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2010年11月22日 (月)

交通信号とトルシエ

日本人が赤信号で渡らないのは判断力がないからだ

こう言ったのはフィリップ・トルシエ氏、2002年のサッカーW杯日本代表監督である。彼は日本人にはルールに従うセオリーはあるが、ルールを壊す発想はないと言ったそうだ。次の2つの信号デザインは、確かに日本人から発想されそうもない。

【砂時計信号】

The Sand Glass is a new look at traffic lights. Surely people must be frustrated with the current design, which is why we have seen THREE DIFFERENT DESIGNS recently. 引用元 (“砂時計”が交通信号になった。現在の信号にみんな不満だろう。だからこの三つのデザインがあるのさ)



砂時計ですね。これだと信号が変わるまで一目瞭然である。砂時計の起源は諸説あり、中国やギリシャなど発祥も定かではない。ただ11世紀には航海時計として普及していたそうだから、世界中の人が理解できるのもいい。



だが待てよ。一抹の懸念は色覚障害の人に適合しないことだ。そこは要改善だが、砂時計が緑から黄、そして赤へーこれは普遍的かつ斬新なデザインである。

【eko信号】
砂時計デザインで思い出したのは、デザイナーDamjan Stanković氏が考案した巧みな“時計型信号”。これekoシグナルと名付けられている。



外周の赤い環が減っていき、赤が緑になるデザイン。この良さは、3灯信号という普遍的なメッセージを持つアクティブメモリーを活かしつつ、切替えまでの時間を可視化したところ。さらに色覚異常者にもやさしい。これも素晴しいデザインである。



【信号の両面価値】
この2つの信号で気づいたことがある。信号には、どっちがいいとか悪いとか言いにくい特殊性、“両面価値”がある。

・自分が急いでいると、あとどのくらいで変わるか知りたい。一方、ジリジリする人を見ると、いずれ変わるから待ってろよと言ってみたくなる。
緑と赤、どちらの“変わる時間”を知らせるべきなのか?日本の歩行者信号では赤から緑への時間を知らせる。これは「待ってろよ」というメッセージだ。これを逆、つまり緑から赤にすると「早く渡れ」となる。どっちがいいのか。
情報を与えるべきなのか、与えないべきなのか?
たとえば、東京の地下鉄には「車輛の位置別の乗降口案内」がある。
だが当初、乗客に知らせると混み方に偏りが出るという憂慮もあった。
貼り出すと特に混乱が生じているとは思えない。
かと言って道路で「40kmで巡行すれば信号に引っかかりにくい」と
いう情報を与えれば50kmで走るヤツが出てくる。もちろん信号で
止まってアイドリングしない方が、エコなのである。

あちら立てればこちらが立たず。それは「待つ側」と「待たせる側」がいるからなのだ。几帳面にどちらも立てようとすると、かえってどちらにも不満なものになる。ムダに長い信号、ストップ&ゴーが多すぎる信号、ええい!待ってられんとか。

そこで潤滑油となるのは、秒単位で厳密になることはやめて、案外トルシエ元監督の言う“自主的な判断力”を発揮することかも知れない

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