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2012年5月24日 (木)

麻釜や吹雪打ち消す湯の煙

麻釜や吹雪打ち消す湯の煙 束松露香

麻釜=おがまとは“野沢温泉の台所” とも言われる、野沢温泉の泉源。90度の熱湯を毎分500ℓもわき出していて、村の人が山菜や野沢菜を茹でるのにもつかい、もちろん外湯も潤す(8カ 所)。その湯煙を真冬の雪を消すと歌ったのは明治から大正にかけての歌人である。画像は麻釜の湯をつかう外湯、十王堂の湯。けっこう熱かった。

温泉で汗をかきつつ、もっと野沢温泉のことを深く知らなきゃ、と思った。

というのも、秋から冬にここでアートコンテストの開催をもくろんでいる。縁があって『hutte(ひゅって)』というカフェ&ギャラリーも開いている。そこもどんどん活性化したい(親施設のアドレス野沢の原さんが、しっかりお守りをしてくれていた。うれしかった)

今日ぼくはその営業、相談、リサーチにやってきた。何人かの人に会ったが、長野市善光寺の近くでおもしろい建物をつくり、町おこしをする宮本圭さん(シーンデザイン一級建築士事務所)には感化された。

善 光寺を守る4つの神社のうちひとつで、24年に一度大きな絵馬を奉納する行事がある。江戸時代から続く行事が資金難で「やめよう」という声があがったと き、「そんなばかな」と宮本さんらが立ち上がって、絵馬を描く町おこしイベントをつくった。小さなお金をたくさん集めて、気鋭のクリエイターに描いても らって奉納した。神社、氏子、町民、祭り、アートなど幾つもの要素がからまっているのがおもしろい。とても参考になった。

宮本さんがリニューアル設計したビニール工場の建物もおもしろい。入るとカフェや古書店があり、ギャラリースペースと陶芸、木工作業場がある。奥や2Fにはオフィスもある。

市内で古い建物を壊すときくと駆けつけて、解体木材や棚板、床板などをもらいうけて、少しずつ自分たちでつくってきた。ふぞろいの木がむくむくと生き存えているのはうれしい。しかもか、だからか居心地がいい。古書店の選書が痺れるほど良いので1冊買った。場所は長野市東町207-1

土地と人が作ってきたもの、長い間かけて根付いたものを受け継ぐ。単に受け継ぐだけではなく、新しいモノや技術や考え方を付け加える。自然体でそれができる長野って、いいところだ。

一方東京は半世紀前から、過去を根こそぎさらって新しくする文化ができた。東京化とは地縁血縁も、建物やその歴史も、ものづくりの技も、容赦なく断ち切ってきた。東京化は他の都会だけでなく田舎へも広まった。

我々は走りすぎたと思う。少しバックターンがあってもいい。長い歴史を前向きに振り返るのもいいじゃないか。生活や仕事やプロジェクトに、土地や人の歴史をこめてゆくのもいいじゃないか。

この地を愛した故岡本太郎氏の『乙女像』(野沢温泉村役場に設置されている)。麻釜の熱さでアートを融合させてみたい。

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