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2011年9月 1日 (木)

スティーブ・ジョブスからの手紙への“返信”

今日はビジネスメディア誠で連載する“うふふ”マーケティングへのリードと、Appleに関しての四方山話です。

郷好文の“うふふ”マーケティング:スティーブ・ジョブスからの手紙への“返信”を考えてみた
8月24日に電撃的に発表された、Appleのスティーブ・ジョブスCEOの辞任。それに伝えた「スティーブ・ジョブスからの手紙」に、Apple製品のヘビーユーザーでもある筆者が返信してみた。続きはこちら

今 回のうふふマーケティングは“ジョブスの手紙への返信”である。あのジョブスの手紙には世界中の人がさまざまな感慨を抱いた。「優れた製品に感謝してい る」「もうAppleの魔力は消える」あるいは「来るべき日がやってきた」さらに「ホント瘦せてたよね」と。ぼくはさらにひと言添えたかった。それはコラ ムの最後に書いた。

Macを知る業界人はこぞって黎明期の製品の苦労話やAppleの戦略について書いている。でもぼくはMacのオタクではなく比較的最近からのファンだし、機能やスペックではなく「ユーザーと製品の真ん中にあること」から書くのがポリシーなので、普通に「ありがとう」と言いたかった。たぶんそうしたい人はたくさんいると思う。

参照したインタビューリストは次の通り。

1985 Playboy interview

1994 The Rolling Stone Interview

1996 Wired Interview

2003 The Rolling Stone Interview

2005 スタンフォード大学での卒業式スピーチ

2010 D8 interview

手紙コラムでこぼれたことを幾つか。

Well, life is always a little more complicated than it appears to be.(目に見えるよりも生きることはもう少し複雑だ)

これは94年インタビューで言った言葉。Appleを追われたことを言っているのだろう。この頃、Appleの業績も製品もボトムの時期だった。それを観ていた彼は「自分ならこうやる」というシナリオを描いていたのではないだろうか。

コラムでも触れた『Newton MessagePad』は扱えなかった。ぼくのNewton(94年製)を今改めていじると(電源が入った!)、“目に見えるより使うことはかなり複雑だ”と言いたい。これじゃあ売れない。



Creativity is just connecting things. When you ask creative people how they did something, they feel a little guilty because they didn't really do it, they just saw something. (クリエイティビティとはつなぐことさ。クリエイティブに携わる人に“それどうやった?”と訊くと、彼らは申し訳なさそうにうつむく。なぜなら創ったわけ じゃなくて観たことをつないだけだから)

これは96年のインタビュー。ジョブスの功績の核心にあるのは、ぎりぎりまでそぎ落 すミニマリズム。FD、シリアル、パラレル、CD-ROMを取り、マウスボタンやパッドボタンだってひとつきりだ。コテコテテンコ盛りに機能アピールで売 るPC製品の真逆を行く。一方でデザイン上の左右対称美を貫くため、「ムダなネジ」を付けたのも有名。彼の頭にあったのは「製品は作品」だったのだろう。

the goal is not to be the richest man in the cemetery. It's not my goal anyway.(ゴールは墓場で一番の金持ちになることじゃない。それは私のゴールじゃない)

94年にそう言う彼は、お金への執着はそれほどでもなさそうだ。97年から今年まで年間1ドルで働いたのは有名だが、Appleの普通株550万株(現在1,600億円超の価値)を持つわけだから、頓着しないのはあたりまえか。

でも働いても働かなくても、何十億も退職金をもらってアバヨする米国の大企業CEOとはちがう。雇われ経営者が給与をもらうのはおかしいのだ。優れた製品を創りブランドを構築し業績をアップさせるのが目標だから、株式付与のみが妥当。彼の年俸1ドルをそういう理解をする人は少なかった。

our market share is actually greater than BMW's -- greater than Mercedes -- in the car industry.(我々のマーケットシェアは自動車業界のBMWより、メルセデスよりも大きい)

03年彼が強がってこう発言するように、Appleのシェア=5%は長年の壁だった。今、それはパソコンで10%になり、携帯では30%となり、タブレットでは90%を超える。大衆市場がようやく何が快適かわかってきたのだと思う。

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