オリベッティ・バレンタイン
英語や英文を大学で勉強したことのある人で、30歳から35歳以上の人なら、買ったのがタイプライター。卒論で英文が必修だった。タイプライターのキーを押す(これが重い)。アームが文字を紙に打ち込み、行が終わりになるとチーンと音が鳴る。レバーをジャ〜と左位置に戻して、また打ち始める。タイプ音、そのリズムが好きだった。リボンというアナログもよかった。
引用元
私の買ったタイプライターは国産のブラザーの廉価なものだったが、憧れは伊のオリベッティ。中でも1969年に発売されたEttore SottsassデザインのOlivetti Valentine(オリベッティ・バレンタイン)は、わたしの学生当時でも(80年代)憧れだった。
【hmm…なアドバイス501.オリベッティ・バレンタイン】
そのデザインを現代の“Valentine”にリ・デザインするテーマを与えられたオーストリアの学生たち(Julia Kaisinger, Pia Weitgasser, Martin Zopf & Tony Weichselbraun)の“作品表現”、これが美しい。
現代のタイプライターとしてコンパクトかつ電子化の追求、それは打ち込んだ文字がフレキシブルなディスプレイで立ち上がるというデザインに現れている。打った書類が後部の“電子ローラー”から、くるくるっと出力されるなんていいなあ(わたしの勝手な想像)。
制作はuniversity of applied arts - vienna departmento of industrial desing 2。
【不朽の魅力のバレンタイン】
Valentine、実は復刻されて現在でも販売している。オリベッティの日本代理店のノアックス株式会社から“新品”が約4万円で入手できる。
指に覚えのあるベテランの方だけではなく、若い方々の中にも、”手動タイプライターに、人間と機械の一体感を感じる”とおっしゃる方が数多くいらっしゃいます。そんなお声にお答えして、昔のままの赤いバレンタインが復活しました。引用元
調べるとどうやらメイド・イン・メキシコらしいが、新品は魅力。言うまでもなくニューヨーク近代美術館のパーマネント・コレクションで、昔ながらの“バケツ”デザインもそのまま。道具ではあるが不朽の魅力がある。
さらにタイプライターの専門店も生き残っている。横浜市西区の尾河商会では修理・オーバーホールだけでなく、国内外各社のリボンなどの消耗品も取り扱いがある。とても心強い。
【hmm…なアドバイス】
素人タイプでも、その不揃いさが温かい。間違えてはホワイトをつけて打ち直してい(笑)。商店ならプライスタグにもいいし、英文のPOP、ショップカードやメニューもいい。英文に手書きの日本語を追加すると温かい。
以前ビジネスメディア誠やプリバリ[イン]で、活版印刷をテーマにエッセイを書いた。わたしはノスタルジーとは違う、ほんらいあった印字の魅力を描いたつもりだ。効率一辺倒では、心に沁みる良いことばは紡げない。手書きやタイプの魅力が注目されるワケがある。今日は以上です。
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