真の動物顧客視点
今日のテーマは犬や猫のキモチになって書く。ワンワン、ニャオ…いやアメリカなのでbow-wow、meow。まず段ボールの摩天楼にひょいと飛び上がろう。
というか抱きついてキングコングな気分に。コリコリキモチいいな…と猫ちゃんがいうかどうか。ちょっと人間サマの「猫はこうあって欲しい」という視点が入った爪研ぎとも言えなくはない。『Scratch Post』29.99ドルで販売中。
【猫遊び3つ】
でも『Scratch Roller』はどう?石器時代のストーン通貨のようにでっかく、転がして遊ぶ。倒して抱えて掴みかかる。その間に爪が研がれるわけさ。上手い。9.95ドル。
『Hanging Scratcher』は飛びかかり好きに。サンドバッグのようにぶら下げておけばいつでもぶら下がり猫。19.95ドル。
もうひとつ『Amazing Treat Machine Rollers』は転がして遊ぶだけではない。転がすうちにフト猫は気づく。転がすほどにご飯にありつけることに。エサを中に仕込んで、転がすとポロポロ。9.95ドル。動画はこちら。
この仕掛けを使ってAmazing Treat Machine社が開発したのが、犬のリハビリにもなる『The Amazing Treat Machine』である。
【ハスラーへの愛】
テニスボールをくわえる。それを箱の上から入れる。すると下からボールが転がりだしてくるのと一緒に、コロリとドッグフードが3個くらい出て来るのだ。それで犬は何度も何度もテニスボールを入れては落し…。動画はこちらから。
これは凄く上手くできている。段ボールのケースという組立容易でボロくなったらリサイクル。ひとつ9.95ドルという経済性もいい。この犬目線の商品の開発の言われがまたいい。
「ラブラトールの子犬あげます」という広告にピンときたMichael Newmanさん、犬を飼うことになった。ハスラーと名付けられたラブラドール、大きくなってテニスボール拾いが上手になった。しかしフロリダからカリフォルニアに引っ越した頃から、ハスラーの足の具合がおかしい。びっこを引く。獣医に診せると「形成異常」だと言う。その後、3本の足が具合が悪くなり、もはやテニスボールを取りに行くことができなくなった。可哀想なハスラー。
薬物治療で改善したが、歩きはゆっくり、水泳でリハビリを重ねる。そんなある日、マイケルさんが家で仕事をしていたら、ハスラーがテニスボールをくわえてきた。
「ごめんよ、今仕事なんだ」
ところがしばらくすると、もうひとつボールを持ってきた。マイケルさん、これには泣けた。そこでハスラーのリハビリグッズの開発を考えたのだ。テストを繰り返し、素材をとっかえひっかえ、生まれたのがこの段ボール製のリハビリ遊具だった。
【真の動物顧客視点とは】
マイケルさんはこの遊具を「生態を観察して」作ったのではない。ほんとに「一緒になって」作った。そこが大切だ。真心からの開発なのだ。
ぼくらもできるだけナチュラルな気持ちになって商品づくりをしよう。企画を考えよう。創造をしよう。調査を重ねる「偽の顧客視点」なんて捨てちまって。
ことばのデザイナーの仕事の紹介はこちら(cotoba)
マーケティングコンサルタントの仕事の紹介はこちら(マーケティング・ブレイン)
ビジスパメールマガジン “マーケティングレシピ”
うふふマーケティング最新刊 誠ブログ最新刊
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント