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2011年8月 1日 (月)

H23.7.27 衆院厚労委員会 児玉龍彦参考人の心の叫び

東京大学アイソトープ総合センターの児玉ですが、3月15日にたいへん驚愕しました。

このフレーズで始まる動画『H23.7.27 衆院厚労委員会 児玉龍彦参考人 3.21の雨』を見た。当局の圧力?なのか、動画が消されたそうだが、ぼくは金子勝慶応義塾大教授のツィート経由でばっちり見た。最後のくだり「7万人の人が自宅を離れて彷徨っているときに、国会はいったい何をやっているのですか!」と怒鳴るシーンは5回は見た。涙がでそうになった。

思ったことは色々ある。ぼくにできることはあるか。除染作業を手伝いにいこうか。もう悪性腫瘍の生命保険は入れないだろうな(事実を広まったらみんながん保険に入る)。 それと児玉先生の名前、どこかで聞いたと思ったら、金子さんとの共著『逆システム学』の共著者でした。お二人は中学・高校を通じた同級生。やや難解な著書が、今回の児玉先生の行動からより理解が深まった。それは最後に書く。

ともかく児玉先生の話をちゃんと理解しよう。およそ6割くらいのテープ起こしをした。骨子は十分です。興味のある人はお読みなるか、動画を見てほしい。

私は放射線の防護とその除染などの責任を負っています。
また内科の医者でして、東大病院の放射線の除染などに関わっています。
午前9時頃、東海村5マイクロシーベルトを経験しまして、文科省に
第十条通報をしました。
そのあと東京で0.5マイクロシーベルト 一過性に下がりまして、次に
3月21日に雨が降り、0.2マイクロシーベルト線量が投下されました。
これが今日まで高い線量を維持している原因だと見ています。
このとき枝野官房長官は「健康に直ちに被害無し」と言いましたが、
私はたいへんなことになると思いました。
現行の法律では総量は問題ではなく濃度が問題になります。
100km圏で5マイクロシーベルト、200km圏で0.5マイクロシーベルト、
遥かに離れたお茶の産地でも測定されています。
我々放射線医は総量を見ます。
それなのに、東京電力と政府は、今回の福島原発での総量がどのくらいになるか、
まったく報告されていません!

 スライドの出典

そこで計算すると、熱量から広島原爆の29.6個分に相当する。
ウラン換算では20個分です。
原爆の放射線の残存量は原爆は1年で1/3になるのに、原発は1/10くらいしか
減らない。福島原発はチェルノブイリと同じく原爆数十個分、そして原爆汚染より
放射線をたくさん出したのです。
放射線の総量が少ないなら、ある人にかかる濃度を見ればいいのです。
ですが総量が多い場合には粒子です。これは流体力学計算です。
こまかい粒子が放出される。計算もとてもむつかしい。
例えば稲わらの問題。各地で測定された数値がバラバラのように、汚染は
同心円状ではない。天候や粒子が水分を吸ったかどうかでまるで違う。
3月19日に出したという通達、南相馬市が飢えようとしているとき、
そんな通達を見るわけがない。飼料を外国から高いお金で飼って、
牛にやる水も地下水を使っています。
何をやらなければいけないのか?
汚染地で徹底した測定ができるようにしなければならない。
5月下旬に我々が行ったとき、南相馬には1台の線度計しかなかったといういけれど、
実際には米軍から20台の線度計が来ていました。
ところが市役所で英文の解説書がわからず、我々が現地に行って教えてあえて、
ようやく20台が稼働しました。これが現地の状況です。
ゲルマニウムカウンターと言われますが、今日では半導体でイメージング
ベースのはるかに精密な測定器が開発されています。
なぜ政府はそれを全面的に応用して、それをやらないのか!
3ヶ月もたって何も行われていないことに、私は満身の怒りを表明します。
第二番目です。
私の役割は小渕内閣のときから抗体薬品の責任者で、最先端研究支援として
30億円をかけて抗体医薬品にアイソトープをつけて、癌の治療をやる、
すなわち人間の身体の中にアイソトープを打ち込むのが私の仕事ですから、
内部被爆問題に必死に研究しております。
そこで内部被爆がどのように落ちるか、説明させていただきます。
一番大きい問題は癌です。癌がなぜ起きるか、それはDNAを切断するからです。
ただしご存知のようにDNAは二重らせんです。二重らせんはとても安定しています。
これが細胞分裂をするとき、二重らせんが1本になって2倍になり4本になります。
この過程のところがものすごく危険です。



