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2009年7月 6日 (月)

和紙が静かに教えてくれること

 今日は月刊誌『プリバリ印』に連載する“マーケティング価値校”のこぼれ話しです。 

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 プリバリ印(プリバリイン)2009/07/10発売号 (vol 5)の私のページです。
 6月号はこちらからお申し込み受付中ですが、7月号はまだアップされていません。お待ちください。

 今回のテーマは「和紙」です。京都黒谷で、和紙の原材料の楮から栽培する“創る和紙職人”ハタノワタルさんの個展にお邪魔しました。彼の和紙にたっぷり触れ、個展に訪れる方々(ほとんどが女性でした)を観察し質問をして、ハタノさんにインタビューもして、さらに展示の片づけも手伝って(笑)、一日たっぷり和紙を味わいました。

 いまどき和紙なんて…と思ったら、あなたは遅れています(笑)。和紙はもう数年前からのトレンドで、ノスタルジーブームに終わらずにしっかり定着しつつあります。ただどこか“温故知新”の香りがあるのは否めません。

 「良いですよね和紙って」

 そう言う人が増えたことはよいことですが、“良いですよね…”の後に続く“用途”が問題です。ブックカバー、名刺入れ、扇子に団扇、照明のかさ、などでしょうか。あるいはハタノさんが創られる“アート”だったり。生活に定着する道具というより、どこかアートなのが今どきの和紙です。それじゃあ和紙の産地も売り手も育たないということで、日々努力されている和紙業界の方々に、ほんとうにアタマがさがります。

【鎧兜にも和紙が】
 ふらりと訪れた『わがみ堂』。浅野社長からいろいろ伺った話しの中で、甲冑の話しがありました。戦国武将の鎧兜、実際は鉄ばかりでなく、要所要所に和紙が使われていたという。戦時では身軽でないと刀が振れない。だから軽量化と“耐久性”を両立させる素材として、甲冑に和紙が使われたという。TVや映画の時代劇御用達、甲冑工房の丸武産業によれば、『徳川家康大黒頭巾写し』にこうある。 

Img10591506984jpeg 引用元

「主要な部分の素材には鉄を使用。本兜のみFRP製 *本歌(本物)は和紙の張懸けで 等身大は本歌の技法に合せ鉄と和紙で製作しております。 引用元

 同社の他の製品を観ても、やはり鉄だけでなく皮や和紙を用いています。和紙に漆を塗り耐水性を強化すると、かなり丈夫だったという。とても身近な用途、カラダに密着の“護身用”でもあった。

【清酒久保田を買いました】
 またエッセイに書いた『清酒久保田』のラベルの話しでは、散財もしました。プリバリ印の後藤編集長がこう言ったのです。 

久保田の和紙ラベルの話し、ぐっときました。現品の写真があればいいのですが

 今回は酒造元の朝日酒造にお話しをうかがったわけでないので、写真だけいただくのは気が引ける。まんまと載せられて(笑)、ええい!仕方ない、銘酒久保田を買おう!でも該当する和紙のラベルを使うのは、久保田の中でも高級品に限られます。もう一度、ええい仕方ない!と勢いをつけて、酒屋さんで1本だけ在庫していた久保田“千寿”特別本醸造を買いました。

 1本5千円近い日本酒ですから、自分で飲むようなものじゃない。そそくさとラベル写真を撮影したあとは、自転車用バッグに入れて背負って、老母の元に背負って走りました。たまには親孝行ができました。

【和紙の魅力】
 でもいったい、和紙は洋紙と、どう違うのでしょうか?わたしの勝手なイメージですが、洋紙は情報を伝えるもの、和紙は呼吸をつたえるもの、そんなちがいを感じる。

[洋紙]書籍、教科書、百科事典、辞書、プライスタグ、会社資料、広告、チラシ…
[和紙]障子、襖、灯りのかさ、短冊、便せん、傘、扇子、団扇、掛け軸…

 片やデータに近い、片や人に近い。データが紙でさえなくなった日常で、逆に和紙にリアリティを感じてしまう。ハタノさんの和紙パネル作品を観ていると、なおそう思った。今日は以上です。 

Dsc02665s_2 彼の和紙パネル作品。

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