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2009年6月21日 (日)

クリエイティブ・ビジネスの原点回帰

 雨がぐずぐずと上がらない日だった。浦和レッズも後半にぐずぐずと敗戦した。わたしはぐずぐずとしてた原稿を仕上げて、とろんとジョギングに出た。小雨の中、ちょいとショートカットして、スーパーマルエツに立寄りました。エントランスの花売場に、こんなものがありました。 

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 ビニールの『フラワースタンド』一枚150円(!)。

【hmm…なアドバイス423. クリエイティブ・ビジネスの原点回帰】
 何にびっくらしたかといえば価格。たったの150円。もひとつびっくらしたのは、ひっくり返すと“販売者 日比谷花壇”とあったこと。素材はビニールで、水を入れることでふくらんで、自立するアイデアデザイン商品。オリジナルデザインはわたしが知る限り、D-BROSさんです。 

2  引用元

 こちらのサイト(knulp AA)では2色入りで840円で販売中。最安かわかりませんが、だいたいこの価格=ひとつ400円は妥当だと思います。しかし大手企業の日比谷花壇で類似の廉価モノを売るくらいだから、100円ショップにもあるのかもしれない。

【商品の付加価値って何?】
 もちろんD-BROSのデザインの“付加価値”は、マルエツの150円のものよりも高いはずで、ウラの事情は知りませんし、まあ知りたくもないこと。わたしが気になったのはイミテーションもさることながら“付加価値”です。

 くらしをクリエイティブにする商品の付加価値って何だろう?ネイバーフッドのスーパーの150円にも付加価値ではあるし、それじゃあ250円の差はどうなるのよ。待てよ、150円のフラワースタンドが売れるなら、かえって“くらしクリエイティブ”レベルは高いのかもしれない。いやそんなことはない、この国のクリエイティブは底が浅いぞと、あれこれ考えた。

 付加価値と言えば、昨夜二週遅れで読んだ日経ビジネスの重松理氏のインタビューの中にあった言葉だ。 

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「付加価値の高い商品を提供する店を作るというのはどうでしょうか」
 引用元 日経ビジネス 2009年6月15日号 

 そういって氏が始めたのがビームスだった。カバンひとつで欧州に買い付けに行きビームスを開いた。成功した。だが“慢性新鮮病”で新規業態開発に取り憑かれる男は、“ビームスでできなかったことをアローズでやる”ことになった。

【付加価値を貫くために必要なこと】
 ビームズでやれなかった“付加価値”とは「衣料品以外の販売」。衣料にこだわらないライフスタイル・セレクトショップと言えばかんたんだろうか。ところが家具や雑貨は利益率も低く、回転率が悪いので、ユナイテッド・アローズは赤字続きだった。1年目は赤字、2年目も赤字の中で、重松さんは自らの得意分野の衣料品に軸足を置く決断をした。それも輸入品にはこだわらず、好感度の人にウケるなら国内外を問わないセレクトに切り替えた。 

付加価値を貫くためには、逆説的だが、原点回帰が必要だった。回り道といってもいいかも知れない。目的のための潔さといっていいかも知れない。

 アローズはその後も、波打ち際に打ち寄せられそうになる。かつてユニクロブームで失速し、今(09年前期)も先期からの金融恐慌の影響で経営は好調とはいえない。そのたびに原点を掘り当てる。付加価値のライフスタイル店舗とは、絶えず焦げ付かないように見張りが必要な、鍋の煮物のようなものかもしれない。

【hmm…なアドバイス】
 クリエイティブ・ビジネスとは、常に付加価値の低落に直面する業態。景気の上下もあれば、真似もされるし、クリエイティブを尊ぶかどうか大衆心理の高下もある。何が付加価値なのか、時に、いや実はいつも、あいまいであるし。 

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  上ふたつのブランドにはたいへん僭越にも、掲載してしまいました。
 

わたしたちのちっちゃなクリエイティブビジネスでもそれは同じだ。風が強いとき、風は吹かないときには、自らの得意分野に原点回帰しなきゃいけない。そこがどこなのか、ユナイテッド・アローズの“三本の矢”じゃないけど、心を合わせてゆかないとダメですね。今日は以上です。

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