” これは当社の社長の口ぐせです。商売はお客さんの表情がすべてだ、と。お店に来て頂くお客さまだけでなく、取引先の社員もその家族も大切にしろ、日本食を敬遠するお客さまも大切にしろ、そういう方々の心を知りなさい、表情のくもりを読み取りなさい。そこに殻を破るヒントがあると。そのために出店していると言ってもいいでしょう」

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引用元 

 二人が食事を済ましたぴたりのタイミングで、日本人ウェイトレスがお茶を運んできた。お茶碗を茶托に載せて丁寧に供すると下がった。わたしはお茶をひと口すすり、熱すぎもなく温すぎもない頃合いに感心した。

 「恵子さん、ちょっといいですか?」堀田は立ち去ろうとした女性に声をかけた。恵子と呼ばれたウェイトレスは微笑んでうなずいて、膝を折って低い姿勢になった。「こちらはコバヤシさんと後藤さん。SAKURA2号店から偵察に来られたんだ」
 わたしたちは顔を赤らめ、恵子はぷっと吹き出した。
 「冗談です。恵子さん、あなたのことをお二人に話してあげてください。同じワーキング・ホリデー仲間でもありますよね」

 恵子はわたしと後藤を代わる代わる見て語りだした。
 「私はつい3ヶ月前まで日本の会社でOLをしていました。料理が趣味でずっと料理教室に通い、日本酒のソムリエの勉強もしました。そのうちにどうしてもフードビジネスに関わりたいと思いがつのりました。その時、こちらの会社で現地従業員の募集広告を拝見しました」
 「日本で雇われてこっちに来たの?」わたしは興味をそそられた。
    

                      
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 立ち上げる“クリエイター事業”で、わたしと同じくオーストラリアのワーホリ体験者がクリエイターさんにいらした。いずれ根掘り葉掘り、どんな冒険だったのか聴いてみたい。そのクリエイター支援事業の拠点オフィス、だんだんとカタチが出来つつあります。その準備段階をチラ見せをして、今日は以上です。

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ちっちゃいけれど心地良いオフィス。遊びに来てください。

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2008年10月14日 (火)

SAKURAの春【5】KOTO 1/3

 オーストラリアの第三の都市ブリスベン。そのダウンタウンにある日本料理店『SAKURA』に漂着したふたりの若い日本人、コバヤシと後藤。その失意と熱意と成長を描く“マーケティング・エンターテイメント物語”。“リライト掲載”の5回目です。場面は2人がライバル店KOTOに入るところからです。

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 「Good Afternoon!」と着物姿の日本人ウェイトレスに言われて、うなずいて「ワーホリ(ワーキングホリデーの略)が来るとこじゃないな」と後藤にささやいた。後藤は今さら、というような顔つきで肩をすくめた。彼は気後れした様子がない。

 35度を越える熱気にさらされた身に、店内の冷気が心地よかった。店のあちこちから「Good Afternoon!」「いらっしゃいませ!」という声が掛けられた。オーストラリアらしく「Goo' Day(グッダイ)」という言葉も聞こえた。立ち働くウェイトレスたちからと、カウンター席の向こうに立つ板前さん、現地人の調理人からだ。着物の日本人女性の笑顔と、きびきびとした応対。ひさしぶりにほっとした感じがした。

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案内されて見回すと、80席、いや100席近くありそうな構えだ。店に響きわたるのは“琴”の音色だ。ひょっとしたら生演奏なのか?いやスピーカーからのBGMだ。弦がはじけるかのように聴こえる。SAKURA2号店のような“ラジカセ”もどきではない。KOTO、やはり“琴”なのだろうか。

 一面ガラス張りに庭が見渡せる窓際の席に案内された。着席するころには、冷気と雰囲気に心がほだされて“流行る秘密を探ろう”という気持ちがなえてきた。これではいけない。だがガラスの向こうの鯉が泳ぐ小さな池、芝生と石の庭、箱庭的な日本庭園の情緒を見ると、SAKURA2号店と比較の対象にはならないことがわかった。

 「KOTOにようこそいらっしゃいました」 ウェイトレスは笑顔で言うと、ランチメニューの説明をした。「お決まりになりました頃伺いにまいります」と言って下がった。

 わたしと後藤はメニューをあれこれ見定め、ページをめくり、料理や飲料を覚えようとして、覚えきれないほどの豊富さに舌を巻いた。しばらくして、オーストラリアには似合わないスーツを着た日本人男性がやってきた。きちんとお辞儀をして言った。

 「いらっしゃいませ。店長の堀田です」

           ******************* 

わたしたちは13ドル50セントのランチをお願いすると、店長と名乗った男は振り返り、さきほど日本人女性ウエイトレスに伝えた。調査未了のメニューを下げられて「しまった」と思ったが後の祭りだ。

 堀田と自称した男は、すらりとした背丈だが俊敏な物腰を感じさせた。年は35歳、いや40歳くらいで、飲食店の店長というよりも、世界を又に駆ける商社マンという雰囲気があった。「お話をさせていただいてもいいですか?」

 われわれは顔を見合わせた。「わたしたちを知っているんですか」
 「ええ。2度ほどSAKURA2号店におじゃましました」
 きっと手持ち無沙汰でホールをのぞくわれわれの顔を見られたのだ。恥ずかしさのあまり、反射的に立ち上がりかけた。それをあいさつのためと誤解したのか、堀田店長はわたしを制止して「座ってもいいですか」と言って腰掛けた。
 「もちろんクイーンズ通りの本店にも」
 「ちゃんと調査はされているのですね」
 堀田はほほえんで「いや調査というよりエールを交換したいと思いました。残念ながら店長はご不在でした。そのとき初めてオーストラリアの“ロブスターの活き造り”を食べました。ぷりぷりして美味しかったですよ」
 
 わたしと後藤は目を合わせて忍び笑いをした。体長40センチほどの生きているロブスターの甲羅を一撃ではぎ、胴体を真っ二つに切るMr.Tの無慈悲なさばきが目に浮かんだ。胴体の白身をぶつ切りにして、裏返した尾部に盛りつける。ヒゲも目もまだゆらゆら動いている頭部を、兜のように載せてできあがりだ。果たしてあのメニューが日本的といえるかどうか怪しいが、ロブスターの刺身は人気メニューである。わたしたちは名前だけかんたんに自己紹介した。

 「そろそろお二人が来るだろうなと思っていました」堀田はにこやかに言った。
 真意を測りかねてわたしは彼を見つめた。“何を盗みに来たんだね”という意味をまなざしを堀田の目に探したが、邪悪な色は見えなかった。むしろ“話してごらん”というやさしさが感じられた。同じことを思ったのか、後藤が率直に言った。
 「KOTOを見にきました」
 堀田は何もいわずうなずいた。後藤は続けた。
 「・・・というか、KOTOがなぜ流行るのか、知りたいと思ったんです」
 後藤のことばにわたしもうなずいた。「そうなんです」

 堀田はほほえんで言った。「いやまだウチもこのくらいではモトをとれませんよ。ただ、当社はこの事業を売上だけのためにやっているわけじゃないのです。長い目で実現したねらいがあります。だから今この瞬間には、お二人が賭けてるものの方が、もっと切実かもしれない」
 堀田は代わる代わるわたしと後藤の顔を見た。彼の目の奥からは、わかりますよ、ということばが聞こえてくるようだった。

 わたしと後藤のランチが運ばれてきて、一皿ずつ、和食の作法にしたがったレイアウトで並べられた。海老と野菜の天麩羅、お刺身の小鉢、お吸い物、突き出し、そしてご飯という典型的ともいえる日本食三昧のセットである。添えられた割り箸の包みには「チョップスティックの使い方」が英語で書かれている。箸置きは琴のかたちだった。

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「さ、召し上がってください。せっかくの機会ですから率直にお話しましょう」

 堀田は自分にお茶を持たせるように伝えた。ウェイトレスはお盆に茶托と牡丹が染付けされた湯呑みから日本茶をすすった。

 「SAKURAさんのお店の感想の前に、お二人から見てSAKURAさんの敵、つまりKOTOについてお話ししましょう」

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 あと2回、7回分の掲載分を一本にして、別のサイトに上げます。また、今日もあるクリエイターさんたちと遅くまでお話をしておりまして、掲載がぐっと遅れました。すみません。今日は以上です。また明日。

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2008年10月13日 (月)

芸工展2008:谷中で出逢った猫

世界一住みやすい街は“文京区”である。これは持論であり結論だ。目黒区でも世田谷区でもない。お隣の豊島区との境(雑司ヶ谷)に長年住んでいたわたしだからこそ断言できる。世界中見渡してもこんなに住みやすい地はない。

 文京区といっても広うござんす。目白台や関口台、小石川は一級地だが敷居が高い。地価もバカ高い。なのでもうちょっと北東に流れ、人情味溢れる路地裏の町、湯島・根津・千駄木・谷中。ここいらを歩くといつもほっとする。

