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2012年3月22日 (木)

ありがとう、万惣

今日はビジネスメディア誠で連載する“うふふマーケティング”へのリードと、万惣フルーツパーラーをめぐる随想です。

郷好文の“うふふ”マーケティング:丸の内iiyo!!から見えてきた“東京ハシゴタウン”構想
3月2日にオープンした商業ゾーン「丸の内iiyo!!」では、店同士がコラボして、お客さんが利用しやすいようにしている。この仕組みを応用すれば、東京全体の活性化につながるマーケティングもできるのではないかと筆者は提案する。

今回のテーマを地でゆくように、今日は東京のある名所をハシゴしようと思っていた。ところが晴れ間が見えない(晴れないと意味がない)。午後が空いてしまった。ぶらぶらと仕事をしていると、cherryさんが「行かなきゃ!」というのだ。

「どこへ?」
「ホットケーキを食べに!」

老舗のフルーツパーラーで洋食店でもある万惣が、2012年3月24日をもって閉店。我が仕事場から徒歩4分ほどの万惣、昨夕も店頭を通ると人の群があり、メニューには「売り切れ」の文字。閉店になると惜しむ人でいっぱいになる。皮肉なもんだが、今日もきっと行列に違いない。

それでもということで2時過ぎに万惣へ。あらら…ビル内の内階段を上る上る上る…4Fへ!それも2本の行列なんですよ。

1本はM2Fのデザート、もう1本はお食事。どちらが早いか?cherryさん説ではもう2時過ぎだから食事が早いというが、念のため分かれて並んだ…遠いよホットケーキ!せっかく登ってきたのに途中下山する人もチラホラ。

なぜ万惣は閉店?と言えばあの地震が きっかけ。ビルは靖国通りと中央通りの角地にあり、どちらも「指定幹線道路」、緊急時に緊急輸送道路に指定された。そのためにはきちんとした耐震補強がい るのだが、いかんせんこのビルは古くて旧耐震基準で再建築が必要。そこまで現在は経営規模が小さくて閉店へ。1846年創業の店が166年で幕を閉じる。

災害対策は何よりも優先だけど、好立地ゆえに…は残念。この趣のあるビルの跡にはまたつまらないガラスビルが建つのだろう。神田から由緒がまたひとつ消える。

思い起せば万惣に来るのは2度目。cherryさんと一度ある。実はそれも、うふふマーケティングの記事のために、プリンアラモードを探しにやってきた。万惣ならあるはずだと。ところがその日に限ってプリンが売り切れ(笑)トホホ。画像のババロアで済ませたが、興趣ある店内、雰囲気をたっぷり楽しんだ。詳しくは吉岡編集者の『プリンアラモードはどこへいった?』をご参照ください。

ようやく2Fまで行列が減った。案内板を見ると8Fにはギャラリーがある。昔の経営者はアートを大切にしたものだ。ありがたい。

さてぼくはホットケーキにありついたか?答えはノー。4時にお客さまが来るのと、貸しスペースの管理で戻らなくてはならない。粘った末、3時50分でリタイア。あーあ。ぼくが仕事しちょる間、cherryさんは食べていた。ぼくは相棒にはやさしいのだ。で彼女の感想は?(次の2枚はcherryさんの撮影)


cherryさんの評価。「生地の食感が独特。糖分多めだからだと思うけど、底がかりっと、クッキー生地みたいに焼けていた(ホットケーキ)」。「中はバターライスで、マッシュルームをバターでよく炒めてあった(オムライス、まで食いやがった)」

「ホットケーキ65点、オムライス90点」だとか。ホットケーキは独特だが甘過ぎるという“辛め”の判定でした。

まあいい。老舗とは初めて食べた味、父や母の笑顔、注文でつむじを曲げた自分など…みんなが語れるメモリーを持っている。万惣の166年にもきっと何百万、何千万人のメモリーがある。みんなが何かを語り、書いて、万惣に捧げればいいじゃないか。ありがとう、と。

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