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2011年9月 8日 (木)

東電からのありがとうとTechCrunchへのありがとう。

今日はビジネスメディア誠で連載する“うふふマーケティング”へのリードと、TechCrunchの編集騒動についての感想です。

電力料金値上げの前に……「ありがとう」を伝えてほしい
火力発電を増やすことを理由に、電気料金の値上げ申請を検討しているという東京電力。しかし、その前に東京電力にはやるべきことがあるのではないか、と筆者は主張。同じく国策会社のJALの経営姿勢と比較する。

人 の噂も75日と言うけれど、東日本大震災の原発事故の話題は終わらない。まだ放射能漏れ事故への対処が終わったわけでもない。補償も始まったばかり。訴訟 もこれから。事故原発をどうするかだけでなく、日本の原発をどうするかまだ不透明。何を優先順位としていくかを示すリーダーシップが東電や政府にあれば、 あれやこれや、ここまで混迷しなかったでしょう。

何も終わらないうちにお金(補償)を暗算して、料金値上げで補填するなんてどうかしている。それに無言の国民もどうかしている。移住を迷う県民への「ごめんなさい」も伝わらないし、節電に協力した企業や市民への「ありがとう」はもっと伝わらない。

自 社で業務改革でも、ヘボなコンサルタントを雇っても、もちろん業務システムを導入しても、会社は滅多に良くならない。でも「お客様にありがとう」を本気で 伝えようとすれば会社は良くなる。ひとつの目標に向かって前向きになるからだ。それを導くのが真のリーダーシップである。そんなことを想いつつコラムを書 いた。

【TechCrunchの騒動で感じたこと】
さて先日来、気になっているのがTechCrunchの編集部の話。TechCrunchは米国の旬なスタートアップ企業やその商品・サービスを、しっかり核心をついて掲載する良質なウエブマガジンだ。ぼくは本国版日本版も読んでいる。



その創業者で編集長のMichael Arringtonが辞めた。理由は彼が、今の親会社であるAOLと共同でベンチャーファンドを発足させる。それに対してNew York Timesの記事では、取材対象先に投資をするのはいかがなものか?という疑念を提起した。いろんなメディアが同様に非難した。ところが親会社のAOLは、編集長を擁護するどころか、TechCrunchは独自の文化で動いていると言って、彼をクビにした。買収からほぼ1年後である。

ぼくはTechCrunchの複数のブログを読んでこう理解したが、足りないことがありそうだ。(編集権の独立TechCrunchが根本的に(悪い方向へ)変わるかもしれないわれわれの倫理基準に裏表はない)ぼくの想像だけど、なぜベンチャーファンドを設立したか?TechCrunchが儲からないからだろう。赤字かも知れない。そうでなければAOLの傘下には入らなかったはずだ。だからファンドを設立しても、編集ときちんと分離すれば問題はないと思う。Mike Arrington自身、別会社でエンジェル投資をずっとしてきたのだから。

ただ彼の辞任でTechCrunchがおかしくなるとしたら残念だ。結局マガジンとは編集長次第である。雑誌でもウエブマガジンでもその品質は編集長で保たれる。ピュアな姿勢、初心を守る力、懐の深さ。記者は「編集長のため」に良い記事を書こうともがくものだから。ぼくはたった2つの雑誌に連載しているきりですが、いつももがいている。

もうひとつ残念なのは、日本ではTechCrunchは存在しえないこと。出る杭を打つ日本社会、創業・起業はいろんな障害があってなかなかできない。米国のような創造的なスピリッツあるスタートアップが生まれにくい。だからそれを紹介するウエブマガジンも存在しえない。

振り返ればぼくは、2つの連載で小さなスタートアップ企業を多く取りあげてきた。大きな企業の記事でも、できるだけ開発者にフォーカスしてきた。このビジネスをやりたい、商品を創りたい、自分を表現したいという彼らの想いに「ありがとう」という言葉で報いるために。

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