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2012年6月18日 (月)

良いインタビューには「読み」と「重なりあい」がある。

インタビューメモ、つまり質問項目をつくれれば、そのインタビューは終わったも同然だ。だからつくるまでが勝負である

インタビューはかんたんにすることも、むつかしくすることも、深くすることもできる。インタビューアー(する人)とインタビューイー(される人)の相性もあるけれど、基本的には項目次第。発言をうながす話力、聞き耳力もあるけれど、まずは準備だな。

項目にはパターンがある。「きっかけは?」「つらかったことは?」「何がブレイクスルーになった?」など。それは常道かつブナンかつマトは外さないのだが、ときにそれでは済まないことがある。

イーの活動や思いが、著書にしっかり書かれていたり、別のインタビューで世に知れ渡っているとしよう。直球の質問項目では、事実追認だけのインタビューになってしまう。といってあまりに変化球の質問項目では、イーを知らない読者には魅力が伝わらないし、知る読者にとっても「あの話がまったくない」のはどこか肩すかし

「ハテ…どうしたものか」と考えこんでしまう。何かほしい。何かないか。その人となりの「ポイント」というか「切り口」というか…探しまくる。

そんなとき思いだすのは90年の初来日のローリングストーンズ、ミック・ジャガーへのインタビューだ。いまだに心から剥がれない。

アーは五木寛之氏だった。彼がどのくらいミックやストーンズファンだったか知らない。だがミックが稀代の読書家で、政治にもくわしいというアンテナを張っていた。彼の第一質問はこうだった。

1967年にポーランドのワルシャワに行かれてますね

ミッ クの答えは「66年だと思うけど」だった。五木氏は社会派らしく当時のワルシャワ情勢、東西冷戦の幕開けと終わりの歴史と、ロックンロールやストーンズの 活動を重ねあわせた。ミックはいつになく滑らかだった。彼へのインタビューでこれほど読み応えのあるものは他にない。

つまりインタビューとは相手の関心の「読み」である。読みを得たとしよう。それだけでは十分ではない。相手と「重なりあい」がないとノってこない。タイミングよくアドバイスを平岡理枝さん(CNNリポーターもされたナレーター)からもらった。

インタビューってまずは自分をさらけ出さないことには相手の懐に中々、入り込めないところが、有りますもんね。難すいです(´Д` )

な るほど、そのとおりだ。90年のインタビューを再読すると五木氏は、自分のテリトリーと彼のテリトリーの重なりで対話をしている。五木氏「プラトンは音楽 は危険であると言っています」。するとミックは「なぜ?」と問い返す。「音楽は国家体制や法律を揺さぶるから」「その通りだ」とインタビューは対話になっている

自分の関心をベースに相手の懐にあらかじめ「読み」を入れた。その話題に関する見識をさらけだすことで「重なりあい」が生まれた。だからイーが乗ってきた。五木氏とちがって「あー…」という感じの「アー」であるぼくは、せめて「読み」を入れるしかない…。

実はちょうど明日、インタビューがある。ぼくなりに「読み」は入れている。次の動画がそれなのだが、さて当たっているかどうか…。

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