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2012年6月28日 (木)

煙たい関係

駅の高架下の自転車駐輪場に猫がいた。二匹がじいーっと間合いをとっている。一匹がそろりと動いた。お、ファイトすんのか?

ちょっと戻って前輪を回りこんで、また近づいている。でも唸っていないし、Hしようってわけでもなさそう(^^)。ひょっとして兄弟か?

そう思ったのも、今日ひさしぶりに兄に会ったからだ。

「重大な要件だ」と言うので、某繁華街の某クソ高い喫茶店に呼び出されて仕方なく行った。会うのは半年ぶり以上前だ。話の中身は書くほどのことじゃないし、老いた親を持つ家ならどこでも直面する問題であるので、割愛。

なんというか煙たいのだ。

世 間一般の兄オトウト関係がどうなのか知らない。姉イモコがどんなのかも想像の範囲でしかない。苦手にしているワケじゃないが、どこか煙たい。煙たいところ は煙が上がるし、仲が良いところは視界クリアなのかしら。トシをとるにつれて、どことなく亡きオヤジ風を吹かしてきたのも煩わしい。結果、そろそろと寄っ てみる。それが兄である。

司馬遼太郎の名作『坂の上の雲』を思い出した。

日露戦争での陸海軍の殊勲者、秋山兄弟が主人公であ る。兄秋山好古と弟真之は、年が十ほども離れている。兄は弟を間引くのを止めさせて働きに出た。さらに四国から上京して学資を得て、弟も呼んだ。弟は追う ようにやってきた。真之は誰も恐れるような小心者ではない。だが日本人離れした長身で彫りの深い顔立ちの兄だけは、恐い。上京して恐る恐る食事をするシー ンが印象的。

秋山兄も弟も立志伝中の人物だから、偉くなった後年は「恐る恐る」はなくなったのだろうか?いやどんな立場になっても、幾つでも、その「力関係」は維持される。幼なじみと会えば「上下関係」が出てきてしまうように。

まあ気張ってもボロが出るし、自然体ならそこに「裸の自分」も見えてくる。ああこんなヤツだったんだ自分は、気張っているゾ、と原点回帰反省会もできる。だからそれはそれでいいような気がする。

なぜなら煙たさも力関係も、今日本から消えつつあるからだ。

戦後に家父長制が消え、一人っ子が増えて、親子ペアルックも平気になり、学校では友だちとケンカも減り、会社ではサンづけで呼び合い、師弟関係もなくなり、火も煙も失われつつあるのだ。だから煙たいことが時々あっても、いいとしますかね。

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