アート・デザイン

2008年7月 8日 (火)

和ブームの深層

 昨日のブログで、野帳に描いた和装の女性のスケッチを同朋Cherryさんに見せた。野帳の主は、自分の描いた記録を“愛でる”ものである。だからこの女性スケッチも、自分では悦に入っている。だから「うまいですね」といふワードを期待した。だが彼女はこう言った。

「大仏みたい(笑)」

 ちょっと凹んだ。いいんだ、でも。アウトローなスケッチや、非主流のマーケティング話を認めてくれて、毎日読んでくれている人も細々といるから。と拗ねてみたが、拗ねるのが今日のテーマではない。ヘタな和装女性スケッチにちなみ、テーマは“和の画像表現に透ける深層”である。

【hmm…なアドヴァイス150.和ブームの深層】
 まずは盟友ayanologにあった『幕末古写真ジェネレーター』がグット。

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 写真をアップロードしてください。なんでも幕末の古写真風にしてみます…

 てなことでやってみたのは、Cherryさん撮影の光明寺のきはら店長の写真。あの神谷町のお寺のオープンテラスです。あそこの和な雰囲気、都心なのにすっぽり落ち着く。その雰囲気、出ているだろうか?

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 現代から幕末へ、タ〜イムショック!(田宮二郎です・・・古いですね♪)

 「写真は、白黒にするとその力が分かる」とソニーの写真セミナーで坂口先生に言われた。確かにこのセピア化では、被写体がどれだけの年月に耐えうるのか、どれだけ和と接点があるのか、赤裸裸にはする。あんがい持ちそうだ。

【『江戸明治東京重ね地図』でタイムスリップ!】
江戸・明治・東京の3時代の地図を透かして見られる!
約150年の東京の変遷を、詳細に復元された江戸大地図を東京市街図と重ね
合わせて見ることができる『江戸明治東京重ね地図』。あなたの職場・学校・
住まいだった場所に誰が住んでいたのか、現代の観光名所や老舗・名店が
かつてどんなところだったのか…

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 この地図変遷の新宿の様変わりは凄い。柏木村からヨドバシ浄水場(カメラじゃないです)へ、そして副都心。明治でもかなり開けていたんだなというのが感想。あらためて東京という、風景の変わり身の早い都市の本質に触れた感じがした。

18 ソフトをどう扱えるのかわかりません。

 3つの時代の重ね合わせというコンセプトがいい。東京という街は建てては壊す習性がある。それがいつからなのか?江戸時代でもスクラップ&ビルドだったのか?そんなことは知りたい。

 ただサービス案内が不明瞭。地図サンプルに「雑司ヶ谷」というわたしの故郷もあるのでやってみようと思ってもわかりません。Japan Knowledgeに入会しないと使えないのか?

【スタートページを江戸時代にする(iGoogle)】
 わたしはiGoogleのスタートページを“Diane von Furstenberg”にしています。皆さんはいかがですか?iGoogleは自作もできるそうですが、見事な和柄をご紹介。

17_3

ん、これこれっ!スタートページが一気に江戸時代になりました。満足です…。
テキストがちょっと見辛いですがそういう小さい事はあまり気にしない方向で
いきたいと思います。
引用元

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この和柄ぐ〜です。これは某画像元から画像をもらって、自作したそうです。手間はかかるが自分オリジナルはいいなと。

 わたしもブログなぞ書き出すと、毎日何度もお世話になるのがgoogleです。そのテーマが自分の好きなものであるのは気持ちがいい。スタートベージ・テーマを和にすると、ああ、オレ/アタシは日本人だなぁと毎日想う。

【hmm…なアドバひス】
 和が好き!という人は炸裂して増えている。一般男子にはわからないだろうが、これは深いトレンドだ。20代、30代の若い女性層は、JEROのヒットに象徴されるごとく、和を“新鮮な価値”として捉えている。つまり異邦人ファッションなのである。たとえばアフリカン・ファッションがいいね、という感性と似ている。

