越前和紙のエバンジェリスト
【hmm…なアドバイス542.越前和紙のエバンジェリスト】
画像の無断引用すみません!この方が杉原さん。株式会社杉原商店の社長であり、越前和紙の魅力を伝えて広めるエバンジェリスト(これわたし命名_笑)。さっそうと和紙の革ジャン(和紙ジャン)を着て現れました。
実はユニクロで買った革ジャンに和紙を貼ったとか。それでこんなに風合い豊かで、ひとつきりの和紙ジャンが!杉原さんが着るとまたサマになっています。次の画像は加工前と後です。
福井にある杉原商店は「越前和紙(福井県越前市)の零細な生産者による手作り和紙の企画、製造、販売、用途開発が私たちの仕事」をする会社。何しろ歴史をたどれば500年以上昔から和紙づくりをしていた。記録にのこる一代目杉原半四郎さんのご逝去が宝暦6年(1756年)、そこからでも260年以上経つ。
【和紙の杉原商店】
だから杉原商店の和紙をめぐる仕事、紹介できないくらいたくさんありますが、昨日うかがった中から、ごく近年の仕事をいくつか。
『インテリアからウエディングドレスまで南青山2004』での手づくり和紙の表現は素晴しい。ソファの表面も和紙!(表皮ならぬ表紙)。その和紙素材のサンプルに触らせていただきましたが、かなり頑丈でした。
和紙のバッグの素材感、丈夫さ。「これが和紙?」という驚きに満ちている。次の画像は日本画の巨匠、平山郁夫画伯が「大唐西域壁画」を描くためにつくられたときの“巨大和紙”制作風景(平成12年)。
同社の登録商標でもある「漆和紙(うるわし)」は和紙に漆を塗る“和美(わび)”を実現。質感・量感・しっかり感。
さらに和紙のしなやかな結合(水素結合)、越前和紙の国宝の制作過程、洋紙とのちがい、越前和紙の価値(ミツマタの局紙、奉紙、ちぎり紙、etc.)などおもしろかった。杉原さま、ありがとうございました。
【hmm…なアドバイス】
和紙の楽しさ、素晴らしさ。それをどう伝えられるか。「こんな用途もある」「こんな素材の素晴らしさがある」 いったんは消費者は「へえ〜っ」と言うのだが、なかなか生活シーンに入れてくれるまでには至らない。「わかったけど、日常とはちょっと“ちがう世界”でしょ」と言われてしまう。だからなかなか広がらない。和紙を“伝統工芸”や“民芸”と置き換えてみても、似た事情がある。そこでふと思った。
杉原さんの斬新な伝道スタイルはいい。
彼のプレゼンでは、ご自身のiPhoneとプロジェクターをつないで、静止画像や動画を代わる代わる。“古きを訪ねて新しきをスタイリッシュに伝える”。まさに和紙のエバンジェリスト(伝道者)。自転車界に絹代あり、版画界に山本容子あり。「伝えるスタイル」が斬新であることは、ひとつの武器だと思いあたった。今日は以上です。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント