3つのAperitivo time/アペリティーヴォ・タイム
ウィ〜っとなる前、食事に向けた助走(=食前酒)のことをアペリティーヴォと言う。それと一緒に出るのがストゥッツィキーノ(付き出し)だそうだが、日本のイタリアーノ・リストランテでは省略されがちで、そのままアンティパスト(前菜)に突入する。
ちなみにフランスでも英語でもアペリティフ、ドイツ語でもEin Aperitifとなるそうなので、語源はラテン語かな。イタリアのビールブランド“Peroni(ペローニ)”とデザインポータルのdesignboomが主催するコンペ 'it's aperitivo time' には、ぴりっとするデザインが集まった。
【hmm…なアドバイス493.3つのAperitivo time/アペリティーヴォ・タイム】
食前酒というテーマのデザイン公募。第一次選考に残った100作品のうち3つがdesignboomで公開。そのどれも素晴らしいアイデアと製品化可能性がある。中国人Robert Law氏の“spaghetable”は、スパゲティとテーブルのハハンな合体だ。
最初なんだろ?と思ったけれど、丸テーブルとその台座に「ゴムをかける輪っか」を備えて、太めのゴムバンドで上下を引っ掛けるわけだ。そのゴム、1.2mmとか1.6mmのパスタサイズより太めですよ。ヘアバンドのような太さのゴムがずらりで、立てたパスタに見せるデザインが秀逸。ゴムなのでぐいっと開けば、そこにハンドバッグやクラッチバッグを置くこともできる。
入賞まちがいなしのアイデアですね。シンプルなので製品化/製造が容易だろう。
【止まり木にとまるとはいうけれど】
2つ目もいいな。“aperitivo table”は韓国の eon ju park氏のデザイン。
食前酒って「やあやあ」「どぉしてる?」「会社つくったって?」「やむにやまれず
」とか会話をしますよね。飲み物は手元から離れて談笑になるわけで。そのときテーブルにグラスを置くって誰のだかわからなくなるし、近くにないしで。なるほどね。
【こんなネクタイなら】
3つ目。あの知る人ぞ知る“ハンバーガー帽子”(まさにハンバーガーのカタチをした帽子でチーズもレタスもはさまれている)を所有するわたしですから、こういうジョークもいい。名前は“after office tie”(5時からネクタイ)。
この画像ではよくわからんでしょ。ネクタイの先に栓抜きを付けただけのデザイン。ただ今どき栓抜きが必要な瓶の発売元、ペローニくらいじゃないの?(笑)。デザインはアルゼンチンの sinapsis studio。
さあて3つ並べました。どれが一番食前酒が進むでしょうか?09年9月30日からロンドンで展示会です。
【hmm…なアドバイス】
待てよ、食中酒(Bevanda/べヴァンダ)も進みすぎた御仁もいた。またしてもイタリーでぼったくられた日本人ニュースですよ。ナイトクラブでウィ〜だったのか、7,265ユーロ=97万円という引き落とし。あらら。日本のバブル時期の料亭でも、ITバブルの頃の六本木ヒルズでも(たぶん)ない額ですよね。
飲み過ぎのヤカラはともかく、日本の中の伊や仏のバーでは、申し訳なさげなちいちゃなバーカウンターだけも多い。というかそこも立派な席にもなったりして。アペリティーヴォが根付いていない国です。
デザインと食前酒という公募コンペが成立するには、くらしとクリエイティブが合体している必要がある。デザインが用の具なら、絵画は“心の酔いの具”。日本では“具”が根付くにはまだ時間が必要だ。今日は以上です。
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