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2010年12月21日 (火)

電子書籍とは漫画のこと、だとか。

印刷関連雑誌『プリバリイン』に連載しているからでもあるけれど、電子VS.印刷はぼくのテーマのひとつ。“電子書籍”や“XMLによる書誌マネジメント”など追っているし、今週取材するのは「電子と印刷のアイノコ」のようなもの。だからこの記事も気になった。

株式会社パピレスは、同社が運営する「電子貸本Renta!」にて「電子書籍の利用動向調査」を実施、2010年12月21日、調査結果レポートを発表した。引用元 

調査の対象者は10代から70代までの電子書籍を読む男女4,651人。特徴は“電子書籍利用者の約7割が漫画をよく読んでいる”だった。要するに「電子と漫画には相関関係がある」。

 

【30代女性=電子漫画世代】
電子書籍のジャンルは漫画、ずっと離れて小説、ノンフィクション。書籍も雑誌もこれからなので、刊行数から言って当然といえば当然だ。

かけるお金は1,000〜2,000円というところだろう。

きっかけは何か?という問いの答えは、本屋との比較が目立ったされる。

「絶版になった漫画が本屋にはなく、電子書籍ですぐ読めた」(20代女性)
「夜中に読むことが多いが近くに本屋がないため、電子書籍ならいつでも買って読める」(30代女性)
「子どもが小さくて、本屋でゆっくり本を選べなかったので」(40代女性)

夜中や子供が寝たときに「漫画が読みたい!」と思っても本屋にはゆけない、だからダウンロード。う〜ん、そこまで読みたいものなのか。まあ調査対象者に偏りがあるからですがね(男性1:女性9、30代=43%、20代=27%)。

逆に言えば、この層しかまだ電子書籍を読まないのだ。これがほんとうならターゲティングは明確だ。群ようこさんとか、林真理子さん、藤堂志津子さん、桐野夏生さんらからバシバシ電子化して様子を観るのも手だ。

【電子には漫画がよく似合う?】
でもね、漫画しか読まないというのは、けっこう深い意味がある。

PCで読む、あるいは携帯やiPadで読むにしろ、電子も印刷も漫画は「場面から場面へ、シーンを追って読む」ものでしょう。印刷ブツなら上から下、右から左へと読む。電子なら上から下、iPadなら右へ右へシーンを追う。画面のパート把握をスライドさせて読む。それが漫画読みだ。

その読み方、電子画面という表現力と合っているのだ。電子画面は「目で読む」というよりは「目で追う」「シーンをつかむ」「指が読む」。じっくり読むより、読み飛ばす。印刷書籍は「心で読む」のに、電子書籍はまだ「目先で読む」のである。我々は毎日ニュースやコラムを飛ばし読みしているでしょう。

精読は電子に馴染まない。ゆえに「電子には漫画がよく似合う」のではないか。

【読むにもいろいろある】
もちろんまだ我々は、電子画面で本を読むのにまだ慣れていないこともある。機器の改良や編集のマルチメディア化でもちがってくる。電子が広がるのは時間の 問題だ。余談だがぼくは詩歌はいいと思う。iPadのようなタブレットPCに詩歌を忍ばしておき、思いついたら検索して呼び出せるから。

しかしまあ「読む」はいろいろである。「流し読み」「拾い読み」「精読」「速読」もあれば、「命がけ読み」「恋する読み」「批判読み」もあるし、水嶋ヒロ君の本を「嫉妬読み」というのもある。読者がどんな読み方をするか、深読みして出版する時代なのである。

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