 昨日触れたこのエリアで開催中の『芸工展』、ぶらりとしてみた。すると住みやすいばかりか、クリエティブでもあった。これは発見だった。

【hmm…なアドバイス231.芸工展2008:谷中で出逢った猫】
 アカヒゲ先生がいらはるような内科医院を越えて、『月夜と眼鏡』を探し当てた。HPにあったようにたくさんTシャツがぶらさがっていた。長屋の畳の店内は人いきれで、遠巻きにしてしばらく待っていたが、中に入るのをあきらめた。

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 手持ち無沙汰に歩くと、いいなあという表具屋に遭遇。あいにく今日はお休み。昔ながらのマーケティングを感じた。

Pict1023 渋すぎ。

【えいえもん、いろはに木工所】
 芸工展の開催店舗、まるでチェックもせず闇雲に不忍通りを渡る。すると、路地裏の藍染めの見事さよ。民家の店舗から綱を渡して路上展示。切り売りしてくれるのがおもしろい。

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 いろはに木工所の前で『ながれのかばんや えいえもん』に遭遇した。自転車で手作りカバンや小物を売っている。ナチュラルな風合いのバッグ、ブックカバーが良い感じでした。がんばれ、えいえもん!応援するぜ。

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 そしてふらりといろはに木工所へ。素晴らしい技の木工品がずら〜り。とりわけスツールや椅子、木工小物に惹かれた。丁寧な作家の技に好感度高し。心が温くなった。

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【猫の町、谷中】
 谷中を歩き始めてすぐに「どうもこの町は猫のお店が多いニャ」と感じた。ある猫雑貨店にそろ〜りと入ると、猫モノいっぱい。静かに一人で観ていると、大勢の猫好き客が押しよせた。尻尾を丸めてそそくさ退散。路地を往くと前にカップル2人。お目あての場所があるらしく、女性が携帯電話を観ながら「ここ☆ここ!」と上がってゆく。ちなみにわたしのと同じミドリの携帯。

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 彼・彼女の後をつけて石段を上り『ギャラリー猫町』に漂着した。そして2階のフェルト作家の個展に遭遇した。これが大収穫で、どの作品も感動しまくった。

【フェルト作家てっち】
 展示されていたのは、ほぼ実物大の猫たち。フェルトとは思えないリアルさとカワゆさ。なにしろその姿態がすごく猫ぽい。その姿態を切り取る作家の眼の確かさにも打たれた。これはすごいぞと興奮しちまった。写真撮影厳禁なので彼女のブログから次の写真を紹介。

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 作者はてっち(手塚ちあき)さんで“人形ぬいぐるみ作家”。猫をモチーフにしたフェルトのぬいぐるみをひとつずつ制作している。作品写真を拝借した。原寸大猫たちは特注で、抜けた愛猫のヒゲを植え込むとか、肉球の色まで再現してくれる。

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 08年11月11日からの『ねこてん』(プランタン銀座)にも出品されるそうだが、これらのリアルな猫は出さない。なぜなら実物大リアルな猫作品、かなりの受注残があるから。1体10万円くらいからのようだが、現物を観れば価格は高くないと実感する。彼女を時間をかけてくどきます。フェルト教室も開催(猫ブローチなどをつくる)。

【hmm…なアドバイス】
 こうして文京区の下町がまた好きになった。路地裏が落ち着くばかりか、デザインやアートや工芸がたくさんある。いつも何かが起きている。この界隈から南に下りて、秋葉原、日本橋、浅草橋まで、実はかなりクリエティブゾーンになっている。もっと掘りたいな。今日は以上です。

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いよいよアルミMacBookの登場

 書きものに疲れてちょっと小ネタ。いよいよ明日(08年10月14日)、株式市場で暴落があろうとなかろうと、MacBookが刷新される。いよいよアルミマックの登場!

161918 右から 161931 左から。

 いろんな記事の中でもっとも気になったのが価格レンジ。今は8つのライン、それが$800-$3100で12個になるという。次のは今。

MacBook
13インチ : ホワイト 2.1GHz ¥129,800
13インチ : ホワイト 2.4GHz ¥154,800
13インチ : ブラック 2.4GHz ¥179,800

MacBook Air
13インチ : 1.6GHz ¥229,800      
13インチ : 1.8GHz ¥325,400

MacBook Pro
15インチ : 2.4GHz ¥249,800
15インチ : 2.5GHz ¥299,800
17インチ : 2.5GHz ¥329,800

それがこうなる?
800ドルMacで2〜3?
MacBook 3〜4?
MacBook Air 2?
MacBook Pro 3〜4?

 いずれも“?”だけど、プライス変化のポイントは、ラインナップの増加とブルーレイ・ディスクの搭載か否かだろう。気になるのはその800ドルMac。これがネットブックだとすると、MacBook Airの存在意義は何かわからなくなる。だから大胆な予想だけど、キーパッドは装備するけれど、小型の“タッチパネルMac”なのではないか?MacBookとiPhoneの間を埋める商品ではないか?と想像した。外れそうだけど(笑)。次のCMもどきのリーク動画も気になった(どうも偽モノらしいが、歌は気になる)。

 ま、日本時間の明後日まで待ちましょう。

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2008年10月12日 (日)

100人のポーズはんこと月夜と眼鏡とうさぎいんこ

 あの破天荒なブログ、Weekly Teinou 蜂 Womanを読んでいたら、おもしろい紹介記事があった。それは100人のポーズはんこと月夜と眼鏡とうさぎいんこだ。句点を打たないと、ますます何がなんだかわからない。けれどおもしろそうだ。

 蜂 Woman、その前後のエントリーはまさに低能な話しだったけれど、(MacからLaVieに乗り換えなど言語道断)それもおもしろかった。まず『100人のポーズはんこ』から。

【hmm…なアドバイス230.100人のポーズはんこと月夜と眼鏡とうさぎいんこ】
彼女は今、来年の個展に向けて、「100人のぽーずはんこ」に挑戦中。
個人個人の全身姿に、好きなポーズをさせたオリジナルはんこを作ると
いうもので、そのできばえは、依頼者を激しく感動させているようです。

引用元 Weekly Teinou 蜂 Woman

20080916174144

 一体(一個?)1,000円で、注文者の全身姿の好きなポーズをオーダーができるはんこである。逆立ちとか、浴衣姿、全速力ダッシュ、天使の姿など選びたい放題。制作者&デザイナーの渡辺なおさんがその場で似顔絵をちゃちゃっと描いてくれるらしい。見た感じの出来映え、すごく精密である。作ってもらいたくなりました。ヤバい。

Ccd774746
 引用元 蜂 Woman

 なおヤバいことに、『対面!100人のぽーずはんこ』イベント、明日13日に根津の『月夜と眼鏡』で第2回ポーズ受注会を開くらしい。しかも根津一帯いや谷中から上野にかけて、街を上げての展示会、芸工展が行われている(2008年10月11日〜26日)。明日はマーケティング・エンターテイメントを早めに仕上げて出かけようか思案中。

【月夜と眼鏡】
月夜と眼鏡は東京は文京区根津にある築年数80年以上といわれる長屋
の一室にあります。店主がひとりで切り盛りする「ちいさなお土産屋さん」
です。こちらで販売されるオリジナルTシャツや雑貨は店主により一点
一点手作りされています。
引用元 こちら 

20081012110732  20080922192817

 まだ行ったことはありませんが、ほのぼ〜のな感じ。明日行くかどうかわからないけど、場所は文京区根津1−19−7 東京メトロ根津駅1番出口から徒歩3分 根津教会隣りの四軒長屋の左から3番目、とメモっておこう。ちなみに午後から開業

 そこで売っているTシャツにうさぎを見つけたゾ!Mayuさんに捧ぐ『ウサギインコ』。製品説明ならぬ、デザイン説明がいい。 1枚3,800円。

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名前  ウサギインコ
生息  森
全長  35〜45cm
特徴  耳の大きさでその森のボスが決められる
好物  キャベツ、タンポポ

 月夜と眼鏡の店主・ミユさんとイラストレーター・コバヤシトオルによる制作物で、3,800円。いと変わったウサギ。ほかにも『コアライソギンチャク』『羊アンモナイト』『回送ザウルス』とか変わった柄あり。下町のアートな土産、一品モノにぐっときました。

9340968 9147412 

【hmm…にアドバイスされて】
 一昨日、デザイナー支援事業の準備で、ある新進気鋭のデザイナーさんと懇談。浅草橋そばの下町で創造する彼の世界に惚れました。彼曰く「クリエイター支援、怪しいのがありますから、そうならないように」と助言をもらいました。

4  ウチワでは“何とか(事業名)ナッツ”と呼んでいます。

 これは新事業の“メニュー名を描く輪郭のデザイン”です。わたしが無心にひょいとパワポで描いたのがきっかけ。支援事業は社会とどんな接点を持つのか?と考えて「四角四面じゃないよな、やわらかく生きたいよ」と感じた。だからプロセス・フローのような四角いのはやめようと。パワポの四角いヤツがイヤで。

 月夜と眼鏡のようにほのぼのと、怪しげでないものにしたいと思っています。今日は以上です。

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2008年10月11日 (土)

失恋にはうるおいを!大人の失恋セット

 オンナがときどき羨ましくなる。

 なにしろ朝でも空いている女性専用車はあるし、水曜日のレディスデイは半額だし、ゴルフのティーは前方にあるし、異性にちやほやされるし(年齢制限は相対的にあるにせよ)、長湯はできるし、“失恋化粧”もできるし。

