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2012年5月 6日 (日)

『名文を書かない文章講座』から触発されて(2)

文章作法の書と言えば『文章読本』。 それは谷崎・川端・三島と相場が決まっている。川端康成の『新文章読本』はぼくの本棚にいるが、いたはずの谷崎潤一郎はゆくえ知らず、三島由紀夫は絢爛す ぎて割腹、いや割愛させてもらった。代わりに『ワインバーグの文章読本』なんて読むんだから、ぼくは文章学習の不良である。

ともかく偉大な諸先輩を差し置いて『名文を書かない文章講座』が光を放つのは、「鑑賞」により過ぎず「実践」が重点なところだ。著者村田喜代子さんが実際に講座で教えているからだろう。昨日の「書き写そう」に続いて、名文を書くために(いや書かないためにか)「今からしよう」「今から書こう」を挙げてゆこう。

【書く前にしておきたいこと】
歴史も子供も夜作られる。文はすべてはメモから生まれる。

メモができると、エッセイは半分書き上がったのも同然だ。これを面倒くさがると、後で泥沼に落ちる危険がある。電車は必ず行き先が決まっている。◯◯経由◯◯行き。メモはこれにあたる。(同書P26)

メモとは何だろう。村田さんは5つ挙げている。

1、出会った人間の顔。姿。話しぶりの観察
2、戸外の風景。出来事の観察
3、聞いた話の中で、印象的なものをメモにする
4、新聞、テレビ、本の中の心にとまったものをメモする
5、その日、思いついたこと、考えたことをメモする(258)

こういうことを自然にやらない人には文は書けない。観察、メモ、また観察。その繰り返しだ。どうやるかはその人次第だけど、ぼくはメモは手書きに限る(コクヨの野帳)。iPadも音声も試したがダメ。「書き写す」のはPCのテキストファイルが一番だ。この本も付箋を付けて何カ所も写した。

気になった本、新聞、ネット…手当たり次第パクっておく。画像はファイルの画面キャプチャだ。出典、URL、本なら頁数も入れよう。ぼくは「ファッション」「恋愛」「健康」「社長業」「スポーツ」「IT」「酒」とかフォルダーに整理している。ブログを書き出してから、記事の中に書き写しがまぎれてしまいがちなのが困る。ぼくの莫大なブログからも文言を抽出、整理をしたい。

【書くときにしておきたいこと】
本書の『実践編』には書く人に響く内容が詰まっている。「書く人」とは漫然と書く人ではない。上手くなりたいと切に願って書く人である。あなたがそうならこの本を買おう。だからここの引用はひかえて、ひとつだけ。

見えるものだけを書くのではなく、その奥にある見えないもの、言葉にし難いものを表現へと変換しなければならない。そのためには、まず書く前に、いつも周囲を見て思考する日常の生活習慣がいる。156

キョロキョロして思考する。「文章化とは、その思考の圧縮作業」(同)なのである。

【読書というインプット】
ピカソに「青の時代」「キュビズムの時代」など時代があったように、個人の読書にも時代がある。「濫読の時代」「速読の時代」「精読の時代」「休読の時代」…これはぼくの今までの読書ライフサイクル。今は長い休み中(笑)。一冊をしゃぶるように読むようにしている。でも「濫読の時代に入りたいぜ」と村田さんに誘いだされてしまった。

挙げていた著者では草野心平、橋本治、菊畑茂久馬らが気になった。読むぞう!

だが「読む時間に書く時間が取られてしまう」という悩みもある。そんな質問も寄せられていた。村田さんは「絵を観たら」「俳句を読んだら」と助言する。それらの表現芸術には言葉で表せない言葉が凝縮されているからだ。

万巻の書を読むより、情報収集をするより、感じること。それも日々。

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