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2011年9月 9日 (金)

デザイナー奥山清行さんの講演から教わったこと。

デザイナー奥山清行による「ムーンショット」デザイン幸福論』が素晴しかった。ぼくは通勤電車中、藤村 厚夫さんのツィートで知って、車内美人観察を中断し一気読みした。みんなが素晴しいと書いていて、まさに屋上屋を重ねるようで若干気が引けるけれど、ぼくの感動ポイントも書いておきたい。



モダンなクラシックカー『k.o 8』、後方からのビューは彫刻のよう。ピニンファリーナでフェラーリをデザインした男の、彫刻のように絞り込み、絞り込んでゆく話だった。ニコ動も講演資料配布も無しという長時間の講演、Giagazinはよくまとめてくれました。ありがとう。

【個人力の日本、団体力のイタリア】

日 本人ほど哲学とか倫理観とか教育レベルとかそういったことの個人の力が高い国というのは、僕は今まで経験したことがなかったのです。ところが、そういう人 たちを5人以上集めると、幼稚園みたいなもんでまるでまとまらない。イタリアの方がよっぽどまとまる、(中略)ひょっとして日本って団体力ないんじゃない の?

確かにまとまらない。モゾモゾしている人ばかりで、しかも会議で決めたことはたいてい実行さ れない。会議で(勇気を出して)発言すると、終わった後で「オレもそう思っていた」と言われたこともある。奥山さんが言うように議論の仕方が悪い(何を論 じるかより、誰が言ったかが重視される)のはある。だけどぼくは日本人の多くが「軸がない」のだと思う。自分軸がないから言えない。様子を観て、空気を読む。肚の探り合いってわけ。結局読解力の優れた人ばかりになるんだと思う。

【相手にあげたもの>自分が与えたもの】

若 い人が特に勘違いしているのは、自分は会社とか仕事から得るものだけ得て、一番得た時点で次のステップに移っていくのがキャリアアップである、と。実はこ れ大きい間違いでして、自分が与えたものと相手からいただいたものの中で、相手にあげた方の大きい場合に、次の仕事につながります。

これにも膝を打った。仕事が続かないのは相手が「盗られた」と思うからなんでしょう。これは経験があります(汗)。転職が上手く行かないのは「コイツは取るだけだな」と思われるから。世の中はGive and Given。与えて与えて与えられる。与えられない場合は、まだ与えたものがたいしたものぢゃないのだ。肝に銘じて。

【日本はつまらない、男はつまらない】

自動車に例えれば、日本の自動車の悲劇というものは、実はその正反対のコモディティ商品だという点にあります。要するに安くて生活の必需品ですね。

今の日本はつまらないクルマをたくさん生み出している。生産プロセスやコスト優先の埋没デザイン、白やグレーのブナンな色、見えないところの手抜き。「正確、丈夫、狂いがない、傷がない…」といった、品質は大事だ。だが根本的にはつまらない。「情感がある、なでてみたい、走らせてみたい」こういうクルマが日本車に幾つあるだろうか?日本のクルマの根本的な競争力(利益率)が低下したのは、奥山さんが言うようにつまらないからだ。

マーケティングの9割は女のことである。これはぼくの口癖だけど、日本人の男がつまらないからつまらない商品が増えてきた。

女は自分を磨くことに幸せを感じる。これは幸せを探る本質論だ。一方男は自分を磨かせるモノやコトに幸せを感じる。これは幸せとは何かを堂々巡りで考えるプロセス論である。だから男はつまらない。

【真の品質】

全部機械でできてる、エレキが入ってない時計っていうのは、今土の中に埋めて100年後に掘り起こしたならば、ちゃんと動くんです。こっちの(水晶)時計は実は100年使おうと思っても、電池の形式が変わるし、中の半導体がもたないし、実は4年しかもたないです。

一 方100年で2秒しか狂わないとうたうクオーツ時計は4年しかもたない。確かにかんたんに青カビが生えてくる材質と加工。大事に扱おうと思えない。そう考 えるとギリギリまで必要なものを絞って、職人芸が生きているスイスの機械式腕時計のようなモノばかりに囲まれたいと思った。

ものづくりニッポンの不調の原因は円高にあらず。真の意味の品質を置き去りにしてきたのではないだろうか。

【15分の準備のために何をするか】

も うサンドイッチ食べ飽きて、外に出てきているところを廊下でこの絵を見せて、そうしたら「なんだおまえらできてんじゃねえか」って。「やりなさいよこれ、 来週の水曜ね、見に来るから、車モデル作って仕上げといてね」って、ヘリコプターでバーバーバーって帰って行って(後略)


奥山さんの15分のスケッチ=引用元Gigazine

フェラーリ会長が限定生産車『エンツォフェラーリ』にゴーサインを出すくだりは圧巻。ダメ出しをされたあと、たったの15分で仕上げたスケッチのウラには、何百枚ものスケッチがあったはずだ。その違いを「いつ来るか分からない15分のために、常に準備をしているのがプロで、来ないかもしれないからと言って準備をしないのがアマチュア」と。

15分の準備ため、自分はどうしたらいいだろう?

毎 日書くこと。読者の価値と自分らしさが“ずっと上の方で釣り合う”ように毎日書くこと。たとえ認められなくても、かんたんにダメ出しも納得もしちゃだめ。 続けないと。ぼくも書き続けてきてようやく自分のテーマが「もがく」ことだと気づいた。前に向かってもがく人々を描く。もがく中から生まれるものを描く。

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