【hmm…なアドバイス229.失恋にはうるおいを!大人の失恋セット】
ステファニー化粧品株式会社は、“泣いた分だけ、うるおい補給”というコン
セプトのもと、失恋の精神的ショックによる肌へのダメージをケアする
「大人の失恋セット」を10月7日、WEB限定にて発売を開始します。

引用元 プレスリリース

3  う〜ん。税込み3,465円で吹っ切れるのか。

 “いつも全力で恋をする大人のために”ー失恋の痛手をお化粧でいやしながら、きれいになれる化粧品セットを売り出したのがステファニー化粧品。セットは化粧水+アイマスク+スチームマスク+バスエッセンス。

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ステップ1:ミルキーバスエッセンス(心をからっぽにする)
 抗菌・血行促進・発汗作用のある菖蒲根のエキスと、保湿作用のある米ぬか油で、まず長湯をしましょう。失恋にはハーブの香りがよく似合うのか。まずは“洗い流せ”なのか。ワインボトルを持ち込んで、半分は心に流し込み、半分はバスタブに流し込み、“心身酩酊”なんてどうでしょう。

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ステップ2:スチームマスクの温冷ケアで、涙ゆえのむくみをすっきり。
 ふむ。温めてもよし、冷んやりもよしのコットンマスクですね。むくんだ目もと、ふくらんだ鼻もとすっきり。涙もハナミズも(失礼をば)吸着してくれるのかわかりませんけれど。むくみよ、さらば!オトコの嘘よ、さらば!

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ステップ3:泣き腫らした目元、アイマスクで潤わせて。
 そうか、涙を流すと水分が抜けるので、お肌のぷるるんも低下するんですね。涙は美容に悪いんだ!これは新発見です。悲しみの涙、たしかに心に悪いのだから、美容にも悪いのはつながりがありそう。

【失恋情報の扱いは厳密に!】
 化粧ではなくて、基礎からなのがミソでしょう。泣き腫らした目をアイシャドーで隠すのは粉飾決算みたいなもの。専門的な用語では、内部売上利益を良く見せる、原価の付け替えみたいなものです。剝けばボロボロ(笑)。

株式会社Hime&Companyの「失恋休暇」(失恋したら休暇を申請できる制度)に似て、失恋癒し商品トレンドに乗ろうというのでしょうが、そのアイデアと遊び心、いいなと思いました。販売時にはぜひ「個人情報保護に基づき、あなたの失恋情報はがっちり守ります!」との一文を入れてください(笑)。

【オンナとオトコの心模様、あれこれ】
 この記事のタレコミは例のごとく盟友Cherryさん。彼女が突如としてヘアを超短くするときがあって、最初はびっくりして「何かあった?」と聞くのですが、「別に」とクールに言われて「はぁ」と(笑)。女性は何気なく応える術を知っている。

 ある女性のこと。急に化粧を変えて、従来の茶系の顔にブルーなアイシャドーがはいった。おや何が起きたのか?と思って聞けば「別に。」と。そこでもオンナ心の迷彩を思い知った。彼女の顔を別人にする化粧品の魔力も思い知ったが。

オトコは失恋のとき、どうするのか?自分の失恋ケースでは、田舎道を何キロもひたすら歩いた。いろんなことを呟いていた。暗いし危ないなあ(笑)。別のケースでは海浜に座り、ワインのボトルを開けてぐいっとやったなあ。打ち寄せる波が夕闇から暗闇になって、音だけが聴こえてきて、すすりなきを波間に隠してくれた。波で涙を洗った(美容には最悪だったんだ!)。

 オトコは涙を夕闇にまぎれて隠す。オンナは涙を化粧で隠す。これが鉄則なのか。

【hmm…な会話】
 さてクリエイター支援の事業準備、粛々と。次々とクリエイターさんに会って惚れています。でもCherryさん、一抹の不安をいだく。出品ラインナップが、女性ウケするモノが多くて、もうちょっと男ぽいデザイン作品も増やしたい。そこで彼女に訊かれました。

 Cherryさん:「男性の好きなものって何かしら?」
 わたし:「オンナ」
 Cherryさん:(とっても微妙な顔で)「デザイン・グッズのことです!」

 また嫌われた(笑)。今日は以上です。

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2008年10月10日 (金)

おしゃれなレインコート

AIGLE(エーグル)に代表されるおしゃれなレインブーツが大流行している。おしゃれは足元からと言うけれど、足がおしゃれなら身もおしゃれぢゃないと気が済まないと思う人が増えて、レインコートもデザイン志向が強まっている。

850985412_01_m  もはや定番のレインブーツ by AIGLEベニルマリン

 天気予報が当たらず、相場のように崩れた今日は雨の日だった。また雲行きが怪しい3連休の週末に向かって、雨の日に捧ぐ美なるレインコートを紹介。

【hmm…なアドバイス228.おしゃれなレインコート】
AIGLE定番の2層構造の防水透湿素材を使用したライディングコート。
裾には、伝統的なフットカバーを内臓、乗馬の際、脚にベルトを巻きつけ
コートに沿わせることが出来ます。センターベンツには大きく広いまちを
付けているので騎乗時に、ベンツ開き部分からの雨が入ってくるのを
防ぎます。
引用元 エーグル 

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 AIGLE定番のレインブーツには、AIGLE定番のレインコートMTD 2Lライディングコート 』を。馬に乗ってみたくなるレインコート。センターベンツには広いマチがあるので、雨の侵入を抑えてくれる。袖口を閉めるところにはベルクロが付いており、ぐっと絞り込めるし、フロントはファスナーとボタンの二重装備。なおMTD(マイクロテック)防水透湿性機能を持つ素材。

 「ライディングコート」というのが正式な名称で乗馬用なのであるが、わたしたちアーバン・カウボーイはもはや馬にはまたがらない。やっぱり自転車ですよね。と思うと、これは自転車にもぐっと似合いそうなデザインだ。定価は18,900円でどこのサイトも品薄が続く人気商品。

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 コートまでの丈が長くない『サイクルプルオーバー』もある。自転車に乗った時の前傾姿勢に合わせて、前身を短くバックテールを長くして走行中も雨をしのぐタイプ。これにジーンズとAIGLEブーツならかっこいいぜ。定価16,800円

【リンリン・しとしとを楽しもう】
 2つ目は“ママと子供の美しいサイクルファッション”アイテム。

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 自転車用レインコート(女性用) RW-AGM は、トレンチコートをイメージしたデザイン。ウエスト部分の絞り込みで、おしゃれでカラダの線にコンシャスな女性にも満足。雨に強くてむれにくい素材を使用。コートの表地には撥水加工をほどこし、水の入りやすい縫い目部分にも防水仕様という、よく考えられた製品。さすがは自転車のブリジストン。¥9,800。

 子供向けもあり、これで並んで乗っかればおしゃれなママコに。6,800円。お節介かもしれませんが、雨の日に傘を片手に差すのは道交法違反、5万円以下の罰金です。リンリン・しとしと 楽しいな♪がいい。

【マッキントッシュフィロソフィーは老舗+スリム+機能】
 3つ目は2008年から発売されたブランドライン、macintosh Philosophy(マッキントッシュフィロソフィー)のレインコート。

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 ゴム引きコートで有名な英国の老舗の防水コートが源流で、レインコートぽくないスリムなラインが特徴。フードを使わない時は収納もできるし、襟裏のボタン留め収納機能もあり、ウインドブレイカーとしても、オータムコートとしも使える。雨が降らなくてもおしゃれに楽しめるのが最大の特徴。およそ17,000円前後だが、品薄気味のようだ。これを買うか、エーグルにするか、女の悩みはひと雨ごとに深まるのだ

【hmm…なアドバイス】
 デザイン感度の高い女性に支持されるレインコートを見ていると、共通した特徴がある。「ちっちゃく折畳める」とか「軽くて撥水力高し」など、機能重視ではないこと。折りたたみ傘が、軽くて小さければいいという機能だけを追求した挙げ句どうなっただろうか?雨がしのげればいいのよ、というこだわりでは1本300円という低付加価値にうずもれてしまう。

 むしろ「ポケッタブル」「ちっちゃさ」なんて無視しよう。雨風をしのぐことは必要だけど、一般的な機能をいったん取っ払って考えてみたい。

 プロ仕様のレインコート、たとえばマッキントッシュのゴム引きや新聞配達員のゴムの長いコート、こういうプロ用途のものをファッショナブルにリ・デザインするのがいい。あるいは、コート嫌いの人は、着た感じがモサっとするのがイヤなのである。ならば“オーバーシューズ”のように、ジャケットの上でもピチっと着こなせる“オーバージャケット”のようなレインコートもいいと思う。

 エコ重視で“ペットボトル樹脂のリサイクルコート”なんていうのも、まあ悪くはないけれど、水物を入れた容器で雨をしのぐ、てのもちとおかしいしね。今日は以上です。

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2008年10月 9日 (木)

ホームレス向けのクルマから新たな生き方を見いだした

 今日はビジネスメディア誠で連載する“うふふ”マーケティングへのリードです。

ホームレス向けのクルマから新たな生き方を見いだした
ミシガン大学の学生が快適にホームレス生活を送れるようなクルマ、
HUV(ホームレス・ユーティリティ・ビークル)を開発した。できるだけ
モノを持たずに生活できるよう設計されたHUVを見て、新しい時代を
生き抜くためのヒントをもらった気がした。
続きはこちら。

 以前から気になっていたのが、町の中で重装備のホームレスと軽装備のホームレスがいることだ。ある人は段ボールの囲いさえなくドテっと横たわり、ある人は風雨をしのげる“我が家”をさまざまな廃材で作り、文字通りそこに“住む”。その違いはなぜだろうか?

 そもそも“ホームレス”は家無き子である。だが着の身着のままでいられても、水や食糧や日々の暮らし、どこかになんらかのかたちで定着していないと生き続けることはできない。この矛盾を突いたのが、Millsさんのホームレス・ユーティリティ・ビークルだった。

Interviewtaron Millsさん。

【物持ちって、、、】
 ホームレスになってもモノ持ちってどうなんだろう?人類が定住を始めたメソポタミアの昔から、人が持ち続けてきた“定着欲”というサガゆえなのか?モノを捨てきれなかった社会生活の名残りなのか?

 ノマド一年生のわたしのカバン、けっこう重いのですが、男の荷物持ちはデジタル・ノマドがど〜んとでっかいバックパックを背負うと同じで、カッコ悪い。男はどんなにツラくても寅さんのように行李のバッグひとつ、身ひとつでさすらうのがカッコいいのだ。でも手ぶらで会社に出勤する営業マンはどうかな?とも思う。

 女の物持ちは仕方ないとしても、なぜバッグひとつではなく、手提げ袋やら書類ケースやら、持ち物を“分割運搬”したがるのか、これもまた謎である。荷物持ちと人間の関係は思ったより複雑である。

【ホテルで生まれ、ホテルで死んだ作家もいる】
 ふと思い出したのは、昔ホテルで生まれ、ホテルで死んだ米国人劇作家だ。

 公演旅行がちな舞台俳優の父、彼の旅行生活に同伴した母はピアニストだった。それゆえにホテルで産み落とされ、そのの出生ゆえか、戯曲は放浪物語が多かった。だが決して“路上の作家”でもなく、アマチュアでもなく、ノーベル文学賞受賞者だった。

 それはユージン・オニール氏。著名の劇作家だったのに、死亡時の所有物はトランクひとつだったと言われる。人生は舞台。一幕終われば大道具も小道具も処分する舞台と同じで、一作書いては放浪したのだろうか?

 ひとつの場所に定着できない人には、きっと心理的に定着することができない何かがある。それは遺伝子かも知れないし、何かの経験ゆえなのかもしれない。単に浮気なだけなのかもしれない。

 わたし自身の放浪体験を元に書いている『SAKURAの春』、べースには登場人物の放浪がある。放浪者は必ずしもそこがイヤだから放浪するのではない。そこに立ち止まることに疑問があるから放浪するのだ。むしろ社会との接点を求めるがゆえの放浪なのだ。そんなことを分かってもらいたくて書いています。

 以下、Millsさんと約束した、記事の抄訳です。

  Dear Mills san;  I translate some of the article roughly.

【English poor translating for Mr.Mills】
 In the 21st century, the human being goes to "nomade" since the Mesopotamia era. This is an opinion by Jaccques Attali, the former Assistant to the President François  Mitterrand, in his book "une breve historie de l'avenir". He explains there are 3 types of nomade, elite nomade, lower nomade, and digitally-mobile nomade.

Nowadays we can see nomads everywhere; internet-netizen, migrant workers,  multinational corporations, and non-territorial office workers. The nomade has been already started around the world.

When autumn comes with chilly-wind, I noticed “Homeless Utility Vehicle" created by Mr.Stephen Mills, who majored then art-and-design senior at the University of Michigan. This could be a purveyor for lower nomads!

This is a vehicle for homeless, being inhabitable and movable. The supporting structure for the transparent PVC material is to be opened and closed like an canopy; and non-transparent PVC is for enclosure for privacy. This is novel idea. I interviewed with Mr. Mills and asked where the idea came from and why you made it.

"The Homeless Utility Vehicle emerged as the product of an inspiration to address the complex issue of homelessness in America. Efforts to transform the HUV into a reality began with a preliminary phase of research and development, which consisted of innovating and refining the overall design."

This could be a challenge for him not only designing but crafting. HUV is a vehicle and a house. You can push and pull and carry his personal belongings.

The Ann Arbor community at Michigan University is a mild temperate area but the testing of the vehicle, slept in the vehicle, was at below zero temperature. But he said. "Not cold when zipped".

There were some social issues such as how we shall treat it under the Road Traffic Act; facing urban planning and landownership issues when the vehicle was parked; the vehicle could be a shelter for emergency.

I asked Mr.Mills "as a home how did you decide how much space would be allocated to personal belongings within the vehicle? "

His answer was "I made the decision to give the user the maximum amount of personal storage for his/belongings in the HUV without compromising his/her own comfort and living space".

There are two cargos for recyclables and one space for personal belongings. This personal space is similar volume to the office document box manufactured by Fellowes which we quite often see at every US company.

There are two types of Homeless; one is heavy-perosnal belongings, another is light-personal belongings. Some homeless makes a house, another  makes nothing. The volume of belongings is not relevant to its homeless-ship but to his DNA and his experiences.

There is a closed relationship between personal belongings and its carrying.

People who wonders at the web-space works everywhere at cafe and in the trains and his home. Therefore the sales of mini-notebook PC have been soared. We stored every memories and files and softwares on the net virtually.

People who want to be "moving-lightly" are increasing. Many personal belongings are nowadays "temporary properties". Houses are rented, friends are on the net, lovers are temps. the word "consume" is not appropriate for the nomade century. I propose the word "nosume" - nomade + consume.

Please forgive me this very rough translation and again thank you for the cooperation. I pray your success as an excellent designer.

 Huv_winter ごくろうさまでした。

今日は以上です。

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2008年10月 8日 (水)

【SAKURAの春 4】 コバヤシ、お前を殴る2/2

 オーストラリアの第三の都市ブリスベン。そのダウンタウンにある日本料理店『SAKURA』に漂着したふたりの若い日本人、コバヤシと後藤。その失意と熱意と成長を描く“マーケティング・エンターテイメント物語”。“リライト掲載”の4回目です。

         *******************

 わたしは紙ナプキンを広げて“KOTO”と書いた。

081008_061502  <K O T O> ロゴはお許しください。

それが“古都”なのか“琴”なのかさえ知らない。車で10分ほど離れた地に2ヶ月前に開業した日本食レストランの名前だ。日本の大資本の傘下の日本料理店。ねらいはSAKURA2号店と同じ、このエリアの有望性ゆえだろう。

 わたしはこう考えた。KOTOの開店数日は、お客はとられるだろうが、しょせんは新参店。ブリスベンで5年も店舗を続け、日本食といえばSAKURAという知名度抜群の看板がモノをいうはずだと。だがKOTOのオープン後すでに1ヶ月が経ち2ヶ月が経ち、事態は悪くなるばかりだった。KOTOは繁盛し、SAKURA2号店には“サクラ”さえ来ない。
 
 そちらにお客が流れているのはまちがいない。赤道の下の国にまで来て、日本の大企業に追われるとは。ついていない。だがわれわれのせいじゃないのだ。

 「ランチにしよう」わたしは後藤に声をかけた。まかないのランチ、余りがたくさんある。おとついのもある。昨日のもある。食べ放題だ。

 「コバヤシさん」後藤がステンレスボールのレタスをラップを掛けながら言った。「昨日、Mr.Tが来ましたよね」
 「ああ」
 「なんて言っていました?」
 わたしは肩をすぼめて言った「売上を上げろって」
 後藤は口元をわずかに持ち上げた。「それだけじゃないでしょう」
 「まあな」
 「あの得意ゼリフですよね」後藤は息を吸い込んで止めて空手のポーズをつくり「ゥオス!」と拳を伸ばして低い声で言った。「コバヤシ、お前を殴る」
 わたしは不条理に笑うしかなかった。「まったくその通り。あと1ヶ月の命、いやもっと短いかもしれない」
 「コバヤシさん」後藤は真顔で言った。
 「何?」
 「借りは返せないと思うけど、一緒にペコンペコンになりますから」後藤もわたしも小さく笑った。

 わたしたちは手をこまねいていたわけではない。ランチのメニュー改善もしたつもりだし、PRのため日系の会社にランチやディナーメニューのお知らせファックスも毎日入れている。日本食材の取扱商社まで行って、目新しい食材の購入交渉もしている。地道な努力だがいずれ実を結ぶはずなのだが・・・。

          *******************

 「破れかぶれですけど、敵から学びませんか?」後藤が言った。
 「敵って、KOTOのこと?」
 「そう。ボクはまだKOTOに行ったことがない。KOTOは高級店という話だけは聞くけど、なぜSAKURAは流行らないでKOTOが流行るのか、よくわからない。せめてそれが知りたい」