 だが入口は「ジャパニーズ=レア=いいじゃん」でも、根はみんな日本人。「和柄っていいな」と想ひ、身に着けているウチに、だんだんハマってゆく。日本人に産まれたんだという感性がフツフツと呼び覚まされる。そこがアフリカン・ファッションが好き!という一過性とは違うのだ。

 和ブームは“タイムスリップ体験へ同化する”ものである。これはちと深い意味があり、一日のブログにはハマらないので、いずれビジネスメディア誠でとりあげます。今日は以上です。

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2008年7月 2日 (水)

深澤直人のSIWAブランド和紙

 (工業デザイナー)深澤直人フェチであり、和紙という素材に興味しんしんのわたしが、08年6月24日付けの日経『山梨県の和紙メーカー、株式会社大直(おおなお)が深澤氏と組んで「SIWA」(しわ)ブランドのかばんなど20製品を発売』という記事を見逃すはずがない。

 この素材の紙『ナオロン』と名付けられていて、大直に(深澤)直人にナオロン、これ冗談ですか?(笑)と思ったけれど、深澤の和紙製品が見たくてしかたなかった。 

0702_shiwa 紙の風呂敷。

【hmm…なアドバイス145.深澤直人のSIWAブランド和紙】
和紙というとどうしても工芸的な製品をイメージしがちですが、むしろイン
テリアや雑貨にあった一つの素材としてこれを捉え、その風合い優しさを
生かした日常品をデザインしたいと思っています。
(深澤氏のことば)
引用元 『SIWA』カタログ(限定配布のカタログより)

080702_195502  限定品のカタログの写真

【gowa-gowa】
 どんな商品があるのか?カタログには22製品がずら〜りと並ぶ。エキサイトの写真や大直のサイトの写真を引用させていただきます。

・SIWAバッグスクエア S(2800円)、M(3800円)
・SIWAバッグラウンド (3500円)
・SIWAテープバッグ (4200円)
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・SIWAブックカバー (1600円)
・SIWA眼鏡ケース (1800円)
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・SIWAひもつき封筒 (2800円)
・SIWAボックス M(3000円)、L(3800円)
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 ・SIWA紙ランプ (10000〜12000円)
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 写真も製品もですべてではないですが、色はブラウンをベースに、レッド、ブラック、グレーまで、製品により1色〜4色まで備える。いずれもナチュラルな感じがした(実物を見ましたので)。

【kusya-kusya】
 さてこれはどんな素材なのか?山梨県出身の深澤氏、故郷での講演会がきっかけで大直と知り合い、ひとつデザインしましょう!となった。

0702_chn11_rpt1891_0203 ぶくぶく。 

「手でもんでしわくちゃにすると、とても味のある風合いが出た。この優しい感じ
を生かしたものができないか
」 引用元 

 軽いし通気性がいいこの和紙で、手提げバッグなどがいいのではないか?という発想が製品群につながった。ナオロンには硬いタイプと柔らかいタイプがあるようで、SIWAはソフトタイプで作られているらしい。くしゃくしゃにできる、ちょっとオイリーだとか。触ってみないとわからんよ。

【gasa-gosa】
 どこで手に取れるのだろう?と思っていたらエキサイトに情報あり。表参道ヒルズのインテリアセレクトショップ「Idea Frames(イデアフレイムス)」で展示販売イベントが開かれている(〜7月17日)。さっそく表参道に行ってきました。

080702_182301  店内、盗み撮りです(笑)

 おそらくすべての製品が展示されています。触りました。思ったよりもず〜っとしっかり。手提げも、これなら野菜たんまりでも破けない!と確信した強さを感じた。バッグ類はどれもしっかりで、メッシュタイプのモノはきっとハードな使用にぜんぜん耐えるでしょう。そんな安心感があります。

 封筒バッグや封書セットは深澤流のエスプリがある。封書セットはレターペーパーにしては高いけれど、これぞと思う手紙を書きたいと思ふとき、パピルスのように残る手紙が書けそう。あとで考えると欲しくなった。

