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2011年7月29日 (金)

伊良部元投手の墓にNYのマウンドの土を。

伊良部秀輝元投手、自殺。享年42才(2011年7月某日)。天才アスリートゆえの波乱万丈。合掌。



持ち味は何といっても豪速球。長らく日本球界最高だった158kmをマーク。あの球が低めに決まると清原選手でさえ手は出なかった。フォークも投げたが、ぼくの記憶の中では、彼のフォークはいつもワンバウンドか暴投だ。コントロールは不味くなかったはずだが、「走者を出しても打たして取る」というピッチャーではなかった。とにかくほうるタイプ。



上体をそらせて、しなる腕でビュンと快速球。意外に下半身が強そうなフォームだ。だがメジャー通算34勝35敗、防御率5.15。投資には見合わなかったと言われ、彼がこだわり抜いたニューヨーク・ヤンキースでは一年目から、ある意味で構想外だった(後半に3A暮らし)。

画像引用元

ぼくの推測だが、太って体重が増してフォームを崩しがちになり、速球の威力も半減した。戦績から見ても勝つ時は勝つが、負けも多い。このロッテ時代の締まった伊良部のままであったら違っただろう。ボビー・バレンタイン(元ロッテ監督)はロッテ時代の彼を評してこう話したわけだ。

"He was a world-class pitcher," Valentine said. "There were just some days when he was as good a pitcher as I had ever seen. A fabulous arm." 引用元 (ワールドクラスの投手だ。絶好調の時には稀に見る投手だった。伝説的と言ってもいい)



彼のピッチングを貶めたのはプレー中の態度もある。ファンに向かって唾を吐いたとか、グラブを投げるとか、すぐにかっとなって殴りかかるとか。写真はそんなシーンだ。プレー外もたくさんある。酒を呑んでの大暴れは何度も、飲酒運転で罰金も払っている。記者会見でも尊大だった。

天才ゆえの品行方正さの欠如。先日死んだAmy Winehouseにも通じる。天才は自分さえ制御できない。天才だからこそ、自分の制御が一番むつかしいのかもしれない。そう思って「天才アスリートゆえの波乱万丈」とツィートしたら、juncothebirdさんから気の効いたツィートが入った。

I once saw a quote, "Well behaved women rarely make history." I believe that's the same for guys. (こんな警句がありました。「品行方正な女性は滅多に歴史を作れない」オトコにも当てはまると思う)

それは正しい。品行方正から禁断の愛も偉大なアートも生まれない。踏み外したヤツら(unbehaved)が、踏み外すパワーを見せるから生まれる。あとは「unbehavedだけど、どこか愛せるヤツだ」と思われるかどうか。そうじゃないと周りはやってられない。

伊良部の到達点は何だったんだろう?

天才の煌めきが一瞬のように、きっとヤンキースでの初戦だったのではないか。1997年7月10日、6回と2/3イニングを投げて、スタンディング・オベーションを浴びた。試合は10-3で勝利。その頂点の日から落ちていく自分が耐えられなかったのではないか。だからunbehavedも増したのではないか。その意味では今、安らかかも知れない。墓にはヤンキーススタジアムの土を盛ってやれ。

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