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2011年8月18日 (木)

児玉龍彦・東大教授の言葉をもっと理解したい。

ダイヤモンドオンラインの記事『児玉龍彦・東大教授に聞く 国土への思いが、子どもと妊婦を守る思想の原点』は注目である。児玉教授の心からの叫びに感じて、ぼくは2週間半ほど前、『H23.7.27 衆院厚労委員会 児玉龍彦参考人の心の叫び』というブログを書いた。youtubeで話題になった動画である。



記事はこの動画の反響や、政府の対応、低線量被曝の危険性、システム科学、そして児玉氏の原点についてコンパクトにまとめていて秀逸。ただ教授の言葉は深い意味をたたえている点があって、それをどこまで読者がつかめるかには疑問がある。そこで僭越ながら、ぼくなりに教授の言葉を引用しつつ、コメントと付け加えてみたい。

<法を犯してでも必要に駆られて作業をした>
動画を観ての世間のコメントは、およそ3つに集約されたという。1)原発や内部被爆について東大は啓蒙不足である、2)科学者なんだから冷静になれ、3)汚染物を移動させる法律違反を奨励するな。以上3点、どれも的外れ。論外もはなはだしい。

1)啓蒙は原子力保安院や国民生活センター等がすべき仕事であり、2)冷静をかなぐり捨てて、あえて叫んだから話題になったのだし、3)無論奨励していないし、せざるをえないからやっただけだ。

大衆とは実にメッセージを正確に受けとめない。これにはぼくも失望した。

<我々が所有している土地や家も“借り物”に過ぎません>
私たちは土地を所有したら、そこで何でもできるのだろうか?それは借り物に過ぎない。妊婦や子供にやさしくない土地にそれを変えてしまう権利が、誰にあるのだろうか?

ウツクシマを汚染地にした我々の罪深さこれから数世代に渡る代償。借り物を傷つけて返せない状況にしてしまった。どうやって償えばいいのか?これが教授の叫びの根本にある。

<我々の世代の科学者はとてつもなく重い責任を負ったと思っています>
結局科学は何のためにするのか?未来の力になるためではないのか?

だが地震予知はほとんど力にならないことが明らかになった。土木科学も自然の威力の前に多くが無力だった。原子力とは人類の未来のための科学なのだろうか?これも重い十字架である。

<複雑な生命や社会をみるとき、本質を理解すれば「予測」もできる>
ここがキモだ。教授のコメントを引用しよう。

画像引用元

複 雑な生命や複雑な社会を見るときは、問題点の表面的な属性を見るだけでなく、本質を動かすメカニズムを理解するのが大事です。人は頭で属性から考えがちで す。だから放射能汚染を考えるとき、本質の総量の問題(膨大な放出)か、属性の濃度の問題か、という議論も起こるわけですが、本質から捉えなければいけな い。引用元=ダイヤモンドオンライン

まず彼の立ち位置は「要素還元論(複雑な事象も個別の一部を理解して、全体を理解したことにする)」ではなく、「全体論(本質構造を規定し、理論を組み立てる)」でもない。むしろ「起きている問題の全体はわからなくても、部分的にわかっていることを元に、政策や治療が含みうる問題点を予測しよう」である。それを“逆システム学”と呼んでいる。

たとえば、福島原発地域の放射線量濃度を部分的に測っても、問題が何なのか見えてこない。各地で測定をしながら総量を想定して、土地や大気、人体にどう影響があるのかを探り続けることが大切だ。

もうひとつ要素還元のまずい例を挙げよう。あの「仕分け」だ。あの乱暴な予算カットは属性(相対的に大か小か)を見るだけでやっていた。総額は減った=よかったという面は確かにある。だが予算のメリハリは、国の将来のメカニズムを想定して実施されただろうか?ノーである。

<「科学者は属性でなく本質を議論しなさい」ということに尽きます>
20年後、30年後、50年後を議論する、それが本来の科学であると教授は語る。

ふと思う。次に誰が首相になるのか知らないが、本質から人選して欲しい。今の子供や妊婦の20年後の健康をどう守るか、30年後のエネルギー政策をどうするか、50年後の国土の姿をどう描くか。政治家こそ属性ではなく本質で議論するべきだ。でもそんな人、いるんでしょうか?

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