 わたしはKOTOを“寸止め”でチェックしたことがあった。駐車場近くまで車を近づけて、外から店舗を観察した。高級車の並ぶKOTOの駐車場ゲートを、自分の乗る絶滅車がそぐわないと思うことにした。実は中に入る勇気がなかっただけだ。SAKURAの数倍の規模の日本様式の店舗を眺めただけで“勝負にならない”と感じたのだ。考えることさえ避けていた。

 「どのツラ下げてゆけばいいんだんだろう」自分の声に落ち着かない響きを感じた。
 後藤はレタスを入れたボールを、磨かれたステンレス・ボディの冷蔵庫に入れて、ドンと扉を閉めた。
 「別に僕らが隣の日本料理店のコックだってバレたったかわまないでしょう。しょせんは雇われ。オーナーではないのだし」
 「そりゃそうだな」しょせん雇われだ。空手屋のオーナーにとっては一枚の瓦にすぎない。押忍!と叩けば、かんたんにカチ割れる。
 「それに相手がどう出るかはよくわからないけど、ここは日本じゃない」後藤は意味ありげに言った。
 「日本じゃないって・・・?」
 「祖国は遠く北の彼方。競合といえど同じ日本人、助け合いがあってもいいし」
 「それはそうかもしれないな」わたしは理由もなく同意した。
 「別に向こうの店長さんに会わなくても、なぜKOTOが流行るのか、なぜウチがダメなのか。少しでもヒントがあればいいでしょう」
 わたしはうなずいた。「そうだな。どうせ殴られるなら当たって砕けるか。まだ1時半だからランチに間に合う。行こう」

           *******************

 平屋建ての、黒い稜線が伸びやかに広がる屋根の建物が見えた。KOTOの駐車場の無人のゲートをくぐりぬけるとき、わたしの車は、ペダルをふかしてもいないのにブルンと震えた。“いやがるなよ”と、荒げる馬の首をなでるようにハンドルをやさしくたたき、もっとも奥のスペースに止めた。陽が傾きだしてもまだ7〜8台の車がある。高年式の高級車ばかりだ。ランチをゆっくりと食べることができる人びとがお客さまなのだ。

3  引用元 

 日本料理店KOTOの入口のドアを開けると、出迎えてくれたのは、小柄な日本人のウェイトレス。黒地に赤の大輪の花柄の着物姿、にこやかに微笑みかけてくれる。

「Good Afternoon! いらっしゃいませ。日本人のお客様ですね?」

         *******************

 今日は以上です。

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2008年10月 7日 (火)

【SAKURAの春 3】 コバヤシ、お前を殴る1/2

 オーストラリアの第三の都市ブリスベン。そのダウンタウンにある日本料理店『SAKURA』に漂着したふたりの若い日本人、コバヤシと後藤。その失意と熱意と成長を描く“マーケティング・エンターテイメント物語”。“リライト掲載”の3回目です。

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 わたしはレコードプレーヤーのカートリッジを持ち上げた。音を取られた黒い円盤は、むなしく回転した。カートリッジをおくと盤は次第に勢いを失い、やがて小さく逆に振れて静止した。オーナーのMr.Tの日本趣味、いや“ヤマト趣味”と言うべき昭和の唱歌集のレコード。日本料理店なら唱歌という趣味はどうかと思ったが、いやもおうもなく、SAKURA2号店のBGMだった。

74711 画像出典 

 音を止めたのは、たった今店を出た“最後の”お客さんの背中をみたからだ。厨房への出入口のすだれを寄せて、がらんとした店内を眺めた。時刻は12時半を過ぎていたが1時にはなっていない。だがこれで今日の客入りは“トマリ”だ。わかっている。5組しか入らなかったランチの店内を見渡して、オーナーのMr.Tが昨日やってきて言ったひとことを思い出した。

 「来月も売上が上がらないなら、コバヤシ、お前を殴る」

 雇い主が従業員を殴るなんて許されるわけがない。普通に考えればその通りだが、ここは地球の反対側の南半球、南国の都市だ。日本の法律とも無縁だし、どっちの国の世間の常識も通じない。命令が実行できるかできないか。やれなければ殴られる。殴られるのがイヤなら、夜中に逃げ出せばいい。だがこんな南の果てまで流れてきて、その上さらにどこに逃げればいいのか?

 わたしはツバを呑み込んだ。乾いた喉を潤すほどのものではなかった。昨日のランチはそれでも7組だった。わたしはすだれを下し、厨房のまな板のヘリにペティナイフの背をコンコンと当てて、毎日考えていることを考えだした。

 「どうしたら売上を上げることができるか」

 日本食レストラン『SAKURA』2号店は、ブリスベンのダウンタウン(中心部)から外れた郊外に立地する。スーパーを核とするショッピングセンターの中のテナントのひとつだ。周辺には日本資本の企業も多く立地しており、その家族たちの住人の集積もある。住宅地としてのランクも随一で中流以上の家庭が多い。ショッピングセンターの商業施設にもにぎわいがある。そこに空き店舗が発生した。

 “SAKURA”というブランド力も計算できた。ダウンタウンでもう5年も店を張っている『SAKURA』本店は、ブリスベンで和食なら第一に名前が上がる評価を得てきた。一流の日本法人や金融関係など恵まれていたこともあり、順風な経営である。その影響力も見込めるはずだ。

 条件はよさそうだった。出店を決意したMr.Tが投資をして、三月ほど前に開業した。

 2号店でも、日本人だけでなくオーストラリア人もターゲットにしたポピュラーな日本食メニューをそろえた。すき焼き、しゃぶしゃぶ、和風味ステーキ、お味噌汁やお茶漬け、蕎麦までそろえた。一流ではないが本格的な味わいを売りにした。料金設定は一般のレストランに較べると安くはないが、日本食から離れられない日本人駐在員相手としては問題ではない。ランチは日本人、ディナーはビジター接待にも使ってもらい、オージー(オーストラリア人)家族の豪華な東洋の夕食を演出しよう。

 スタッフは、SAKURA本店でシェフとして丸2年働いてきたわたしが店長兼シェフ、そして6ヶ月の延長をした後藤が厨房を担当。日本人の顔をした台湾人女性、オージー女性のウェイトレス。SAKURA本店でやってきたことをそのまま“小さく”やればよいはずだった。何より近くにMr.Tがいないのが快適だった。ぼちぼちやれば、2人とも南国の自由な生活をどっぷりを楽しめるはずだった。だがー。

 コンコンというナイフの音が“連弾”になった。振り向くと後藤もナイフの背をまな板に当てていた。ふたりでコンコンしていても仕方ないじゃないか。だが他にやることがないのだ。

Koya26  画像出典 

 開店当初の2、3週間こそ入りはよかったが、ほどなくランチもディナーも客足が伸びない現実に直面した。ランチはひと桁の組数の毎日。ディナーはもっと悲惨だ。たまに予約の電話がはいり、テーブルの上に予約札を置き、お客さんがやってきても“貸し切り”と見まがう。どこでも座れるレストランには誰も座りたくないものだ。たまに客が入れば入ったで、マイナスのクチコミが広まった。いったい何が悪いのだろうか?

 日に日にわたしは追いつめられていく。殴られるくらいならマシだ。きっと殺される。ブリスベン・リバー浮かぶ日本人ワーキングホリデー旅行者の死体発見。日本の新聞に囲み記事で本名が出る。旅の行く手に何が起きたのか?流れ者同士のイザコザに巻き込まれた模様。ピリオド。世間すぐに忘却。

 いっそのこと殺られる前に・・・。わたしはコンコンの音の元、後藤のナイフに眼の焦点を合わせた。後藤はじっとわたしを見ていた。右手でナイフを振り上げる真似をして、左手で作った拳を刺そうとしてニヤリとした。同じことを考えていた。

 わたしはコンコンするのをやめて、紙ナプキンを一枚とりあげた。広げてボールペンで文字を書いた。

 K O T O

         *******************

 今日は以上です。明日はこの続きを掲載します。

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2008年10月 6日 (月)

林田さんとの往復書簡:テーマはデザイン

 今日は“SAKURAの春”の続編をお届けする予定でしたが、予定調和しないのが世の常。今朝ほど、ビジネスメディア誠の“うふふ”をお読みいただき、そこからこのブログにたどりついてくれた林田浩一さんから、膝打ちの嬉しいメールがありました。

 その想いを受けとめて投げかえした、林田さんとの往復書簡が今日のテーマ。

【hmm…なアドバイス227.林田さんとの往復書簡:テーマはデザイン】
 はじめまして。 林田と申します。
 フリーランスで商品開発/デザイン(主に工業デザイン)開発のコンサル
タントのような活動をしています。『Business Media 誠』での郷様のコラムを
眼にして読ませていただいたことから、『マーケティングブレイン』 へ辿り
つきました。その中の9月30日の郷様独立の記事の内容に反応して、
思わずメールを差上げております。
 今後の方向性の中の『・・・2、デザイナー支援事業(11月初旬からスタート
予定)・・・』に注目してしまったからです。
 郷様のように、コンサルタント側からデザインへのアプローチをしている
方は少ないので嬉しくなってしまいました。

