ジャック・ホワイトの新譜に見る音楽プロモーション
ブルース+ロック+ガレージ+パンク+カントリー…と掴みどころのない希有なミュージシャン、ジャック・ホワイト/Jack Whiteが初のソロアルバム『ブランダーバス/Blunderbuss』を発売。今日は彼の歌とプロモーションをテーマに。
彼のキャリアでアルバムが初ソロというのは、もちろんこれまでThe White Stripesなどのグループ名義でのアルバムだけだったからだ。発売に合わせてライブが行われ、これを書いている現在もストリーミング(WhiteVEVO's channel)を流している。天性のボーカル、神業ギター、変化に富むステージ構成にぶっとぶぜ。ぼくは2度も聴いちまった。
まずこのストリーミングがおもしろい。19曲40分の完全招待客のみのステージであるため、集中度が高い。そこにバックバンドが「男子組」と「女子組」の交代制なのだ。10曲くらいずつ担当して、ステージメンバーを総入れ替えというアイデア。どっちもテクニシャンぞろいだが、ぼくは女子組のドラムスとフィドルが気になったな。
ふたつ目におもしろいのが“ディスク”だ。「LP」である。ジャックはLPが好きでこのソロもビニール盤が発売された。
米国最大手のUnited Record Pressingでぱかぱか製作される。日本のamazonでは3,499円というCDの倍近い値段だが、彼のギターをLPで聴くのは楽しそうだ。彼は「ジャケット+ライナー+音源=アルバム」という立場を堅持している。だからこそなのか、シングルCDを「空に飛ばしちまった」。
引用元=RO69
1,000枚のシングルを1,000個の風船に付けて空に飛ばした。幸運にも拾った人はタダでシングルがもらえてよかったね。プロモーションのモヨウのビデオ。
さてこのプロモーションを気をつけてみてくれ。彼は「ライブ」「レコード」「インターネット・ストリーミング」と、過去半世紀の音楽のかたちをそろえて「ぼくの音楽を聴いてくれ」と宣言している。アルバムのタイトル通りなのだ。なにしろBlunderbussとは“らっぱ銃”のことだから。
彼のつかみどころのない音楽とは、実はアメリカの音楽の歴史そのものなのである。
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コメント
Jack the Whiteさま
ご指摘ありがとうございました!
書いた後、あれれ…ビニールだ(汗)と気づきました。レコードはいいですよね。改めて中古ビニールを買おうと思っている今日このごろです。
投稿: | 2012年5月 1日 (火) 23時23分
空に飛ばしたのはCDじゃないですよ。
投稿: Jack The White | 2012年4月29日 (日) 01時53分