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2011年8月13日 (土)

常磐貴子が好きになった。

常磐貴子。美人だし、笑顔が綺麗。でもそんな女優ならいくらでもいる。



1972年生まれだから、もう39歳くらい。若い人には「旬が過ぎた女優」「昔のトレンディ女優」という印象かも知れない。実はぼくもそんな印象を持っていたのだが、どらくのインタビューを読んで見直した。好きになった。ぼくの惚れたところ=自然体をテーマにちらりと書いておく。

常磐貴子と言えば95年のドラマ『愛していると言ってくれ』。こんなタイトル、よく付けましたね。恥ずかしくてリフレインできん。聴覚障害者の画家(豊川悦司)と女優の卵(常磐)が、障害を乗り越えながら愛し合う物語。りんごが思い出されます。尻上がりに視聴率が上がったドラマだった。北川悦吏子氏脚本の『ビューティフルライフ』は、美容師(キムタク)と車いす生活を送る図書館司書の女性(常磐)の恋愛。30%を超えるお化けドラマだった。2000年放映、もう10年前なんですね。

「ほとんど記憶がないくらい忙しかった。ただ、すごく恵まれていて、一つの仕事が終わると事務所が最低3日は休みをくれたんです。その3日なり5日なりの間に海外へ行きました。とにかく飛行機に乗って「離陸する」ことが大切でした」引用元=どらくひとインタビュー

離陸とは、それまで演じていた役に「バイバイ!」するため。海外から帰る時まっさらな自分になって、新しい役に着陸する。その繰り返しに「追われていた」。まさに時代=トレンディを地で演じていたようなものだ。



そんな「追われて役作り」をしていた彼女の転換点は映画『モンスター』のシャーリーズ・セロンだという。9人を殺したアイリーン・ウォーノス殺人犯を演じてアカデミー賞主演女優賞を受賞。殺人鬼という“怪物”になるため、10数キロ太り長時間メイクをガマンし、徹底的な役作りをした。関心空間からの画像はアイリーン本人→映画の役→普段の美人のセロン。この映画を奨められて観たのは04年くらいだろう。ちょうどトレンディドラマ時代の終わり。美人だけの常磐から脱皮して役づくりを楽しもうと転換した。

今 回の岡本俊子さん役も関連図書が数多く出版されているので、片っ端から読んだり、ネットで調べたり、生前の彼女を知る人に会いに行ったりしました。そう やってリサーチしながらどんな人物なんだろうと考え、自分の中で像を形づくっていく妄想の時間が、実は今一番楽しいんです。引用元=同

美人女優の彼女が、それほど役作りに没頭する人とはね。以前国会図書館で渡瀬恒彦さんと擦れ違ったが、役作りをする人は図書館に行くのだ。なお岡本俊子とは ドラマ『TAROの塔』での岡本太郎の養女であり秘書であり妻のような存在。ぼくは観ていないけれどむつかしい役のような感じがした。

私、「年相応」っていう感覚が大好きで、年を重ねながら変わっていく自分がすごく楽しみなんです。例えば、自然の流れで近い将来、老眼鏡をかけることになると思うのですが、それも待ち遠しい。今まで見えていたものが見えなくなるって、実はステキなことだとも思うんです。引用元=同

ふと思う。バブルからトレンディドラマ全盛の頃、世間全体に「若いこと」だけが価値がある雰囲気があった。だからみんな若作りにいそしんでいた。服も髪も化粧も喋り方も買い物も、恋も愛も別れも若作りがよかった。老眼鏡なんてとんでもなかった。

それから10余年、ボケたことを自然に言えるのが大人の余裕、人間の大きさと彼女は語る。確かに世間にも余裕がでてきた。だがぼくらはまだ不自然になりがちだ。

みんな生きる中で役作りをしている。会社では部長や課長を演じ、平社員や先輩社員を演じる。「年に似合わない」とか「もう年なのだからこれこれは当たり前」だとか背伸びをする。「四〇代にやっておくべきこと」なんて本を読んでますます焦る。そうこうして自然体を無くす。年齢に追い越されて幼いままとか、年齢を追い越してイヤミに老人ぽくなる。演じる自分が自分なのか、自分でないのかわからなくなる。ああヤダ。

焦るくらいなら、年相応にナチュラルに役作りを楽しみたい。未成熟なぼくなりの五十歳でいい。年を取ってヌケてきた自分をかわいがろう。「こんなこともでき ないの?」とcherryさんに言われてアハハと笑っちゃおう。おっともうすぐひとつ年とってしまう。受けいれよう、受けいれよう。自然体で。

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