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2010年9月11日 (土)

The Man Who Makes Your iPhone—Foxconnの記事から。

Bloomberg Businessweek に掲載されたFoxconnのCEO兼会長Terry Gou氏のインタビュー・ストーリーを読んだ。さもありなんとも思うし、ひどいとも思うし、凄いとも思った。

Foxconnは、Foxconn Technology Groupと いう企業集団で、Hon Hai Precision Industryが中核企業。そこは、iPhoneを始め世界の著名IT企業の生産を引き受けるEMS、電子機器受託生産企業である。総従業員数が100 万人という、想像できない規模。日立グループで36万人と言われるので、3倍くらい。

8Pに渡る長い記事引用元)から幾つか気になったところを挙げてみたい。

It actually wasn't until late May, after the ninth Foxconn employee had leaped to his death, that Foxconn went into full crisis management mode, stringing more than 3 million square meters of yellow-mesh netting around its buildings to catch jumpers and setting up a 24-hour counseling center staffed by 100 trained workers.
5月下旬まで問題にはしなかったが、9人目の飛び降り自殺者が出て以来、Foxconnは危機管理態勢に入った。300万平方メートルの防護ネットをビルディングの周りに張って飛び降り者をキャッチする。100人のカウンセラーを24時間体制でおく

80万人が“住む”工場には、住居もATMもプールもストレス発散のサンドバッグもある。長時間にわたる単純労働でおかしくなる人が続出。インタビューで紹介された従業員のひとりはこう言う。

"It takes so much concentration, it was very stressful at first," she says. "I know I can go to a counselor, but I don't think it will help. I'm pretty adaptable, and I can cope. When I speak to my parents, I try to sound happy. I don't speak about my stress."
生産にはもの凄く集中がいるの.最初は緊張しっぱなし。カウンセラーに行けるのは知っているけれど助けにならないわ。私は適応できるし何とかやれる。両親に話すときは元気に喋るの。ストレスは隠します

がんばるしかないのか。もちろんFoxconnに限らず、単純労働はどこでも厳しいものだが・・・。

With the cash from his mother, he bought a couple of plastic molding machines and started making channel-changing knobs for black-and-white televisions.
母から借りた7500ドルで樹脂成型マシンを購入して、TVのチャンネルの製造を開始した

創始者のTerry Gou氏のスタートはTVチャンネル。つまみだ。RCA、ゼニス、フィリップスなどそうそうたる企業に納品した。そこから始めて持ち前の営業力を発揮した。

"He is really one of the top sales guys in the world," says Max Fang, the former head of procurement for Dell in Asia who did business with Gou and was his regular golf partner. "He is very aggressive and always on your tail."
彼は世界を見渡してもトップクラスの営業マンだ。元DELLの調達重役で今は彼のゴルフ友だちが言う。アグレッシブで、いつも尻尾に食らいついてくる

続けて営業魂の話。

In the early '80s, Gou made his first big push into the U.S., visiting 32 states over the course of an 11-month tour. He dropped in on companies unannounced, like a door-to-door salesman, arriving in a "big and safe" Lincoln Town Car he rented in every city.
1980年代初頭、Gou氏は米国市場の開拓に乗り出した。11ヶ月で32州のツアー。どこでも、でっかくて安全なリンカーン・タウンカーを借りて、アポ無しで飛び込んだ

リンカーンの広い後部座席で泊まりながら、粘りのスタイルでIBMから受注を得た。その後80年代にアタリのゲームのコンソールで当てたのも、その営業があったからだろう。

Apple's designers wouldn't budge on their specs, so Gou ordered more than 1,000 of the $20,000 machines from Tokyo-based Fanuc. Most companies have just one.
iPhone4の生産にあたり、Appleのデザイナーはスペックを変えようとしなかった。そこでGou氏はファナックから1台2万ドルの機械を1,000台以上購入した。普通の会社は1台しか持たないような機械だ

メタルフレーム製作でどうしても必要だった精密製作マシン。1ドル100円として20億円の投資である。この投資のおかげで我々の手元に iPhone4がもたらされる。1日13万7,000台、1分90台のアウトプット。1台のマシンから一日130台以上産出される計算だ。機械も酷使され ているのだろうか。

He says he works 16 hours a day and eats three meals at his desk. There is scarcely time for indulgences. "I was getting my hair dyed at 11 p.m. last night for this interview," he says.
Gou氏は一日16時間働き、三度の食事はデスクの上、道楽につかう時間は一切なし。「このインタビューのためにヘアを染めたのは、昨夜の11時さ」

このリーダーがあって、働き者の従業員がいる。そこから利益を得るAppleやSony、HPなどITジャイアンツ企業がある。iPhoneをもてあそぶ私たちユーザーがいる。

大きな工場の広大なフロアが、たくさんのパーティションや小部屋で区切られていて、ある顧客企業のための製品を作っている人たちは、ほかの顧客企業のために隣の小部屋で作られている製品のことを、何も知らない引用元

これは発注者からしてみれば当然のことだろう。だが企業機密のため、従業員たちは仕事の悩みや悦びを語り合うこともできない。まるで喋ることを禁じられたブロイラーのようだ。ぼくはこれが一番の自殺の原因だと思う。

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