« 用の東西文化の結晶 art mouse | トップページ | 魔法の杖とつぶやきリモコン »

2009年9月12日 (土)

3つのAperitivo time/アペリティーヴォ・タイム

 ウィ〜っとなる前、食事に向けた助走(=食前酒)のことをアペリティーヴォと言う。それと一緒に出るのがストゥッツィキーノ(付き出し)だそうだが、日本のイタリアーノ・リストランテでは省略されがちで、そのままアンティパスト(前菜)に突入する。

 ちなみにフランスでも英語でもアペリティフ、ドイツ語でもEin Aperitifとなるそうなので、語源はラテン語かな。イタリアのビールブランド“Peroni(ペローニ)”とデザインポータルのdesignboomが主催するコンペ 'it's aperitivo time' には、ぴりっとするデザインが集まった。

【hmm…なアドバイス493.3つのAperitivo time/アペリティーヴォ・タイム】
 食前酒というテーマのデザイン公募。第一次選考に残った100作品のうち3つがdesignboomで公開。そのどれも素晴らしいアイデアと製品化可能性がある。中国人Robert Law氏の“spaghetable”は、スパゲティとテーブルのハハンな合体だ。 

Peroni01

 最初なんだろ?と思ったけれど、丸テーブルとその台座に「ゴムをかける輪っか」を備えて、太めのゴムバンドで上下を引っ掛けるわけだ。そのゴム、1.2mmとか1.6mmのパスタサイズより太めですよ。ヘアバンドのような太さのゴムがずらりで、立てたパスタに見せるデザインが秀逸。ゴムなのでぐいっと開けば、そこにハンドバッグやクラッチバッグを置くこともできる。 

Peroni02 Peroni03

 入賞まちがいなしのアイデアですね。シンプルなので製品化/製造が容易だろう。

【止まり木にとまるとはいうけれど】
 2つ目もいいな。“aperitivo table”は韓国の eon ju park氏のデザイン。 

Aperitivotable01

 食前酒って「やあやあ」「どぉしてる?」「会社つくったって?」「やむにやまれず
」とか会話をしますよね。飲み物は手元から離れて談笑になるわけで。そのときテーブルにグラスを置くって誰のだかわからなくなるし、近くにないしで。なるほどね。 

Aperitivotable04

【こんなネクタイなら】
 3つ目。あの知る人ぞ知る“ハンバーガー帽子”(まさにハンバーガーのカタチをした帽子でチーズもレタスもはさまれている)を所有するわたしですから、こういうジョークもいい。名前は“after office tie”(5時からネクタイ)。 

Office_tie_01

 この画像ではよくわからんでしょ。ネクタイの先に栓抜きを付けただけのデザイン。ただ今どき栓抜きが必要な瓶の発売元、ペローニくらいじゃないの?(笑)。デザインはアルゼンチンの sinapsis studio。 

25

 さあて3つ並べました。どれが一番食前酒が進むでしょうか?09年9月30日からロンドンで展示会です。

【hmm…なアドバイス】
 待てよ、食中酒(Bevanda/べヴァンダ)も進みすぎた御仁もいた。またしてもイタリーでぼったくられた日本人ニュースですよ。ナイトクラブでウィ〜だったのか、7,265ユーロ=97万円という引き落とし。あらら。日本のバブル時期の料亭でも、ITバブルの頃の六本木ヒルズでも(たぶん)ない額ですよね。

 飲み過ぎのヤカラはともかく、日本の中の伊や仏のバーでは、申し訳なさげなちいちゃなバーカウンターだけも多い。というかそこも立派な席にもなったりして。アペリティーヴォが根付いていない国です。 

デザインと食前酒という公募コンペが成立するには、くらしとクリエイティブが合体している必要がある。デザインが用の具なら、絵画は“心の酔いの具”。日本では“具”が根付くにはまだ時間が必要だ。今日は以上です。

Cotobalogoforcocolog_2

|

« 用の東西文化の結晶 art mouse | トップページ | 魔法の杖とつぶやきリモコン »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 3つのAperitivo time/アペリティーヴォ・タイム:

» クラッチバッグについて [クラッチバッグを楽天で、]
クラッチバッグを楽天では、クラッチバッグの特徴や使われ方、楽天でのクラッチバッグのランキング情報をお伝えします。 [続きを読む]

受信: 2009年9月13日 (日) 23時02分

« 用の東西文化の結晶 art mouse | トップページ | 魔法の杖とつぶやきリモコン »