Logo

 林田さんのメールの書き出し、ぐっときました。林田さんが従事される『ドリームゲート』アドバイザーの経歴を拝見しました。自動車メーカーのデザイン部で量産車デザイン・先行コンセプト開発という誰もが羨むお仕事をされ、その後コンサルティングをされた後、“『差別化 × 表現力』『経営資源としての戦略的デザイン活用』”を旗印に独立。わたしのような、ナシ崩しx行き当たりばっ旅と大違いです。

 はっとしたのは「経営資源としての戦略的デザイン活用」。これです!成熟国家日本で、事業にもっとも必要なこと。林田さん、「スタイリングデザイナーとしての造形面からの仕事以上に、デザインと経営の関係への興味が強くなり」ゆえにコンサルをされた。

【造形と経営は一体でないと、企業はおかしくなる】
 造形と経営、これが一致していないと企業はおかしくなる。

 代表例は90年代の日産自動車。日産の方、ごめんなさい。でもあの時代のスカイラインのデザインは許せない。特にサッシュ周りのツギハギ(再度ごめんなさい)。部品メーカーの納入品をそのママ組み合わせたようで。実態はきっと、デザイナーの想いが商品化されなかった社内力学なのでしょう。だから業績悪化しました。

 林田さん、メールで「動物的勘のごとく、半ば力技でデザインを自分で使いこなそうとする経営者」もいる、と書かれていましたが、そんな経営者がいて会社は変わる。カルロスゴーンが、「フェアレディZはスポーツ車だから“絶対に”2本のマフラーが無いとダメだ」と言って、そもそも1本のデザインを変えさせたのは有名ですよね。

Img28850918 引用元

 自動車=感性型商品の代表だから、と言われるかも。でもそれは違う。要はデザインのとらえかたであって、デザイン=外面のカッコよさだけではない。デザイン=企業改革起点、ユーザー覚醒起点。そう捉えることができるかどうか。企業改革とはそういう問題だと思う。

【デザイン=うれしい=消費者インターフェース】
 わたしからの林田さんへの返信メールの一部。

 あらゆるビジネスのまん中に“お客さまのうれしい”からビジネスを組み立てて
ゆくのが、ありたい姿だと思っています。
 ほんらいコンサルタント稼業も、“うれしい”ことを突き詰めることから初めて、
“仕事愛のマネジメント”(従業員が楽しくなけりゃ良い商品が生まれませんよね)、
そして“生活者愛のマーケティング”を構想し、そこに向かって会社や意識を改善
することだと思います。

 そのうれしいを凝縮するのが“デザイン”だと思うんです。デザイン=お客さまのうれしいを、あるときはさりげなく、あるときは衝撃的に、あるときは感動的に創りあげること。

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        わたしの独立後の名刺、ウラデザイン。

 電子機器の世界で、ユーザー・インターフェースということばがあります。使用者のデザインではなく、“消費者インターフェース”と言い換えるべき。消費者との接点をどう取りたいか?ウチの会社の社会価値の視点から、上から下まですべての部署でそれを考えてみよう。真の事業改革/経営革新とは外面でなく、“内面のデザイン”から始まる。

 林田さんの再返信にもこうあります。「デザインは上手く活用すれば、商品やサービスを世の中に送り出す側の人達にも、受け手の顧客側の人達にも、『いい気分』を創り出し価値を産むものだと思います。

【hmm…なアドバイス】
 たった3人で始めるデザイナー支援事業、やります!と書いたら、感応してくれた方が多かった。元クライアントで某大手印刷会社の方、某ソフトウエア会社でPJ未満の間柄の方、もちろん元所属先の会社の方々も。ありがとうございます。

 コンタクトを取るクリエイターの方々を始め、黒っち、Cherryさん、そしてバックボーンとなって頂いている母体会社の社長さん。ここから“くらしクリエイティブ”を広めます。今日は以上です。明日はSAKURAの春を読み流してください。

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2008年10月 5日 (日)

ロングライドの通勤助走体験

  今日は午前中にど〜んと仕事を切り上げ、フィットネス日和の一日にしました。雨よ降るな!と祈りながら自転車にまたがりました。無謀にも新事業のためのちっちゃなオフィスの工事着工の立ち会いも兼ねて、都心に向かってひた走り(某郊外エリアに住んでいます)。直線距離ならもっと短いけれど、結局は片道20km以上のロングライドに。

 おかげで浦和レッズの手痛い敗戦にも出くわさず(午後2時頃キックオフでしたか)、からだは引き締まり、ロングライドの自信もつきました。ということで久々の自転車話題を。

【hmm…なアドバイス226.ロングライドの通勤助走体験】
 自転車通勤をしようにも、都心のブランド地域に住んでいませんのでムリ。でも独立を機に毎日スーツを着なくてもいいし(ジーンズになりました)、たまには新事業のオフィスに自転車でやって来たいと思って、下見をかねて日曜日にチャレンジ。

 河川沿いの自転車専用道をなるべく多く走り、一般道路での走行距離を減らす方針は当たりました。河川敷グラウンドはどこも少年野球でいっぱい。時速22、3kmくらいでゆっくりと、つつ〜いと。気持ちいいなあ。

 川沿いから折れて、主要道路に(国道は避けまして)。平日のせっかちドライバーは少なくて割と快適。この日のために装着したバックミラーは役に立ちました。でも交通量の多い車道は危険だし、歩道は逆の意味で危険(人を引く)。だからほぼロードを走りますが、道交法をきちんと守り(当たりまえです!)信号で止まると、歩道を走るママチャリライダーと同じペースでがっかり(彼らは信号無視するから結果的に速い)。

【東京生まれBUT東京道音痴】
 都心の道の難関は“橋越え”。側道を行くべきか、本道でいいのか(危険じゃないのか)、勾配はどのくらいか。初めて走るとわからない。自転車はこっち!と明確に表示があってもいい。そういえばOVEのライドのときも迷ったっけ。

Nuvi_04 これいいなあ。

 そんなときGoodなのが自転車用ナビ。“東京生まれ・東京育ち・BUT東京道音痴”のわたし、これ欲しい。テクノロジーライターの大谷和利さんのグッドなエッセイを読んでますます欲しくなったガーミンの『nuvi 250』。ゼンリン地図を装備しコンパクトで3万円代という価格もが魅力。自転車装着も可能(サードパーティ留め具)。防水機能なし、充電電池はメーカー持ちこみはマイナスだが、“充電ハンドル”を付けることはできませんか?

Nuvi_01 Nuvi_11 写真引用元

【おしゃれに自転車を置きたいけど】
 ともあれ到着!それほど疲れなし。さぁて自転車、どこに置こうか。

081005_150001  とりあえず1階で休んでいてね。

 新しい仕事場、今日からリフォーム工事が開始。前の壁材を取っ払い、土台とする幅木を打ち、そこにボードを付ける作業をしていました。どうやら20mmくらいの釘打ちはできそうな造りになります。そこでひらめいたのが、我が自転車置き場ラック!

Ccyclocmain  4

 こんなおしゃれな『Cycloc Bicycle Storage』があればいい!どことなくバケツぽい自転車ラック。アラよっと愛車を掛けて、その中にヘルメットとグローブも入れられるのがグッドデザイン。Generateで¥14,900で販売。(写真引用元

【hmm…なアドバイス】
 久しぶりにガッツリとフィットネスして気持ちがいい。これもOVE効果ですね(くわしくはわたしの記事『おい自分、チカラ抜けよ——再発見の自転車ツアー』)。自転車乗りの幅が広がりました。自転車道、自転車だけでなく、老若男女のジョガーやウォーカーがたくさんいました。みんな美しい。で、あのgoodなニュースを思い出しました。“尚子、米国で極秘3連勝していた”。

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 ボルダーマラソンの記録です。右上に彼女の名前があります。

 高橋尚子さん、ファンと一緒に走りたいと宣言して「東京、大阪、名古屋の3大マラソンへの連続出場する」。だがマスコミからはかなり冷ややかに書かれた。でもフトウフクツ(不撓不屈)な彼女、米国の難コースで3連勝しています(マラソン2つ、ハーフ1つ)。11月16日の東京国際、わたしは自転車なら伴走OKの自信あります!。ダメですか?(笑)今日は以上です。

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2008年10月 4日 (土)

KNIT CAP CUP 2008

 朝夕は秋風を感じるようになりました。秋風が吹けばマフラーやスカーフ、そして帽子の本格シーズンですよね。帽子といえば、お得でとても楽しかった参加型のイベントがありました。例によって元々はcherryさんの発掘、郷の便乗です。

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 それは『KNIT CAP CUP 2008』。ニット帽子をパソコンでデザインして運営元にデータを送ると、そのデザインで編んだ帽子が送られてくるんです!デザインするのがとても楽しかった。その柄には、ちょっとだけウチワのウンチクがあります。それはまだ内緒です。

【hmm…なアドバイス225.KNIT CAP CUP 2008】
「ニットキャップカップ」はテキスタイルメーカーの白倉ニットが主催する、
デザインフェスティバルです。入賞者の作品はそのまま商品化、販売され、
売り上げの半分が各入賞者自身にキャッシュバックされるシステムです。

引用元 ニットキャップカップ概要 

6 サイトの出来が素晴らしい。

 参加はかんたん。申し込みをすると、主催者からデザインデータ(BMP)が送られてきて、それにペイントで絵柄で色合いを決めます。

Capture2 Capture4 Capture6
 1)ドラッグ          2)色づけ            3)できあがり!

