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2011年10月 5日 (水)

訛るって心地いい

@Yumisansan: 訛るって心地いい
@Yoshifumi_Go: ふふっ、なんかわかる。
@Yumi: 自分になれる瞬間。標準語の方はどうなのかなあ?
@Go: 標準=どこにも属さない、って感じかな。
@Yumi:  都会に属してる!

カリフォルニアはサンディエゴにいらっしゃる女社長さんのツィートに瞬間反応した。訛りがあるって羨ましいと思った。温かい、仲間がいる、ふるさとがある。彼女はどこの出身?ーブログのタイトルには鹿児島と。それはウンダモシタン(知らなかった)。ぼくは東京サ。

東京にも方言はある。ぼくはよく「したる」って書いて変換されないのを「?」と思う。「ひたる=浸る」である。語尾に「」を付けるのも東京弁、「しちょうする」と何気に言うがそれは「主張する」である。しゅをし、じゅをじになまる。

ま、ナンチュテンても、東京方言=ほぼ標準語である。東京さイナカもんの集まりさ、みんな標準語ごっこさしちょるだけよ、と息がっても、東京人は言葉に冷た い面もある。流行語や新語を知らないだけで蔑まれる。いい年こいてコギャル語や大学生語、OL語の“サークル”には入れんし、入ろうと無理するとブザマだ し、そこまで言葉をおろそかにもしたくない。ナチュラルに東京語を喋りたい。

でも訛りは温かい。

関西弁は強烈な生活感がある。「はよしい」とか「んまい!」とか言ってみたい。名古屋弁は勇気をもらえる。君はきれいだなんて女性に言いにくいけど「おみゃ〜なぁ、めちゃんこきれいだがや」なら言えそう。博多弁はやさしい。「東京弁、どげんもこげんもないっちょ」それなら「何でんかんでん、捨てんしゃい」みたいにね。

しゃねっちゃ」もいい語感がある。


宮城県南三陸町の仮設住宅でお年寄りが作っているエプロンやはんてん。被災者支援団体「TEN」が「津波で家を流されたのは『しゃねっちゃ』と、前向きに明るく生きていることに感動し、ブランド名にしたいと思った」そうだ(引用元)。そうだよね、しゃねっちゃ。

あるきっかけで最近、森敦の『月山・鳥海山』を再読した。二十歳くらいの頃読んだときには気づかなかったが、これは方言小説だ。山形庄内平野の破れ寺にこもる男は、標準語を喋る。

「素晴しい紅葉でしたね。紅葉がこんなものとは、夢にも思っていませんでしたよ」

すると寺のじさまはこう応える。

「まンず、あげだ紅葉はおらほうさいても、めったに見られねえもんだ。ときには紅葉もせずに、枯れ凋んで終わることもあっさけの」

     
引用元

都会から来た男と村人との奇妙な交流は、両者が語る言葉の違いで微妙な揺れがある。風雪の中に埋もれては現れる幽玄の美がある。方言で、山奥の部落の秘密性が深まり、迫力が増している。標準語だけではこんな雰囲気は絶対に出ない。ふたつの言葉を対比させたところに、森敦の文の達人ぶりが見える

訛りは言葉の武器でもある。標準語しか知らないぼくにはハンディキャップだ。

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