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2008年12月30日 (火)

水力ハイブリッドがトラックを救う?

昨日はバスで今日はトラック。大型トラックに『水力ハイブリッド機構』搭載という記事が興味深いのでとりあげます。自動車機器の大手米国Eaton社が、長年開発を続けてきた“水力ハイブリッド機構搭載エンジン”のトラックを、米国UPS(United Parcel Service Inc.)で09年からデビューさせる。

Johnsonups_hydrohybrid 06年/引用元

 レイオフに操業停止、工場閉鎖に投資抑制。まったく良いニュースがない自動車業界燃費もよく排ガスも少ない水力ハイブリッド(Hydraulic Hybrid、水素エンジンではない)のバスやトラックが走るようになれば、自動車産業への投資も増えるし空気もキレイになりそうだ。

【hmm…なアドバイス285.水力ハイブリッドがトラックを救う?】
In a series hybrid hydraulic system, the conventional vehicle driveline is
replaced by the hybrid power system.
The conventional transmission and driveline are replaced by the hybrid
hydraulic powertrain and energy is transferred from the engine to the
drive wheels through fluid power. 引用元

Ct_132083
 series hybrid hydraulic system

 水力ハイブリッドのシステム化で、従来の動力伝達ラインは水力システムに置き換えられます。水力パワートレインでエンジンから後輪への動力伝達は水圧で行われます。(抄訳)

 フロントのディーゼルエンジンの回転力をポンプ/モーターに伝達し、その回転で水圧をあげて後輪のドライブシャフトに動力を伝達する。生じた水圧を左右に配した低水圧の蓄圧器と高水圧の蓄圧器に貯めて、電子制御でON/OFF(出し入れ)を行う。かんたんにいえば水圧を高めておいて、その圧力を放出することで車軸を回すのである。たぶん、低スピードはエンジン、巡航スピードは水力など使い分けがあるはずだ。

Ct_132084

 しかし・・・プロペラシャフトが無い!というのは画期的だ。ゴムホースでトラックが走る(笑)そいつは爽快だ。うるさくないし歓迎します。Eaton社ではここまで革新的ではないハイブリッドソリューション・バージョンも用意しており、上図(The Eaton Hydraulic Launch Assist™ (HLA®) System )はコンベンショナルなドライブトレインを併用するようなものだ。09年に導入されるのはどうやらこちらだ。

【Eaton社の意気込み】
 Eaton社ではかなり前からこの技術への投資を行っている。同社の日本法人のサイトにも次のような記述(企業沿革のページ)がある。

2002  北アメリカ国際自動車ショーにてHydraulic Launch Assist(HLA)と
いう燃料貯蓄技術を公表。この技術は10年で事業全体の5億ドルに値すると
有望視。
引用元

 UPSへの水力ハイブリッドトラック導入も業界を挙げての活動。EPA(米国環境保護庁), U.S. Army(米国陸軍), UPS(既出), International Truck and Engine Corporation社、 Eaton Corporation社。IBMもソフトウェア開発で関わっているそうだ。米国自動車産業はクライシスの中で、こんな業界横断技術開発もやっているわけです。奥行きは深い。

 注目の環境性能は、EPAのテストでは60%〜70%の燃費改善CO2排出を40%削減、導入のコスト高は3年間の燃料代削減分で元が取れる計算。さらに“静かなトラック”が実現するのは、わたし的にはかなり高得点だ。うるさいトラック大嫌い。より詳しく技術面を学びたい方は、自動車技術会の資料も購入されたい。

【hmm…なアドバイス】
 水力ハイブリッドがどのくらい普及するか未知数だし、技術的な課題、コスト削減命題もあると思う。プレッシャータンクを積載するというリスク面をどう担保できるか問題だし、現実に“水力メンテナンス拠点”も必要だ。用途面でも大型トラックやバスだけでは、自動車部品製造市場としても、顧客市場も広がらない。

 ただ水素エンジン・ステーションなどの投資にくらべれば、今のステーションでいいので、はるかに実用的である。顧客もSUVや小型トラックやバンに導入できるサイズ・軽量化が実現できれば、燃費の悪いアメ車の魅力は一気に高まりそうだ。さらに路面電車やゴミ収集車、道路清掃車、クレーン車など、大型車に限っても需要はありそうだ。

760ca6549294_a_300x200 あのハマー! 

 キムタクも乗っていたあの“ハマー”にも搭載しているという(テスト中)。燃費が超悪いので有名なこのクルマにも水力ハイブリッドを搭載した会社が、Hybra Drive Systems社とGates Corporation社。こんないかつい、地球にやさしくないクルマも、水力で生き返るのかもしれない。でもわたしゃ、やっぱり乗らないけれど(笑)。今日は以上です。

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