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2011年10月24日 (月)

ストーンズフェチを告白すること

今日は朝から「転がり」だしていた。

電車を降りてiPhoneをいじると、盟友林田浩一さんがFacebookにコメントしていた。

インプットいくつかしつつ、手の中でアイデアを転がす、そんな感じにしたいところ。

ぼくは呼応してこう書き込んだ。

ぼくの場合はローリング・ストーンズを聴きながら「転がす」って感じだ。

それで『Shine a Light』から“She was hot”を耳にゴキゲンに転がせて、仕事場のギャラリーに入った。

ただいまエプロンマルシェのイベント中。掃除もお茶の準備も終わってBGMをかけよう。するとタイやラオスのリネンを販売する“Dukri(ずーくり)”の佐々木さんがやってきた。ぼくは言った。「ずっと村治佳織のギターでいい加減飽きたでしょう」。それで『Back to Black』by エイミー・ワインハウスをかけた。

1曲目『Rehav』が滑り出して0.75秒後に佐々木さんは「エイミーね」と言った。「ご存知ですね」「大好きなの」「そうですか、ぼくもです」

何かあるな、と思いつつもそれまで。お互い遅いお昼のあと、時間があったので佐々木さんと話した。ぼくらがなぜこんな仕事をしているか、彼女はどんな仕事をしてきたか、話してるうちに接点がぴぴぴとあった。そのあと音楽の話になって彼女は言った。

エイミーもいいけど、あたしストーンズなの
ぼくは一瞬耳を疑った。ストーンズ…?!…
数秒後、ぼくは絞りだすように言った。
「ひょっとしてフェチですか?」
あたしの神様はキース・リチャーズよ。彼の家まで突き止めたんですから(笑)

 
ギャラリーの壁に貼ってあるポスター

「ぼ、ぼくも…フェチなんです」「そうなんですか!」

そう告白しあった後は速かった。滞米歴が長い彼女はキースをおっかけ、何度もコンサートに行き、さらに日本公演にもわざわざ休暇をとって帰国したそうだ。お返しにぼくは、LA郊外のローズボウルでダフ屋から根切りきれずにチケットを買ったのを告白した。

ス トーンズフェチは社会でひっそりと生きている。なにしろ「ストーンズ」とはいまだに実社会にはアウトローで、禁じられた呪文なのだ。ぼくは「フェチなん だ」と告白した後で、相手がぼくをなぐさめるように口を歪めたり、眉をひそめるのを何度も見てきた。フェチを告白するのは、完治しない難病患いを告白する のと同じくらい勇気がいる。

実は同じフロアの会社、mamasクリエイターズにも下村さんというフェチがいる。彼女との「フェチとの遭遇」も劇的だった。2ヶ月ほど前の暑い日、ぼくは95年の“Voodoo Lounge Tour”のTシャツを着ていた。黒字に黄色の派手なやつだ。そこで下村さんとすれちがった。彼女はおかしいぞ?というように振り向いて、ぼくを指差した。

そ、それは…」驚きのあまり言葉にならない。「ひょ、ひょっとして…ストーンズフェチですか?

ストーンズ・フェティシズムな遭遇があると、フェチたちは驚愕すると同時に、同胞心が燃え上がる。「君もか」「そうだよ」「わたしもなの」告白後、49年間にわたってローリングし続けるグループの歴史語りごっこになる。



サム・ガールズ・ライヴ・イン・テキサス'78』(DVD/ブルーレイ/CD)は期待できる。76年と81年のコンサートまでの空白を埋めるからだ。もちろんブートレグは聴いたことはあるけれど音質の良いものに出会っていない。ついでにこの映像の映画上映もある。ちなみに他のことは忘れん坊のぼくだが、ストーンズのコンサートの年だけはスラスラと出てくる。

来年は節目のグループ結成50周年。半世紀も転がるなんて痺れるやつらだ。オリンピックでのコンサートも予定されるしアルバムも出るのだろう。今、世界規模で蠢めいている“転がりの潮流”なのだ。“No Spare Parts”が追加される『Some Girls<Deluxe>』も発売される。

ストーンズフェチには、ストーンズ以外にスペアパーツがないのだ。

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