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2008年12月20日 (土)

米国ビッグ3の救済策

 これこそアメリカンドリーム!という家電製品。1954年型のフォード・サンダーバード(Ford Thunderbird)のデザインをもじったグリルである。お茶目で可愛いですね。Radi Design社のコンセプト作品。他にもジューサーやトースターもある。

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 美しいけれど、アメリカンカーというデザイン自体、過去のものになったなと実感した。ちょうど米国の自動車メーカーGM、クライスラーへの救済策が決まったが、ほんとうに再生するのだろうか?という疑問もフツフツ。珍しく自動車の話題を。

Ford_tbird_01 Ford_tbird_03
 ミキサーもトースターもカワイイ。

【hmm…なアドバイス276.米国ビッグ3の救済策】
ブッシュ米大統領は19日、ホワイトハウスで声明を読み上げ、難航して
いた米自動車大手3社(ビッグ3)の救済策について、ゼネラル・
モーターズ(GM)とクライスラーに対して来年3月末までに計174億
ドル(約1兆5400億円)の緊急融資を実施する方針を発表した。
引用元

 米国民の半数以上は反対している救済策。債務の株式化や人件費の削減(トヨタより3割も高い)、経営改善&リストラ計画の策定、経営陣の専用ジェット機の使用中止など条件付きの政府融資。それもとりあえず税金1兆円!反発もわかる。

 政府融資には大きく2つの理由がある。ひとつは“潰すには大きい”、もうひとつは“市場環境の悪化”である。

【潰すには大きすぎる&外部要因】
 USA TODAYの記事によれば、ビッグ3トータルの直接雇用者数は25万5千人、間接雇用で230万人、合計255万人(08年)。これは米国全雇用の2%弱。30年前には4%代であったから減少はしている。

     <ビッグ3関連の雇用者数>        <ビッグ3のシェア下落状況
20 21

 ただしこれ以外にも、退職者とその扶養者は80万人もおり、その年金と医療費負担が高いのが人件費の高騰を招いている。さらに自動車部品メーカーや関連産業を含めば数字はもっと大きい。ちなみに日本の自動車関連就業者数は500万人。全就業人口6,400万人の約8%(出典)。米国にも同じ比率をあてはめれば1,000万人を越える。確かに大きすぎるのだ。

 またビッグ3が製品開発で遅れをとったのは事実だけれども、昨今の販売急減の理由は金融恐慌という外部要因。ポルシェもトヨタもホンダも日産も、みんな大打撃を受けている。日本でもホンダ救済などありうるのかもしれない。だから特定企業の救済とは理屈が異なるとされる。

 しかし・・・つなぎ融資でビッグ3が立ち直るかどうかはわからない。ビッグ3のシェアは過去3年で10%も減少し、とりわけGMの下落率は大きい(USA TODAY)。商品の魅力が薄れているのも事実だ。

【ビッグスリーを救う10個の改善策】
 DVICEのサイトには“デトロイトを救う9つのテクノロジー”という記事がある。

1. ハイブリッド車を生産せよ
2.スマートのようなちっちゃいクルマを生産せよ
3.アンチブレーキシステムと横滑り防止装置を付けよ
4.デザイン!(Appleを見習おう)
5.第三の目(衝突検知システム)を付けよ
6.ネットとリンクしたGPSを付けよ
7.カメラによる自動パーキングシステムを付けよ
8.ソーラーパワーを搭載せよ
9.iPodドックを装備せよ

Car_ipod_mod  Smartcar

 わたしがぐっときたのは“iPodドック”。これで救済できそうにないけど(笑)。多くの米国人のホンネはちっちゃいクルマが嫌いだし、ガソリンじゃぶじゃぶにも無関心な人も多い。デザインもみんながApple好きとは思えない。あんがい7番の自動パーキングシステムはウケると思う。一般論ですが、米国は駐車場の車庫入れがヘタな人多い。アタマから入れるとか、かなりナナメに駐車しているから。

【hmm…なアドバイス】
 市場開拓の重要度順は①品質、②ブランド、③アイデアである。クルマに限らずどの商品分野でも、新市場に打って出る場合この順序が王道だ。

 日本メーカーが60年代から半世紀にわたり、米国市場開拓でやってきたことは、①品質で追いつき(フリーウエイで故障しないこと)、②ステータスを向上させ(LexusやAcuraなど付加価値ブランド戦略)、次いで③新技術の導入(ハイブリッド)だった。

 アメ車の過去10年は①で改善が進まず、②は昔のまんま、③は後手後手だ。やっぱり地道に品質を上げて、初期故障発生率で日本車、ポルシェを抜きトップに出ること。これが一番先にあるべきだ。次は車体デザインをコンパクトにすること。そして新技術を日本から供与を受けつつ、自社に技術をとりこんで(つまり真似て)、電気自動車に資源を投下する。

 これが王道だが、そんなところまでつなぎ融資で持ちこたえられるのか、わたしにはわかない。今日は以上です。

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