【zawa-zawa…なアドバイス】
 何より風合いというか、表面の皺がいい。紙だからなのか紙だからこそなのか、触り使っていると皺ができます。その感じがモノとの対話の触覚となって生に伝わってくる。「お前を使っているゾ」・・・gasa-goso・・・「使われているぞ」そんなふうに話しあえるような。それが和紙というモノの良さなのだろう。

 ナオロンのゴソゴソは、皺の表情というか人の顔の皺きざみに通じています。ニコリと笑う、顔をしかめる、あ〜あと大口をあえてアクビをする。顔の皺が生まれて消える。和紙の皺もそれに似て、人間味あるなあと。惹かれてとりあえず“ブックカバー”を予約しました。でも、今予約しても入荷は8月10日頃だそうです。ちょっと話したイケメンのイデアフレイムスの人も買ったそうですが8月10日は同じ。しんぼう強く待ちましょう。今日は以上です。

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2008年6月28日 (土)

誰か“Greater 渋谷マップ”を作って!

 近年とみに方向音痴である。先日も三浦半島の農園へ行くのに30分近くさまよった。始めての地だから仕方ない・・・のだが、反対方向の電車に乗るのはかなり高頻度だ。降車を考えて電車の前だな!と思うとたいていは後ろ。

 育ったのが“東に西武、西に東武の池袋”だったのがいけなかった。いや池袋はまだいい。新宿は少しアブない(都営大江戸線で某イラストレーターさんと待ち合わせも、摩訶不思議なほど離れた場所に出て、出会えないかと焦った)。渋谷はもう真っ暗闇だ。あの駅だけは左右天地がよくわからん。

【hmm...なアドバイス141.誰か“Greater 渋谷マップ”を作って!】
 しかも副都心線という大動脈が発進し、東京メトロでは欣喜雀躍して?この大見取り図を作成した。先般話題になりましたな。

L_yuo_netlab_01

 う〜ん、よくぞこのイラストを起こした(笑)。迷路建築会社もごくろうさま。しかしまあ、これって歩けって言うんですか?白は階段のようだが、もしもすべて階段で副都心線から銀座線まで上ろうとすると、200段くらいは軽い。すべての道を一筆書きで制覇する“ウォークラリー”は可能だろうか?

【みんな自社路線地図主義】
 副都心線からやれやれ地上に出たぞ!と達成感にひたってはいかん。地図とはどこかに行くためにある。大渋谷駅にはJRもあれば東急もあるし、京王もある。乗り換えのつなぎが問題だ。他社はどんな地図を作っているのだろう?

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 JR線

 割とすっきりしているナ。だがよく見るとさっぱりわからん(笑)。ハチ公やマークシティの関係なぞわかりにくい。にしても“新南口”って・・・ほんとはどこにあるんですか?

Photo
 東急東横線

 JR東日本のお高い目線よりは、かなり低めの視点からの透視図。どんづまりだからこれでいいだろう。ただかなり“部分地図”でホームの案内だけしかない。

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 東急田園都市線
 う〜ん、詳しいのだが・・池袋の田舎モノにはわかりません。この駅がどこに横たわってはるのか、見えんとですよ。

Photo_2
 京王井の頭線
 わたしはこれが一番わかりやすい。情報量がコントロールされてすっきりしているのと、重要なことだが、“井の頭線が真ん中にない”からだ。「東急の街ですから隅っこにいます」と謹んでいるかのようだ。

【自分中心地図の弊害】
 フト思う。みんな“自分中心地図”なのだ。自分の駅や路線や建物を真ん中に置いている。オーストラリア世界地図みたいなもんだ。だからわからにくい地図ばかり。

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 オーストラリア中心地図 引用元
 

 新宿乗り入れ各社の路線図をつなげた人もいる。その気持、わかります!

