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2009年4月 6日 (月)

“みんなの翻訳”のチカラ

 わたしのこのブログ、“マーケティング・ブレイン”の何分の一かは翻訳で成り立っている。(ほぼ日で?)読んでいただいている読者にはわかってもらえるはずだが、海外ネタが3割か4割か、多いのである。

 昨日のコルゲート鋼板の話しも、元は海外サイトで読んだ。一昨日の「ロッサーナ・オルランディ」はイタリア、「LEKO」はフランス、「Glide Cycle」はアメリカ…なんとまあ国際色豊かと自賛。記事への引用にはなるべく原文(英語がほとんど)を付るが、それは原文の尊重と、翻訳でメイキングも誤訳もなしよ、という自戒を込めて。

【hmm…なアドバイス362.“みんなの翻訳”のチカラ】
 そんな翻訳者ブロガーに便利なサイト、戦友の作品社の内田さんからのメールで知った。本日09年4月6日、東大の本郷キャンパスで『日本発! クリエイティブ・コモンズな翻訳者支援サイト“みんなの翻訳”一般公開のご案内』のプレス発表があった。 

Trans01  引用元  

「みんなの翻訳」は、日英・英日の翻訳を行う翻訳者向けに便利な
機能を提供するサイト。ブラウザ上でサイトの翻訳作業が行えるツール
「QRedit」や、翻訳文の公開・検索、Q&A投稿コーナーなどを用意
する。開発はNICTと東京大学が行い、三省堂が辞書を提供している。

引用元 インプレス  

Trans03

 ネット翻訳者にも、本格的な翻訳者にも、便利でみんなで頑張ろう!なサイトという触れ込みです。いいじゃないですか。4月8日から公開なのでナマサイトを見ていないのですが、東大などで開発したQReditというソフトがコアになる。

 この画面ではイマイチよくわからないが、QReditに翻訳したいサイトのURLを入力し起動すると、左原文・右翻訳文のテキストエディタ起動となる。左を見て右に訳文を書いていくことになるが、辞書(三省堂グランドコンサイス)も随時閲覧可能、GoogleのWebサイト検索も同じ画面からスムーズ検索できるという。

【オンライン翻訳の時代】
 わたしのような化石英文科は、たいてい辞書マニア、相当数の辞書コレクターでもある。あれ引き、これ引きで正解を導きだして、やっとこさ翻訳していた。だがネット時代、翻訳のやり方は大きく変わった。翻訳の裏側でやっていた調査活動が、手元でできるようになったのだ。 

Trans07

 引用した「オンライン翻訳のプロセス」にあるように、翻訳時間の配分は昔と劇的に変わった。関連する事項のネット検索が大幅に増え、辞書を引く時間はかなり圧縮された。結局ウンチクの蓄積にかなりウエイトがかけられている。わたしのブログ上の翻訳も、こんな感じですね。

【What is Minna-no-Honyaku?】
 さて“みんなの翻訳”って何か。プレスリリースは東大の先生らしく、ちょっと堅くてうまく翻訳できなかった(もちろんJapaneseなのに_笑)。翻訳のクリエイティブ・コモンズが最初ピンとこかなかったが、そのココロは翻訳成果をネットにアップロードし(引用元を明示すれば)利用(いろいろ種類はある)できるという。これはいい。 

Trans04

 自分の翻訳文を“CC”など選んで、アップロードする。当該文章の翻訳がネットにあればわざわざ翻訳しなくてもいいし、あえてもっといい翻訳をしようというトライもある。このPJの首謀者の東大の影浦峡先生は論文『翻訳と意志決定』でこう書く。

翻訳においては,その大部分は,言語的なレベルの知識ではなく,テクストの
集合をめぐる知識である。
引用元 

 この1行からして翻訳がいる(笑)。影浦氏は野崎孝訳の『ライ麦畑でつかまえて』と村上春樹訳の『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を比べてみるとよい、と書いている。この青春ピカレスク・ロマンを、どう訳すか。名訳者の野崎、作家の村上。両者の翻訳を逐文ではなく、テクスツの集合体として比較してみてはどうかと。同じ文献を、みんなで翻訳アップすれば切磋琢磨もできるし、間違いも減り、名文が生まれるということだろう。

【hmm…なアドバイス】
 このシステム、翻訳教育にぴったり。まずソフト無し・ネット無しで訳す。次にこのネットと融合したソフトで訳す。それを繰り返すとかなり精緻な翻訳ができるようになるはず。おまけに、翻訳についていくつか。

・英語らしい表現と日本語らしい表現のいったりきたりがしたい。
 例を挙げればキリはないが、英語らしい表現を日本語にすることも、その逆もたいへんむつかしい。だが結局は慣用句パターンがある。それが蓄積され引用できるとたいへん助かる。

・英語以外の言語でも
 ネット時代、英語が優勢とはいえ、フランス語、ドイツ語、スペイン語などが訳せればいいと思うことが多い。ネットに良い辞書はほとんどない。

・翻訳の暗黒大陸
 本はそれなりに正確な翻訳本が多いと思う。だが“洋楽の歌詞翻訳”はひどい。誤訳は多いしスラングをスルーする。ミュージシャン(崩れ)が訳すヤツほどテキトー。ほとんどの洋楽ライナーノーツに誤訳があるといってもいい。

 一日一翻訳。海外モノについてブログを書く効用もある。今日は以上です。

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