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2012年2月22日 (水)

さくら色のLEDで、さまざまの事思いめぐらす

春眠を すっきり覚ます さくら色LED(アルファベット字余り ^^;)……という『さくら色LED照明』がシャープから3月中旬より発売される

“さくら色”のあかりが寒色や暖色に比べ、「癒し」と「安眠サポート」について効果があることが実証されました。おやすみ前に約1時間“さくら色”のあかりを浴びることで、気持ちが癒され、寝つきや目覚めが良くなるといった効果があります。引用元=シャープリリース

大阪市立大学の梶本教授によれば、桜色の照明は従来照明に比べて ①気持ちが癒される ②快適感が高い ③寝つきが早い ④よく眠れる ⑤目覚めが良い という実験結果も。

寝付きだけは寒色の方が成績がいいが、癒しも快適度も深い睡眠も目覚めも、さくら色が良いという結果。しかも眠りが良くなるだけでなく「幸せを感じる」「場 が和む」「会話が弾む」という効果もある。その色をシャープでは「八重桜」「淡い染井吉野」の2種類で表現し、寒色・暖色・桜色の3つの照明をもたせる。 タイプは部屋サイズごとに3つある(いずれもシーリングタイプ)。くわしくはこちら

さて、この照明を体験したことないけれど、桜色の快適さは想像できる。ぼくだけじゃないだろう。それは「日本人と桜」の長くて深い関係ゆえだ。そのワケを文学的に解いてみよい。

【桜には死の匂いがする】
さまざまの 事おもひ出す 桜哉 (松尾芭蕉)

桜をめぐる日本人の思いかたが凝縮される。さまざまなこととは、喜び、楽しさ、つらさ、哀しみ、儚さ……など。寒い冬が過ぎ春に入る。つらかったことも一緒に押し寄せる。手放しでエンジョイできない。

世の中に絶えて桜のなかりせば、春の心はのどけからまし(在原業平)

もしも世に桜がなかったら、春はのどかなものだろうに、と歌う業平。いろいろな感傷を抱いて桜を見入った情景が思い浮かばれる。日本人が桜を観て「さまざま」思い「のどかではない」のはなぜだろうか?

敷島の大和心を人問はば 朝日に匂ふ山桜花 (本居宣長)

そのわけは江戸の国学者本居宣長が言ったように「もののあはれ」だろう。美しい桜はわずか数日で散り始める。その散る姿の儚さ、潔さに安らぐのが我々というのだろう。

散る桜 残る桜も 散る桜 (良寛)

誰にもひとしく死はやってくると良寛は歌った。我々は桜色の制服の看護師さんにやすらぐし、母の胎内もピンク色だという。どうも桜の安らぎには死が関わっているように思えてならない。

【安らかな眠りへ……】
それは夜桜の愉しみ、恐ろしさを慈しむ姿勢にも通じる。黒い闇に幽玄に光る桜の花びらと枝。闇(死)とつかの間の生(桜)のボーダーで酔う。なぜって酔って紛らわすしかないのだ、この儚さは。日本人の睡眠とは儚く安らかに沈んでゆく。

やふやふと散りゆく桜色のLED、素晴しい日本製品だ。外国人にどこまでこれがわかるだろうか?日本オリジナルを久々に感じた。

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