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 新宿駅をつなげたサイト(部分図) 引用元

【渋谷駅嫌いからのお願い】
 お願いだから渋谷駅の各路線もつなげてくれ!(笑)。鉄道各社で協議して“Greater 渋谷マップ”を作ってほしい。大きな渋谷マップがひとつある。その情報量は大雑把でいい。渋谷駅構内を、ぐっとひとづかみにできればいい。

 大渋谷駅図があり、個々の路線の詳細図につながる、そんな駅構内図がほしい。もちろん外国人がたくさん来るので英語、中国語、フランス語、スペイン語などは必須だ。

【hmm…なアドバイス】
 良い駅構内地図作りに秘策がひとつある。“駅構内マニアに訊こう!”。 

東銀座から東京駅まで歩いた構内マニアのブログがおもしろい。東銀座→銀座→有楽町/日比谷→二重橋→大手町→丸ビル→東京駅丸の内→八重洲口まですべて地下を歩けるのだ。

 大手町から東京駅はよく歩く東京ウォーカーなわたしから提案。東京駅八重洲の地下街の京橋口と銀座線京橋駅は至近(300mくらい)なのでつなぐ。そこから銀座までは1.5kmもない。銀座線に沿ってトンネルを掘る。京橋と銀座がつながれば、都心の“地下環状歩道”の出来上がりだ!観光に役立つでしょうが・・・またしても迷路増やすだけ?(笑) 今日は以上です。

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2008年6月27日 (金)

いつか自前のオフィスが持てるなら。

 先日取材をうけた講談社MOOK『セオリービジネス』。サンプル本に、工業デザイナー佐藤可士和さんのオフィスの写真が掲載されていた。棚、机が天井と床のライン上にきっちりとそろい、あまりに整然とした姿に驚嘆した。

Pict0162  『セオリービジネス 2008 Vol.1』
 

 棚も見事だが、同じ箱ずら〜りも見事。きっとひとつひとつのプロジェクトが、ムチっと詰まっているのだろう。今日は「いつか自前のオフィスが持てるなら、こんなのどお?」と思ったいくつかの商品や素材をテーマに。

【hmm…なアドバイス140.いつか自前のオフィスが持てるなら。】
そこで考えたのがボックスです。部屋の中で見えてしまう部分だけど、かっこ
いいボックスにまとめて、同じボックスを繰り返せば美しく見えるはず。
というわけで佐藤可士和のオフィスで使われているボックスを購入しましたw。

引用元 Creamu 

Fellowes_bankers_box 整然と。

 “Web2.0を紹介するデザイナーブログ”『Creamu』の記事の中に、佐藤可士和さんのオフィスで使われる“墓石より整然とした”ボックスがある。記事によればその箱は『Fellowes Bankers Box 703』。オフィスデポで5個で2,190円で販売。A4形の書類もファイルもバシバシはいる。丈夫だし持ち運びやすいし、箱の中身の正体も書き込みやすい。これはいい。

18169_sk_lg オフィスデポのサイトから。

 すべてこのボックスで統一して、きちんとツラが揃って並べればオープンな棚でも見栄えがいい。でも整理にズサンな不届き者がひとりでもいると、箱の隊列が乱れて、佐藤可士和という存在理由さえも損なわれそうだ。

【“壁面留め”という収納】
 佐藤可士和方式もいいけど、「とりあえずいつも使う物を近くに!」という人には、この壁収納グッズがお奨め。

Strapmain Strapmain2

このウォールストラップは壁に物を「留めておく」のに使います。このスト
ラップの端と端を伸ばせば伸ばすほど壁に物を留める力が強くなります。
バッグや、ハットを留めて機能的にも使えますし、靴やフライパン、食べ物
でさえも留めて壁をあなたなりにデザインすることも出来ます。

引用元 Generate

 この『Wall Straps』、一セットに2本で7,350円。ボックスに整然と入れるか、壁に留めておくか、もちろんモノによって違いますが、壁面収納の新しいスタイル。強力なゴムを買ってきたら自分で作れるだろうか?

【ピンポン会議室はぐ〜です。】
 壁が伸び縮みするなら、意見はもっと伸び縮みする。それはアタマで考えるから。意見に詰まったらカラダで考えよう!