妊婦の胎児、幼い子供、成長期の増殖の盛んな細胞に対しては放射線障害は
非常な危険を持ちます。さらに大人においても増殖の盛んな細胞、髪の毛、
貧血、腸管臓器、これらは細胞分裂が盛んなところで、これらに放射線を
あたえるのが放射線のイロハにあたります。
実際にはひとつの遺伝子の変異では癌は起こりません。
最初の放射線のヒットの起こった後に、もう一個の別の要因で癌の変異が
起こるということ、これはドライバーミューテーションとかパッセンジャー
ミューテーションとか細かいことになりますが、それは資料を見て頂きますが、
一番有名なのはアルファ線です。
プルトニウムを飲んでも大丈夫という東大教授がいるというのを聞いて
私はびっくりしましたが、アルファ線はもっとも危険な物質です。それは
トロトラスト肝障害ということで私ども肝臓医はすごくよく知っております。
要するに内部被爆というのは先ほどから一般的に何ミリシーベルトという形で
言われていますが、そういうものは全く意味がありません
I131は甲状腺に集まります。トロトラストは肝臓に集まります。セシウムは
尿管、膀胱に集まります。これらの集積点を見なければ、全身をいくら
ホールボディスキャンをしても意味がありません。
トロトラストとは造影剤で、1890年からドイツで持ちいられ、1930年頃から
20から30年経つと、肝臓癌を25〜30%発症することがわかっています。
なぜ20年経つかといえば、アルファ線が近隣の細胞を障害します。そのとき、
そのときに一番やられるのがp-53という遺伝子です。
我々はゲノムで人の遺伝子を解析していますが、ひとりの人間と別の人間は
だいたい300万カ所違います。
ですから人間を同じものとして処理するのは今日ではまったく意味がありません。
放射線の内部障害を見るときでも、どの遺伝子がやられ、どういう変化が
起こっているかを見るのが原則です。トロトラストの場合は最初にP-53
の遺伝子がやられて、第二、第三の障害が起きるのに20〜30年かかります。
それが肝臓がんや白血病を発症する。
ヨウ素131、ヨウ素は甲状腺に集積しますが、成長期の甲状腺形成期が最も
特徴的であり、小児に起こります。
しかしながら1991年に、ウクライナの学者が甲状腺がんが多発していると
いうときに、日本やアメリカの学者はこれは因果関係がわからいと投稿しました。
なぜか? 1986年以降のデータがないから、統計学的に有意ではないからです。
しかし統計学的に有意とわかったのは、20年後です。
疫学的な証明はむつかしい。
ですから今我々に求められている「子供を守る」という観点からは、
まったく違った方法が求められます。
そこで今国立のバイオアッセイ研究センターでは、化学変化の変化を見る
研究をしており、そこで福島先生がチェルノブイリの尿路系にあつまる物質の
研究をしております。そこで500例以上のデータから、
前立腺肥大のときに手術をしますと、それを分析するとP53の変異が非常に
増えていて、増殖性の前がんや上皮内の癌が増えています。
これに愕然としまして、福島の母親の母乳から2〜3ベクテル、7名ですでに
検出されているということです。
アイソトープ総合センターでは4人ずつ派遣しまして、南相馬市の除染に
協力しております。
20kmとか30kmというのは全然意味がなくて、幼稚園ごとに汚染状況は
異なります。現在1700名の子供達がバスをたてて幼稚園に行っていますが、
南相馬の海がわ、学校の7割は汚染が比較的低いです。ところが30km以遠の
飯館村の学校へスクールバスで毎日100万円かけて行っています。
このような事態は一刻も早く止めさせてください。
今一番の障害になっているのは、強制避難でないと補償しないということ、
