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2011年7月18日 (月)

【追記あり】なでしこの花は球の上に咲いていた。

気になってはいたが、夜更かしはできない性質だし、そんなに早起きもできない。だが朝から汗まみれになって眼を覚ました。

トイレにiPadを持ってしゃがむ。見ると5時過ぎ。ちょこっとHootSuiteを開く。ツィートを見る。おお、0-0だ。がんばっているじゃないか。だが眠い。トイレをよろよろ出て布団に倒れる。目をつむる。テレビをつける気にはならない。

うとうとする。20~30分くらいたっただろうか。仕方ない、とよろよろ起きる。テレビをつける。すると後半終了まで数分のところ。おっと1-1じゃないか。なでしこJAPAN、がんばっているじゃないか。得点は誰がどう入れたかわからないまま、中継を見だす。朝もやのLiveの文字がまぶしい。ボール支配は圧倒的に米国だな。まったく攻め込まれている。米国の猛攻撃をなんとかしのぐ。はあ。1-1で終了。

Nadeshiko01

延長に入っても米国の攻撃は続く。このままでは点が入るだろうと思っていたら、延長前半終了間際、ゴール前にクロスが入り、でっかくて速いワンバックがズドンとヘッドを決めた。これは…体格差というしかない。だがまだ後半があるじゃないか。

選手交代はむつかしい局面なので、ここはじっくり行くしかない。と思いきや、岩淵イン。彼女は次のW杯のスターだ。今回は経験だよ。すると次第に日本ペースになりだした。粘るなあ。パスがつながりだす。だが前線までは届かない。もうちょっと押し上げないと点は入らない。万事休す、だろうか…。

だが潮目が変わりそうと思ったのは、米国GKが日本の攻撃の接触で痛んだところ。時間稼ぎとは思えない。男子とは違って女子サッカーは純粋なのである。男子は勝つためなら演技どころか八百長までするんだから、観てられんけど。これは余談。

流れが傾いたところで、このコーナーは良い。終了まであと数分。ともかくこれは千載一遇のチャンスにせんといけん。

キッカーの宮間選手が手を上げる。だれかとコンタクトを取ったように見えた。ピシッと蹴った。ニアだ。そこに走りこんだ選手がいた。おおおおぉぉぉっ!入ったぁ?どうやってだあ?誰だ?

もちろん澤穂希だった。

右足のアウトサイドで合わせたように見えた。おそらくこれは、かなり練習したパターンだろう。 何しろ米国にもスウェーデンにもドイツにも、上背ははるかに及ばない。パワーでも圧倒的に劣る。ピンポイントで合わせるしか、コーナーの活路はないのだ。 それがピタリだ。終了数分前の一発チャンスを決める勝負強さ。澤はすごいものを持っている。佐々木監督の指導の良さもある。この一発は歴史に残る。

さらにぼくが感動したのは、この後終了間際、米国のロングパスがつながり、モーガン選手にわたり、ゴール前にドリブルしたときのシーン。これはもうだめ!一点だと思った瞬間、岩清水選手がモーガンを痛烈にタックル。レッドカード、1発退場。

だがそれがなでしこを救った。

ぼくは長くサッカーを観てきたが、正直、後にも先にも、こんな清々しいレッドカードはなかった。やるしかないポイントで、ボールに足を出すというより、相手選手を身を挺して止めた。しかもそれほど痛めずに。ある意味で勝つためのフェアプレーだ。岩清水選手も周りの選手も納得していたように見えた。

ああ、実に日本人らしい戦い。

あの位置からのキックは実は入る確率は低い。これは凌げるだろう。そしてPK戦。もう日本の勝利を確信した。最初のキッカーを足で止めた、GK海堀のファインプレーは、河原のなでしこの花そのまま、素朴で強くたくましい。

松尾芭蕉はこう詠った。

酔て寝むなでしこ咲る石の上 (ゑふてねむなでしこさけるいしのうえ)

酔って寝むると、なでしこの花が石の上に咲いていた。石の上という盤石さを芭蕉は詠んだ。ぼくはこう詠っておきたい。

汗で起くなでしこ咲る球の上

汗で明け方起きて球蹴りを観る。なでしこの花は球の上に咲いていた。ありがとう、なでしこJAPAN。


画像は痛いニュースより。

追記 スポーツナビより引用(澤穂希「優勝するシーンしか想像できなかった」=サッカー女子日本代表)

得点シーンは(コーナーキックのキッカーの)あや(宮間)に「ニアに蹴るから」と言われ、わたしが「一番前に行くからね」と返していたんです。ゴールにボー ルが転がっていて、みんなが喜んでるのを見て「あ、点が入ったんだ……」という感じでした。アメリカに対してゴールを取れたのがうれしいし、あそこで同点にできたのもすごくうれしかった。本当にみんなが最後まであきらめずに走り続けた結果が、優勝につながったのだと思います。みんなに感謝したい。

追記2:毎日jpより引用 (澤、PKは「10番」だった)

岩清水が退場して10人となっていた日本で、澤はGK海堀より後の「10番」に。周囲からは「ええっ」「澤さん、ずるい」などと声が上がったが、佐々木監督は「さっきお仕事をしてくれたから」と延長後半の澤の同点ゴールを理由に順番を確定。笑いが起きたという。

追記3:毎日jpより引用 (退場の岩清水「祈っていました」)

延長後半ロスタイムにゴール前で相手FWモーガンを倒し、得点機会を阻止したとして退場処分を受けた岩清水は、控室のモニター越しにPK戦を見守った。「祈っていました。泣いていました。仲間のみんなが、すごいなと思った」と感謝していた。

追記4:ロイターブログより引用 (Japan set new benchmark for Asia with women’s World Cup triumph)

“I want Sawa to be on the organising committee if Japan hosts the women’s World Cup,” gushed Ogura of the tournament’s most valuable player and Golden Boot winner.

「澤には、もしも日本が女子W杯のホスト国になったら、組織委員長になってほしい」日本サッカー協会の小倉氏は喋りまくった。

追記5:毎日jpより引用 (PK2本止めた海堀「3人で戦った」)

(海掘選手は)小 学2年で、地元の京都府長岡京市内のスポーツ少年団でサッカーを始めた。小学生時代はディフェンダー。同じ学年で市内の別のチームには、スペインで活 躍する男子日本代表の家長昭博選手がいたが、「家長選手にも当たり負けしていなかった」と当時のコーチ、岡田宏さん(50)。

追記6:スポーツウォッチより引用 (なでしこ・佐々木監督「勝てると思わねーで監督やるわけねーだろ」)

ドイツでは激闘から一夜、朝の5時だという佐々木監督は、すっかり酔いがまわっている様子で、電話越しに「美酒を飲みながら余韻に浸っていますよ」、「5時、5時、朝の5時。眠いんだよ」とボヤき気味に話す。

すると、番組MCの恵俊彰が「勝てると思ってました?」と質問するや、「勝てると思わねーで監督やるわけねーだろ」とまくしたてたが、佐々木監督の酔いっぷりには、スタジオからも「こういう方でしたっけ?」というツッコミと共に笑いが起こる。

好きだ、こういう監督。おめでとう。

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