20080412170504  

 はてな京都オフィスにある唯一の会議室は卓球台だ。人呼んで“Pingpong会議室”。これは最高です!意見が煮詰まったときだけでなく、伸びちまった人間関係を、“ピンポ〜ン”と縮ませるのにもよさそうだ。

【キユーピーにもぐっときた】
 ベランダのゴーヤーも伸びてきたキユーピーでは、社会・環境推進室の佐々木さんとフクムラさんが率先してエコ活動にまい進する。彼らのブログ(08年6月10日付け)にはぐっときた。環境チームのオフィスの蛍光灯を10本取っ払って、替わりに“反射板”を付けた

080609_keiko 080609_ita

 オフィスの電力消費を抑制するには間接照明がいい。だがわざわざ間接照明を導入するとおカネがかかる。キユーピーの取り組みは今ある“蛍光灯”を外して、PET樹脂製の反射板を取り付けるだけ。ほとんど設備投資は要りません。これには一本取られた。

080609_32 080626_report

 ちょっと暗くなりましたが、業務に支障なし。エコとはわざわざ投資しちゃダメなのです。ますますキユーピーの好感度がアップしました。写真右は、できたての『社会・環境報告書2008』を手に。

【hmm…なアドバイス】
 いつか自前でオフィスが持てるなら、こんな夢を!と思いつつ。人によっては、自宅にいる時間よりもオフィスにいる時間の方がよほど長いわけです。だから整理整頓、効率やエコは発想力や集中力、共働力に通じるだけでなく、地球にもやさしい。つまり、仕事をおもしろくすることは地球にやさしい。それを忘れないようにしよう。

 最後に、今日で退職する営業ジムのKSさん、お疲れさまでした。有志10名くらいで花束を贈りました。

Pict0159

 「南国風でナチュラルな感じでお願いします!」と言って作ってもらいました(虎ノ門のベビーフローリスト)。個人的に、こんな花が大好きです。花も良く似合うオフィスがいい。ではブログ3年目もよろしくお願いします。

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2008年6月21日 (土)

hallmarkのグリーティングカード・コンテスト

 今日は犬やネコやウサギやリスです。何のことかって? もちろんペット。以前、相棒Cherryさんは、飼うネコたちの写真を近所の催しに応募した。こんな写真だったのだろうか? 

Dsc00013  無断転載しました。左が“つみれ”でした?

 応募写真で賞を取ったかどうか聞いたような・・・健忘症で忘れた。今日のテーマは米国のグリーティングカード最大手のHallmark社の写真コンテスト

【hmm…なアドバイス135.hallmarkのグリーティングカード・コンテスト】
You're creative. You've got talent. And passion. We LOVE that.
So we've been scrambling around to figure out how to make this
happen, to give you a spot to submit those brilliant card
concepts. 
引用元 hallmark greeting card competition

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アタシもボクも、み〜んなクリエイティブ!才能たっぷり!ホールマークでは
その才能を開花させる場としてオリジナルカードの創作コンテストを開きます!

 今日は土曜ですから、ちょい訳です。要は飼っているペットの写真を応募するコンテスト。カード屋さんならではのアイデアがあって、hallmark側で予選突破のファイナリストを決定し、その写真をウエブに掲示するだけでなく、実際のカードに仕立ててくれます。気に入ったらそのカードに投票できるだけでなく、購入もできます。投票や購入が多かったカードがグランプリをつかむ。

【My favorites】
 08年6月から8月まで、投票と販売を受付中の“your petsコンテスト”と“your funny*nessコンテスト”から、気に入ったヤツをいくつか。

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 これが一押し!こんなカワユイ顔ないすね。右は裏面。

5 18
 この足(笑)

9 25
 ふむふむ、どうしたね。

4 27
 ふん、食べるもんか。

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 ぼわ〜ん。

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 飼い主が気になる。

【Product RED賞 goes to・・・】
最初のコンテストは“Product RED”だった。U2のボノらが運営するグローバルファンド,『世界エイズ・結核・マラリア対策基金への持続的な資金の流れをつくる寄付の仕組み』である。75,000の投票のうち34%を集めてグランプリに輝いたのが次の作品。

Webcov_red1131l これは素敵です。

 フロリダ州のデザイン学校の学生Erin McGuireさんの作品。少女がカードを鳥に渡して配達してもらう構図。REDを表す赤い木と緑のコントラストがいい。販売収益の8%がファンドに寄付された。

