製本ワークショップ「角背上製本編」体験記
10日程前になりますが、美篶堂さんの手ほどきで“製本ワークショップ”を初体験。我がギャラリー アートマルシェ神田にて、内輪の体験というかたちで、講師の美篶堂親方、上島松男さん、そして社長の上島明子さんをお招きしました。
このワークショップは製本を手作業で仕立て上げるもの。初級、中級、上級とあるなかで、まずは初級。どうしてどうして、平面の紙から“売り物になるような”上製本ができる。感動の体験でした。
美篶堂さんは“美術製本”
の専門工房の会社で、みすずノートやグラデーションペンスタンド、和装本などオリジナル文具を販売、そして製本を広めるワークショップを開催しています。
普段はNHK青山教室、横浜ランドマーク教室などで実施されていますが、今回は特別に来て頂きました。参加者は三和印刷(アートマルシェ神田の運営母体)
の皆さんと、utteのcherryさんとぼくの13名。
まず断裁した紙を二つ折に。竹べらで丁寧に一枚ずつ。慣れている人は一度に数枚折れるそうですが、最初はこんな単純な作業でも緊張します。
折った紙の束を揃えて背に当たる側に糊を付けて、“冊子”を作ります。それができたらカバーづくり。こちらは芯材を入れて紙を貼る作業になります。
随所にノウハウがありますので、細かいところは割愛。講座内容をバラしてもいけませんから。
手づくりは心が集中して清々しくなるものだが、この製本ワークショップは心の満足だけではない。「自分で仕上げたと思えないほど」美しい。ギミックな仕掛けもユニークなサイズも罫線さえ無いノートが、自分が作ったということで愛でたい。紙が受け入れてくれる加工の奥深さ、仕上がりの端正な美しさに感動した。
それでふと思い出した。ぼくは中学生の頃、読み終えた文庫本にカバーを作っていた。
濫読した推理小説。エラリィ・クイーンやS・S・ヴァン・ダイン、クロフツなど創元推理小説を読みあさり、本棚に並べる際に“オリジナルカバー”を作った。画用紙を文庫本より1ミリほど大きめに切り、カッターの背でスジを付けてしっかり折る。背にはタイトルを書く。時には色を塗る。ムダなことだが、そんなことをして本への感謝をしていた。
加えてぼくは“ノートフェチ”なのだ。ノートや手帳に関しては、数えきれないほど商品を使い倒してきた。嵩じてITメディアに手帳の連載までした。でも手づくりはしたことがなかった。このワークショップがぼくの心にイグニッションとなった。
自分のノートづくりをしたい。“二十才の原点ノート”が遠く霞んで見える年になったけれど、その瑞々しさを求めて、五十才の原点ノートづくりをしたいと思った。
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