これは分けてください。
補償問題と線引きの問題と子供の問題はただちに分けてください。
子供を守るために全力を尽くすことをぜひお願いします。
緊急避難的除染と、恒久的除染をはっきり分けて考えて頂きたい。
緊急避難的除染を我々もかなりやっています。
たとえば滑り台の下はちっちゃい子が手をつくところですが、
滑り台に雨水がざーっと流れてきますと、毎回濃縮します。右側と左側と
ずれがあって偏っていると、10マイクロ以上の線量が出てきていて、
こういうところは緊急にやらないといけません。
それから苔が生えているような雨樋の下、これも実際に子供が手をついて
いるところですが、高圧洗浄器で苔をはらうと2マイクロシーベルトが
0.5マイクロシーベルトまでなります。
だけれども0.5マイクロシーベルト以下にするのは非常にむつかしいです。
それは建物全て、樹木全て、地域全てが汚染されていると、空間線量として、
一カ所だけを除染しても空間を除染するのは非常にむつかしいです。
ですから除染をやるときにどれくらいのコストがかかるのか、
イタイイタイ病のカドミウム汚染地域、だいたい3,000ヘクタール、その半分、
1,500ヘクタールにこれまで8,000億円投入されています。
福島原発ではどれほどの国費の投入になるのか?
ですから私は4つのことを提案します。
1)食品、土壌、水を日本のもっている半導体のイメージ化、最新鋭の機器を
投入して抜本的に改善してください。
2)緊急に子供の被爆を減少させるため、新しい法律を制定してください。
わたしの今やっていることは、すべて法律違反です。各施設で扱える核種や
放射線量は限定されています。多くの施設はセシウムの使用許可も得ていません。
クルマで運搬もできません。
しかしながら、お母さんや先生たちに高線量のものを渡すことはできませんから、
今は汚染されたものをドラム缶に詰めて東京にもってかえっています。
このような状況を放置しているのは国会の怠慢です。
3)土壌汚染を除染する技術を民間の力を結集する。
東レ、栗田や放射線除去メーカーのアトックス、竹中工務店などノウハウを
持っている会社はたくさんあります。現地にただちにに除染研究センターを
つくってください。何十兆円という国費がかるのを、このままでは利権の
公共事業になりかねない。とても危惧しています。
国の財政事情を考えるとそんな余裕は一瞬もありません。
7万人の人が自宅を離れて彷徨っているときに、
国会はいったい何をやっているのですか!

激高して4つのうちひとつを忘れたのかと思ったが、4つ目は「国会はいったい何をやっているのですか!」だったのだろう。先生、ありがとう。

【逆システム学に学ぼう】
金子さんとの共著『逆システム学』をもう一度ひもとくと、生命体や市場経済の本質に迫る方法という序章がある。従来現象の本質に迫るやりかたは2つある。

要素還元論:本質的な要素を抽出し、個別の要素から理論を組み立てていく。
全体論:個々の要素を規定する本質的な構造を規定し、理論を組み立てていく。

この2つに対して、逆システム学は、起きている問題の全体はわからなくても、部分的にわかっていることを元に、政策や治療が含みうる問題点を予測しようという試みである。つまり南相馬の幼稚園や小学校で起きていることや、未来に起きうることが、今すべてわからなくても、測定と除染から想定できることをやるべき。やっていくうちに「個と全体を結ぶ中間領域」にあるフィードバック機能が働いて、制御する仕組みが見えてくる

何もやらない国会には、政権ポストへの固執という逆フィードバックが働いている。制御の仕組みは迷走一方ですね。

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