一般の人がデザインして、みんなで良いものが選び、メーカーがそれを商品化し、そのデザインが収益を生み、世の中のために役立つ。こういう顧客参加でロングテールなサイクル、やはりインターネットができたから容易に実現できるようになった。

【hmm…な独白】
 以前、わたしとCherryさんは、あるTシャツデザインコンテストに出品しようとした。わたしは絵を描くのが好きなので、“日本地図”をデザインモチーフにしたイラストを描いた。その手書きイラストをCherryさんがスキャナで読み込み画像化した。さあ応募!のはずだったが・・・。ある日、思い出してCherryさんに言った。

 「そういえば、あのTシャツのコンテスト、申込金の送金がいるんだよね」
 「郷さんが応募と一緒にやってくれましたよね?」と彼女。
 「ええ!ボク・・・応募してないぜ!

 彼女はわたしが、わたしは彼女が、応募したとばかり思っていた。すでに締め切り後だった。ありゃりゃ。ポカしました。だがそのイラストがひょんなことから、ある提案の表紙に復活しました。本復活したら、その拙イラストと提案を紹介します。しばしお待ちください。今日は以上です。

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2008年6月11日 (水)

水と紙のエンジン

 Cherryさんとお昼を食べていて、artgymという美術学校をテーマにした余勢で(昨日のブログ)手づくりの話になった。小学生時分の“粘土の手づくり”である。

 「食パンとか、メロンパンとかフランスパンを作って、お皿にのせて、家に飾ってました!」
 「へえ、お皿も粘土で作ったの?」
 「そうです。パンはこんなちっちゃなサイズ(2cmくらい)で作って、絵の具で色を塗って、それを段ボールで作ったお家に飾りました」
 「ほお。そりゃすごい。僕はね、アブラ粘土で自動車を作ってた」
 「車ですか」
 「普通の子どもは車のかたちを作るだろうけど、僕はシャシーを作って、タイヤを作ってくっつけて、シートも作って載せ、エンジンを細か〜く作って、なんてやっていたよ」 

 パンと自動車という違いはあれど、わたしたちはマニアックなガキだった。そこから話は“水で動くエンジン”に流れ、そのあとでわたしは“紙の動くエンジン”をネットで見つけた。

【hmm・・・なアドバイス127.水と紙のエンジン】 
このハイブリッド自動車(Scorpion)が画期的なのは、水素タンクを搭載せず、
代わりに搭載している水タンクから電気分解によって水素を必要に応じて
生成する点です。生成した水素は30〜40%の割合でガソリンと混ぜて使用
するとのこと。
引用元
 0609_01_08_2

 ひとつ目はマユツバ、いやミズモノのエンジンガソリンと水素を混ぜて自動車燃料として、ガソリンを少なく済ませる装置を搭載したスポーツカーScorpion。水素とガソリンの混合燃料を燃やすことで、排気ガスの浄化が進み、エンジン性能がアップするという。

【水をガソリンに混ぜるの仕組み】
 水素で動くエンジンはもちろん珍しくない。日本でもマツダを初め取り組みがある。ガソリンならぬ水素ステーション構想もあり、代替燃料/動力源の候補のひとつだ。だが米国のRonn Motor CampanyHydrorunner Inc.が開発したハイブリッド自動車は、水素タンクを搭載せずに、水素をオンデマンドで生成して注入する装置『Hydrorunner』を搭載する。こうした仕組みはいままでなかった。

 0609hydrorunner_g3ゲーム機ですか?

