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2009年1月16日 (金)

SAKURAの春【20】all you can eat Japan 4/7

 豪州ブリスベンのダウンタウンの日本料理店『SAKURA』に漂着したふたりの若い日本人、コバヤシと後藤。今日はSAKURA2号店をめぐって失意と熱意と成長を描く“マーケティング・エンターテイメント”の20回目です。前回は立食パーティの始まりのところまででした。16回目までの全文掲載はこちらです。

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 ビールやワインでの乾杯が終わり、手にお皿を持つ人びとが入れ替わり立ち替わり、寿司や刺身の盛り合わせに群がった。箸が手につかず、お寿司を取れなくて“Ouchi!”などと聴こえてくる。

 Sushi
引用元

 わたしは寿司をお箸でつかめないオージーの代わりに、手で皿に分けてあげた。もちろんまな板に布巾という演出をいれながらだ。オージーたちは「Thanks」と言い、わたしは「No worries」とカジュアルな豪州英語で返した。
 
 「手でつかんで食べていいのか?」あるオージーが訊いてきた。
 「OK。箸でも手でもどちらでもいい」わたしは指で寿司つまむ格好をして、それを小皿の醤油を入れた小皿にとんとんとドリップさせる仕草をした。「醤油はNot so much。箸が使えるなら手を汚さなくてすみます」
 そのオージーは言われた通りの仕草でツナを取り上げて口に入れてニッコリした。見ていた回りの人びとがなるほど言うようにうなずいて、真似をした。食べ方がわかるサラダばかり盛りつけている人も見える。
 「わたしも箸がつかえないんだが」申しわけなさそうにあるオージーは言う。
 「No worries。ナイフとフォークでもかまわない」とわたしが答えた。
 お箸にトライしていた女性社員のお皿から、“寿司ボール”(にぎり)が落ちた。どっと笑いが起きて、彼女は残念そうに首を振って微笑んだ。
 
 「食べる順序はどうなんだ?」別のオージーが訊いた。
 わたしは“今日のような料理では”と前置きをしつつ、まずサラダボールの前に行き“salada”、そして刺身の皿の前に行き“entrée”、それから“Sushi”というように説明をした。こう付け加えた。

 「食べたいものから食べるのでいいんです」

 異国の日本料理、異国の人びとなのだから、楽しんでもらえればそれが一番だから。作法をうるさく言わなくてもいいじゃないか。オージーたちはわさびも見よう見まねで刺身につけて、Oh!という声を出している。そんな声が聞こえてくるのが楽しかった。

 01

 お箸も取り皿も瞬く間に減っていき、刺身も寿司もあっという間に減ってゆく。素人に毛がはえたようはワーキングホリデーのシェフの作ったものにこんなに喜んでくれるのだ。わたしはひそかに胸を撫で下ろした。

 ふと見回すとミセスTはどこにもいない。Mr.Tに置いてけぼりにされた時は彼女と一緒か、と思ったが、いないとなると寂しくなる。ダウンアンダーに流れ着いたた少数民族の同朋の心だろうか。会場の部屋を出て、エントランスの前を通り過ぎた。ガラスのドアの向こうには、さっきのスコールが嘘のように晴れ渡り、オレンジ色の夕焼けが広がっていた。わたしはドアを開けて外の風を感じた。スコール後の湿気に満ちた空気が顔にあたった。心地よかった。

        *************

 エントランスの外にミセスTがいた。ベンチに腰掛けて足を組み、ゆったりとマールボロから煙を吐く。美人のアンニュイなタバコほど絵になるものはない。

 「ごくろうさま」 こちらを見ずにミセスTは言った。
 「いいえ」わたしも彼女の方を見ずに、雨上がりの空にたなびく、オレンジ色の綿菓子のような薄い雲を見上げて、う〜んと伸びをした。
 ミセスTは灰皿にマールボロを押し付けて消して言った。「しっかりやってね」
 わたしは彼女の顔を見返した。「何のことですか?」
 「ちょっと見直しているのよ」ベンチに腰掛けるミセスTは調理着の両足の伸びをした。
(続く)

  Imgp5409
引用元 

        *************

 今宵は前の勤め先の会社での仕事経由で知り合えた方々と懇談していました。いずれもべースはコンサルタントの方々で、今の大不況について、それがいつ終わるか、その後何が起きるか、そのとき何をしているべきか、そんな話しをしました。

 いろいろな話しの中からひとつ挙げると、“コンサルティング”という仕事。もう成果がわからないコントラクト形態は成り立たない。なぜならこれから暫く、メーカーであればワークシェアリング、ライン稼働停止が続く。それを見通し、そのあとのビジネスモデル改革まで、一貫させた指導力が求められる。だから契約コンサルタントがやるべきことはひとつ。“チェンジ”の成果の約束です。サラリーマンのコンサルタントではそんな約束がしきれないわけです。サラリーマン・コンサルティング会社となぜコントラクトを求めるのか?ここにもパラダイム変化が訪れます。今日は以上です。

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