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2010年12月19日 (日)

キミのアプリはキミをウォッチしている

ウォールストリートジャーナルの『Your Apps Are Watching You (キミのアプリはキミをウォッチしている)』をテーマに

米紙ウォールストリート・ジャーナルは18日、多機能携帯電話(スマートフォン)で音楽を聴く際などに利用する応用ソフト(アプリ)から、年齢や性別などの個人情報が外部の広告会社に漏れている例があると独自調査で報じた。引用元



外部の専門家を起用して、101種類のアプリ(iPhoneとアンドロイド)を調べたところ56個で利用者の許諾を得ずに、携帯電話番号等の情報を流していた。

TextPlus 4(テキストメッセージアプリ):携帯のIDナンバー、郵便番号、年齢と性別を8社に。
Pandra(音楽アプリ):年齢、性別、位置情報、携帯情報を複数の広告会社へ。
Paper Toss(ゲームアプリ):携帯IDを5社に。
Grindr(ゲイの出会いアプリ):性別、位置情報、携帯情報を3社に。
Pumpkin Maker(かぼちゃを剝くゲーム)は位置情報を数社に。


ゲイアプリはちょっとクリティカルかも……。

【携帯は究極のマーケティングツール】

"In the world of mobile, there is no anonymity," says Michael Becker of the Mobile Marketing Association, an industry trade group. A cellphone is "always with us. It's always on." 引用元 (「モバイルの世界では無名はありえない」とモバイルマーケティング協会のMichael Becker氏は言う。「携帯は常に手元に、常にスイッチオンだ」)

Appleでは「iPhoneアプリはユーザーの事前同意がないとデータを通信できない」そうだがWSJの今回の調査では破られている。アンドロイ ドではアプリのダウンロード時に、携帯のカメラ情報、メモリー、コンタクトリストなどにアクセスしうるが、「事前に許可を取るのはアプリ開発会社の責任」 としている。なんたることだ。

スマートフォンはオプトアウトしにくい(ユーザー許諾なく広告メールを送ることを拒否)、クッキーをブロックしたり削除できないという事情もある。そこを突いている。

【何が個人情報か?】
何が個人情報か?という規定もあいまいなのもまずい。AppleではUDID(特定機種の識別)を個人を特定しうる情報としているが、Googleと多くのアプリ開発会社ではそう規定していないそうだ。

もちろん個人情報とは、個人を特定できなければ個人情報ではない。電話番号だけでは個人情報ではない。メールアドレスもそうだ。ところがアドレスとアプリ購入履歴、それに郵便番号があれば、それは個人情報ではないけれど「儲かる」のである。

WSJの記事中、Mobclix社の紹介がある。同社は“携帯情報分析のプロ”で、携帯IDとロケーション情報、アプリの活用状況と、地域経済情報 (収入や年齢構成など統計情報)をクロス分析する。そしてユーザーを150のセグメント(例:ゲーマー、環境主義者、サッカーマム等)に識別する。ピンポ イントに興味のある広告を送ることができる。

もちろん日本にもこのサービスをする会社はある。すでにサービスインしているかもしれない。

【情報社会の弱者を生む構造も原因】
考えてみればこれは必然なのだ。なぜならアプリ開発会社は儲けなくてはならない。ダウンロードされるアプリは無料だとしよう。無料でどうやって稼ぐか?広告を置くか、広告を送りつけるか、どちらか。だから「悪魔の情報流出」に走る。

一方日本のショッピングモール(SM)では、yahoo!や楽天などSM側が情報を握り、売り手には購買者情報がほとんど流れない。出店者が企画や 広告掲載料金を支払い、SMの大家が販促メールを送る仕組みだ。SMから自社直販サイトにリンクさせるのは、手数料を惜しむだけはない。購入者情報が得ら れないからでもある(これは林田浩一さんに教えてもらった)。

アプリ開発会社もモールの出店者も、いわば「情報社会の弱者」なのである。アプリの無料情報販売は、情報無料社会の弊害と言ってもいい。

同情を禁じ得ない面はあるが、たとえばPaypal(決済サービス)情報と携帯情報が一緒になったら何が起きるだろうか?それが遠い海外からの操作で行われたらどうなるだろう?ヤバいことが起きる。

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