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2011年4月21日 (木)

中くらいの成長と成熟国を目指して

今日はビジネスメディア誠で連載する“うふふマーケティング”へのリードと四方山話です。

震災後見えてきた流通の明日の姿――それは“善き商人”であること
震災時には人の本性が見えたが、小売業者の本性も垣間見えた。私たちはどんな小売業者を本当に必要としているのか。今後望まれる小売の姿について考えてみた。続きはこちら

今回のコラムは震災前からずっと考えてきた、ぼくの思う「流通業のありたい姿」を書いた。根底にあるのは、今のスーパーは自社の売りたい商品は売っているが、消費者にとっては買いたい商品が買えるのか?という疑問である。野菜だって魚だって肉だって乾物だって、何でもあるじゃないか、便利じゃないか、と言うかも知れない。

でも少しでも食材にこだわりを持つと、大抵のスーパーが大企業のブランド品を流通させる場であることに気づかされる。少量しか産出されない地元の旨いもの、 不揃いの手づくりのものは扱わない、いや扱えないシステムになっている。集中仕入れ・加工・販売のサプライチェーンに沿った商品が幅を利かせている。そも そも「各店舗仕入れ」という用語が業界にあることからして、各店舗仕入れ=イレギュラーなのが近代流通業である。

しかもこの震災による影響で、大規模流通が機能せず、非常に脆弱なものであることが見えてきた。システム化されたはずのチェーンで、放射能検査を導入するところがほとんどなかったのも象徴的だった。売るためのシステム化は極限まで追求する一方、安全確保や地産地消はしシステム化されていない。それらには経済メリットがないからだ。ほんとうに消費者のための流通業なのだろうか。



コラムでもちらりと触れたが、デフレに勝つスーパーの最終兵器は“無人レジ”だという。図はウォルマートのもの。品物選びも消費者、運搬も消費者、支払いも包装も消費者。そんな非人間店舗が楽しいだろうか?しかもそれでも利益が出ないのだ。何かがおかしいのだ。道理でネットスーパーが利益が出るわけがないのである。

【中くらいの成長と成熟国を目指して】

菅政権は東日本大震災で津波被害を受けた各地の農地を集約して大規模化を進める一方、壊滅した小さな漁港も拠点ごとに集約するための法案を今国会に提出する方針を固めた。東北地方を新たな「食糧供給基地」と位置づけ、攻めの復興策を目指す。引用元



だが政治主導は、農地も漁港も“大規模化”である。個人の田畑はまとめられ、歴史ある漁港は遺棄され新設される。ぼくはその論理は「災害復興支援のしやすさ」「融資や投資のしやすさ」「大企業の進出のしやすさ」にしか思えない。

確かに後継者難、小規模で利益が出にくいという現実はある。だがそれは補助金で競争する意欲を削いだ結果でもある。自分達(政治)で撒いたタネなのに、またしてもいたずらに集約化を図るのは、昔ながらの経済成長絶対主義の繰り返しのような気がする。

大きくて効率的で売り手都合の大規模農業と漁業と、小さく効率は劣るが人対人が安全で美味しいものを届ける農業と漁業、どっちがいいだろうか?自然と共生しなかった開発のツケが津波被害だとすれば、もう経済成長志向は捨てて、中くらいの成長をする成熟国を目指してもいい。今の政治に欠けているのは「人はどう生きるか」という思想なのである。だから数字しか語れない。

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