 ペイントソフトウエア(Windowsのアクセサリーにあるソフト)立ち上げ、送られてきたデータをドラッグして開きます。それが型紙図になっていて、その範囲の中でスポイトなどで色付けをしていくわけです。お好きなデザインですが3色までという制限があります。

 できあがったデータを主催者に送り返して4,000円を振り込むと、自作デザインのニット帽が送られてきます。2007年から2回目の今年、なんと261個ものデザイン申し込みがあったそうです(デザイン締め切りは8月末でした)。

【ニット帽デザインに挑戦!】
 まずはCherryさんのデザイン紹介。

Gcherryknitcapdesign2008

 彼女からのメール。「ニットキャップの図案がだいたい決定しました。あとは、ボタンモチーフの色を変えるだけ。最初は全体にやろうとおもったけれど、しつこいので一部だけ」

 わたしからの返信メール。「デザイナーちえりひ殿 ほおと思った。キレイだ。いけてるわ。センス感じました。さすがです」

 良いデザイン。制作には数時間かかったはず。わたしもたっぷり半日かかりました。次のデザインがそれ。

Gowildcherry_knitcapdesign2008_3

 作成した当日のわたしからCherryさんへのメール。「(デザインは)事業がサステイナブルになったら、在りし日の思ひ出になる。けっこうたいへんだったよ。視力は落ちたし、作業後、うとうと居眠りした」 これから始める新事業のモチーフを込めたデザインなんです。

【色合わせには失敗】
 次の写真は、白倉ニットさんから送られてきた出来上がりのニット帽子とパンプレット、そしてカラー見本です。実は色のチョイスにかなり後悔しました。パソコン上の色と実ブツの色、イメージがかなり違ったんです。もっと茶色な色をチョイスしたつもりが、メロン色(笑)。

081004_193302 実物。もうちょっと茶だとよかった。

 色見本は入稿後で送られてきたので後の祭り。これは要改善ですね。フォトグラファーさんがキャリブレーション調整するワケが実感できました。でも自分のデザインがカタチになるのは楽しい体験でした。

【261種類、すべて展示中!】
 KNIT CAP CUP 2008のサイトでは、昨日(08年10月3日)より参加者すべての261種類のニットキャップ、一品ずつ展示をしています。

 帽子がひとつずつ回るこのサイトの出来の素晴らしいこと(昨年のTokyo interactive ad awards サイト部門で入賞)も特筆ですが、自分の帽子が見えるのは恥ずかしい(笑)。いちおうCherryさんのは201、郷は202です。ここで投票ができて、高得票の品は市販されるという仕掛けもすばらしい。楽しいイベント、どうもありがとうございました。

【hmm…なアドバイス】
 何がよかったか。パソコンに向かって、帽子柄を一心不乱にデザインするとき、シ〜ンと自分の心が静まり返っていた。ここをちょっと曲げてみよう。もう少し上げてみよう。影を付けてみよう。自分だけの世界に入りきる集中心。デザインの楽しさ。それにどっぷり

 それを誰にでもできる参加型イベントにしたKNIT CAP CUP。学びたい。あ、わたしのデザインの柄のウンチクはいずれ。今日は以上です。

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2008年10月 3日 (金)

デザイン × 技術力=“ココチノヨイ アカリ”

 今日はビジネスメディア誠で連載する“うふふ”マーケティングへの1日遅れのリードです。

デザイン × 技術力=“ココチノヨイ アカリ”
照明であると同時にUSBハブでもあり、オブジェでもある「USB link light
CU62D」。高い技術力を持つメーカーが、デザイナーと共同で開発したからこそ
できた“異色の商品”だ。
続きはこちら

081003_210102

【hmm…なアドバイス224.デザイン × 技術力=“ココチノヨイ アカリ”】
 シルバー精工の“ココチヨイ オフィス”ブランドconof.のラインナップの取材後に、頂いた3つのデザインのリーフレットを相棒Cherryさんと黒っちに見せた。Cherryさんから恨まれました。

 「あたし、行きたかったな」とCherryさん。
 「どこへって、インタビューに?」
 「そうです、連れてってくれればよかったのに」

 そもそも今回の記事は「この照明いいです!」という彼女のタレコミが発端で、わたしもぐっときて取材依頼をしたのですから、そう言うのもムリはない。誠にすみませんでした。

 Cherryさんの反応。
 「このライトもいいけれど、電話もすっごくいいですよね」
 「うん、細部にすごいこだわりのデザインがあって、ヒックリ返してハンズフリーにもできるし、ターミナルBOXがルータみたいでかっこいいの」とわたし。

 黒っちの反応。
 「このリーフレット、表紙だけグロス(ツヤあり)で、ウラはマット仕上げ。すごくこだわりがある。だいたい型抜きしているし」
 「ふうん。さすが印刷会社社長室長は見るポイントが違う」とわたし。

 わたしの感動は、colorのお二人のデザイナー(シラスノリユキさんサトウトオルさん)とマーケティング担当の甑(こしき)ひとみさんのお三方の雰囲気がココチよかったことですね。若い会社ならいざ知らず、老舗の会社にて、こんなヤワラカ感覚でお邪魔できたところ、ほとんど記憶にないので。凄いことです。

【デザインマインドがあるのは、いじめの温床になる】
 われわれ3人、新事業設立を目指して新しい巣作りをしています。ちっちゃなスペースから始めますが、あれこれと“ココチヨイオフィス”にしたいと夢を膨らませています。

 そのオフィス・デザインのカギを握るのはCherryさん。彼女がぐっと想う色、素材、雰囲気、家具、小物で埋めることになりそうです。

081003_141901 ラジカセと“テープ”。

 昨日、フト気付いたことがありました。そのオフィスを作ろうというビルの会議室、片隅にうすら汚れた年代モノのCDラジカセがありました。グレーの樹脂のいわゆるラジカセです。デザインマインドが高くないデザインというか。節約もしなくちゃならないし、わたしは音さえ聴ければいいと思って「これを新しいオフィスに置こうよ」と言った。

 するとCherryさん、0.025秒も間髪を入れず、すご〜くイヤな顔をしたのだ。まるでゴキブリを見るような目でそれを見た。わたしはそれを見逃さなかったぜ。フム。Cherryさんをイジめるにはデザインマインドがないモノを持ちこめばいいのだ。ひとつ弱みを見つけた♪

【オフィスって何だろう?】
 オフィスは“仕事をする場所”ではあるけれど、そんなかんたんじゃない。conof.のココチ良いコンセプト表現は次の通りだ。

そして、オフィスは、自分を創造する場所。
そして、オフィスは、様々な人が過ごす場所。
だから、オフィスは、心地よくあるべき場所。

 オフィスでは生産性とか作業効率とかスペース効率。これまでは効率ばかり優先されていた。でもオフィスは“発想する場所”でもある。いやむしろ発想さえ確かであれば、ムダな作業はしなくて済むのだから、発想こそ仕事そんものなのである。

発想しているなというオフィス、作業だけしているなというオフィス、違う。

 店長はほんとうに管理職か?名ばかりのライン管理職か?外食産業で議論があったけれど、管理職が創意工夫をしているなら当然管理職だし、していないとか・する機会を本部が与えていないとすれば、管理職とはいえない。その違いは本部が与えるオフィス什器、店長自身がジバラで自己投資するPCや文具で、かんたんにわかると思う。

 新しく事業を始めるわたしたち3人は、クリエイターに負けないほどの発想しなくちゃ。と思う。肩書きとか関係なく、ココロから。そんなオフィスにしたい。今日は以上です。

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2008年10月 2日 (木)

【SAKURAの春 2】 プロローグ2/2

 今日は昨日に引き続き、青春の経営改革物語『SAKURAの春』のプロローグです。

           **************

 土と小石の混じる、生温かい地面にスネを押しつけて、コバヤシはもう一度言った。

 「オレも、殴ってください」
 コバヤシは握りこぶしを両膝の上に置いていた。
 「止めてください、コバヤシさん。悪いのは僕だけですから」後藤は言った。

 Mr.Tはふたりを睨みつけながら言った。「二人共殴ろう」

 Mr.Tは足を肩の幅に開いて、両手の拳を握った。ふたりは起つともなく座るともない半腰のままじっとしていた。何十秒かが過ぎた。何万時間のようにも感じられた。彼は二人を睨みつけながら、やがて拳をとき、無言で踵を返して階段を上り、店の中に消えた。

 後藤は横のコバヤシを見ることができなかった。その肩は震えていた。恐怖から解放された安堵からか、涙からかわからなかった。ありがたかった。

           **************

 2人はワーキング・ホリデー(働きながら海外で休日を楽しめる長期ビザ)を利用して、日本の別々の地から南の国に旅たち、オートストラリア第三の都市、人口100万人のブリスベンにたどり着いた。コバヤシが先行して新潟から2年ほど前、後藤は東京から1年弱前だ。

 コバヤシはブリスベンの目抜き通り、クィーン通りのジャパニーズ・レストラン『SAKURA』で“皿洗い兼シェフ”の職についた。漁師の息子だった素質を生かして、早々に調理技術を習得した。午前10時にランチの仕込みに入り、ランチが終われば客席ホールで大の字になって眠る。夕方からディナーの用意にかかる。すき焼きにしゃぶしゃぶ、鉄板焼きにうどんに蕎麦と、典型的な外国の日本料理店。日本人駐在者とそのゲスト、お金持ちのオージー(オーストラリア人の愛称)がお客さまだ。漁師の息子とはいえ素人同然の料理でもつとまる気楽さ。夜11時ごろ店を出て、現地で買った絶滅車でアパートに帰る。それを日々繰り替えし丸2年が過ぎた。もちろんビザはとっくに失効している。

 “若者が現地の文化に触れ、未来の国際化にひと役かうワーキング・ホリデー” 外務省はそうPRし、コバヤシは親にもそう説明して日本を出た。ほかの誰でもない自分探しに、というと聞こえはいいが、息苦しい日本からいなくなりたかっただけだ。亜熱帯の国はおおらかで、やがて自分探しも忘れさせてくれた。あくせくしないで暮らせる亜熱帯の海外生活に埋没した。南半球の英国系の異国、白人とアボリジニの国にいるくせに、日本で始まり日本で終わる日々だった。それでもよかった。そのままの日々が永遠に続きさえすればー。

 遅れて後藤がSAKURA本店にやってきた。皿洗いの空きがひとり出たところにふらりと現れて、そのまま採用された。運がいい男だ。SAKURAのオーナーMr.Tと6ヶ月の就業の約束をした。そして10時から11時の生活に埋没した。だがやがて埋没生活に飽きて、1年の就業の約束を6ヶ月に短縮したいと考えた。それを店のオーナーに告げた。

 するとオーナーでコンタクト空手(寸留めではなく実際に当て合う)の元道場主のMr.Tは、YESでもないNOでもない“野蛮な拳の答え”を口にした。道場を閉めた今も胸板が厚く、体躯のよい日本人のオーナーは、料理よりも空手師範がふさわしい太さの腕を自慢していたし、ときどき実際に自慢することがあった。猜疑心にみちた眼で相手をにらみつけ、俊敏に飛び、まるでロブスターの甲羅を剥がすかのように一撃を見舞う。殴られた相手は活き造りの“タタキ”のように粉砕され、横たわり、ピクピクした。それで放り出された日本人アルバイトはひとりやふたりではなかった。

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 引用元 

 ふたりがそうならなかったのは幸運だった。後藤は立ち上がろうとしたとき、自分の膝が立たないことに気づいた。生ゴミのバケツに手をついてようやく立ち上がった。後のことはよく覚えていない。結局後藤は辞めずに、成り行きであと半年働くことにした。

           **************

 プロローグは以上です。SAKURA2号店の置かれたキビしい経営状況とライバル店調査、最初の覚醒までの話、週末明けまで数回にわたり書きます。よろしくお願いします。

           **************

 SAKURAの春のエピソードを読んでいただいた読者から、お便りを頂いて、お返事ができず気になっていたことがあります。

前略
 米国在住の友人から和風の巾着袋を紹介した本があったら購入して
 欲しいと依頼がありました。プレゼントとして差し上げた巾着袋を
 非常に気に入ってくれて、自分でも作りたいと言うのです。書籍、
 雑誌、資料 なんでも結構ですのでご紹介いただけませんか?

 ありがとうございました。もう少しお時間をいただくと、巾着袋やお手玉づくりのクリエイターを直接ご紹介できるようになるのですが、今現在はまだ体勢整わず。ごめんなさい。

C0097182_11551392 サイトはこちら。

 代わりにとても良い雑誌をご紹介。相棒Cherryさんが購入していた『nid』9月号には、布や糸をつかった、おばあちゃんの手作りの逸品たちがたくさんありました。心あたたまる記事。おばあちゃんの技や知恵がすばらしい。ぜひこの本、買って贈られたらいかがでしょうか?また、nidの編集部に連絡をされれば制作者の連絡先などわかるでしょう。

 ビジネスメディア誠の記事のこぼれ話は明日に。今日は以上です。

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2008年10月 1日 (水)

【SAKURAの春 1】 プロローグ1/2

  今日はわたしの社会人生にとって新しい第一歩の日。その日のブログにふさわしいテーマを書きます。以前、数度に渡って書き綴ったオーストラリアの日本料理店SAKURA2号店、その経営改革物語です。その“リライト(rewrite)”シリーズの第一弾です。

 クイーンズランド州ブリスベンのダウンタウン、日本料理店SAKURAに漂着したふたりの若い日本人、コバヤシと後藤。その失意と熱意と成長を描く物語。文化の壁、経営の壁、そして自己実現の壁。どう乗り越えるのか。人生針路と経営改革のヒントを“マーケティング・エンターテイメント”でつつみます。

 今日と明日はそのプロローグ。始まりは青いグレートバリアリーフの下端、南都ブリスベンではなく“灰色の海の町、新潟”から。

Sakuranight 借用元 

           **************

SAKURAの春【1】プロローグ(その1)

  床一面に何十枚ものレコードジャケット。ビニールを脱がされて裸になったジャケット。中身がはみだして黒い半円が顔を出すジャケット。仰向けにひっくり返って息をしているかわからないジャケット。踏まずに部屋に立ち入るには、飛び石を渡るように隙間の床を跳躍するしかない。訪問者は迷いつつ玄関で靴を脱いだ。部屋の主は、台所でカップをこすり洗いながら言った。

 「踏んづけていいですから」

 踏んづけるって?レコードを?そうはいかない。訪問者は足元の数枚を重ねながらつぶやいた。踏んづけても、あんがいキズつかないのかもしれない。むしろ社会というターンテーブルに乗らせられて、イヤおうなく回され、針を落とされる方がよほどキズつくのだ。飛び石のレコードの中に、気になる一枚があった。
 
 「好きヤツ、かけますよ」部屋の主が声をかけた。不潔そうなコーヒーを淹れている。

 訪問者は重ねたレコードの中から一枚のレコードを取り、いちばん上にした。果たして中身があるのか。中身があっても、入っているのがタイトルと同じ中身なのか怪しみつつ、レコードを引っぱりだした。タイトルと円盤が一致した。

 レコードプレーヤーは、薄暗い部屋に明かりをさしこむ出窓に、ちょこんと座っている。ターンテーブルの背後の窓格子の左手には新潟の町が見える。右手には川の河口から続く日本海だ。海の色は、暗色の絵の具チューブを出しすぎて明るさがもどらなくなったパレットのようだ。“あの南の海”とはさま替わりだ。

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引用元 
 
 コーヒーカップを手渡された訪問者は、見渡すかぎり3カ所くらいある、平らなスペースのひとつに腰かけた。茶色いヒビ割れしたカップが手になじむ。部屋の主はカップを片手に、プレーヤーとアンプのスイッチを入れた。
 
 「やっぱり3曲目ですか」部屋の主、コバヤシが訊いた。
 「それしかないでしょ」訪問者の後藤が答えた。

 カートリッジを3曲目まで目分量でずらして、静かに落とす。プチ、プチとレコードの素材音をひろう。イントロ。缶カラを叩くような打楽器音が響く。フルートがかぶさり、ボーカルがひょうひょうと歌いだす。1981年発売のレコードアルバムの代表曲。後藤がその曲を選んだのは、ふたりには忘れることのできない体験がこめられているからだ。アルバムや曲名はあとでリワインドする。

 “赤道の下の国”での物語を始めよう。それは青春物語でもあり、ビジネス物語でもあり、和の文化普及物語でもある。どんなふうに読んでもらってもかまわない。人生をカテゴライズすることに多くの意味はないのだ。

 ふたりには“ほんとうの出会い”があった。

          
 **************

 「後藤、お前を殴る」

 日本料理店のオーナーのMr.Tはこう言い捨てて、後藤に店の裏に出ろと言った。後藤は背中に冷や汗の筋を何本も感じた。もはや走って逃げ出すこともできない。逃げれば残りの給料も未払いだと妙な計算もした。殴られるとはどのくらいの痛さだろうか?奥歯を噛み締めて、歩き出した。店の裏に通じるドアの、冷たいドアノブを押して、赤錆びたスチール階段を降りた。地べたに座った。薄汚れた生ゴミバケツの隣だ。このバケツのように土だらけに転がるのだろう。

 「立て」後ろから着いてきたMr.Tは冷徹に言った。

 殴りやすいように立たせるのだ。いや得意の回し蹴りをお見舞いしたいからだろうか。後藤はよろよろと時間をかけて立とうとした。そのときー

 「待ってください!」コバヤシが裏口のドアにいた。「オレも、一緒に殴ってください!」コバヤシは階段を駆け降りて、地面に正座した。

           **************

 わたしにとって『SAKURAの春』はたいせつな物語。さらに盟友Tomoyoさんからの“毎日のように(バックナンバー)に目を通しています”というひと言が突き刺さり、コバヤシと後藤の物語を“鑑賞に耐えるものにしよう”と思いたちました。

 井上雄彦さんの『リアル』のようなインターバルで、拙文(おっと節分の)春までかかるかもしれませんが、おつきあいください。今日は以上です。

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