 “Hydrorunner”に投入する水だが純水にあらず。“庭ホース”からでもOKというから普通の水である。その水を電解して水素を生成する。電解する電源も車の発電機の余電力というから、わざわざ発電する必要はない。水素はインテークマニホールドを介して、ガソリンと共に燃料噴射ポンプに送り込む(マニアックでスマン)。メーカーでは“Hydrogen Fuel Injection(水素燃料注入)”と呼ぶ。特許のポイントは水素混合気の生成から制御プロセスにありそうだ。

 燃費は対してよくならないが(リッター17km)、水素パワーで加速が盛り上がり、さらにカーボンの排出が小さくなるというエコ効果がある。マニアックにそこまでは読み取れたが、いくつか疑問もある。 

・ほんとうにアブなくないのか?(水素は爆発しやすい)
・水をエンジンに入れても大丈夫か?(水と油といいますが)
・水を水素にする電力はモーター駆動した方がエコだと思う

Hydrorunner02 Hydrorunner01
ピックアップの荷台で水素づくり。

 そんな疑問も残るが、しょせんわたしは粘土自動車製作所なので、これ以上詮索できない。08年秋の“庭ホース・エンジンスポーツカー”の発売を待とう。

【紙のエンジンの驚愕】
 もうひとつ、ペーパーだが動くエンジンが凄い。驚愕した。

0611_20080611191 紙!

カナダのモントリオールに住むYeeというアーティストが作ったV型12気筒
エンジンは、本物のエンジンのようにピストンが動く紙の模型だ(実際には、
乾電池とモーターで動かしている) 
引用元   

195枚の紙上の1978個のパーツで作るペーパークラフト。エンジンサイズは630mm x 405mm x 335mmというから、1/2スケールくらいだろう(重量も1.5kgもある)。モーター駆動のクランクシャフトのスピードは13.5rpmと、実物のエンジンの1000分の1くらいだが、ピストン・コンロッド・冷却ファンの連動は見事だ。12気筒エンジンの気筒のひとつひとつにLEDが仕込まれ、クランクシャフトの動きと合わせて爆発イメージで光るのが憎い。ぜひ回るサマを動画で見てほしい。

 日本への発送費を含めた価格は、162.86CAD(カナダドル)でフルキット(印刷シートあり)、自分で印刷する場合は121.28CADである。作りたくなったでしょ、Jneomanさん!(紙クラフトマニアの同僚です)

【hmm…なアドバイス】

 今週は月曜・火曜とデザインの話に振ってきたが、もちろん工業デザインは“中身(機能)あってのモノ”。中身と外身が、機能的にそして美的にからまりあうとき、トータルとしてのデザインが完成する。外っつらだけが美的な商品は見透かされて売れない。

 つまりデザインとは内と外が“からまり合うこと”でもある。その“内”、自動車のエンジンといえば、素材は鉄(鋳造、鍛造)でありアルミでありステンレスであり。高価なマグネシウムなどレア金属も稀にはあるし、部分的に樹脂も使われている。動力源はガソリンであり、電気である。エンジンに限らずデザインの中身を知ることは、商品開発上とてもたいせつである。今日は以上です。

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2008年6月10日 (火)

artgymという廃校活用

 こうして毎日書いていると、書くことに波があります。次から次へと見るもの読むものすべてが、ネタに見えてくるときもあれば、どれを見てもネタに見えないときもある。そんなときはブログを捨て、街を歩こう!

 というわけで街を歩いていました。あのアキバの殺人事件現場から末広町方面をぶらぶらと。オモテ街道ではなくウラ道を歩くのはほぼ習性です。すると、あららという意外な発見がありました。前学校だったはずなのに・・・。

【hmm…なアドバイス126.artgym(アートジム)という廃校活用】
 わたしはネコと同じ習性で、いくつも角はあるのに、たいてい同じ角を曲がり、たいてい同じウラ道を通ります。そこは中学校の前の道。都会の学校の哀しさで敷地が狭い。校舎をぐるりとランニングバルコニーが取り囲み、走っている子供の姿も見たことがあった。ところがフト見ると“アートジム”というような看板が。

 Artgym  左上の学校マークにも注目。

「artgym」とはアートをやりたい人々を対象としたアートのジムです。
(中略)「鍛える」のもよし、「遊ぶ」のもよし、「触れ合う」もよし。
その他あなたの望む生活スタイルを自由に実現させてください。

(引用元は同校のパンフレット)

Logo1
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 2007年から、千代田区立錬成中学校が廃校になって、服部学園 ochabiの運営する『artgym』になった。教室兼、アトリエ兼、工房というコンセプトで、美大生やアーチストが講師になって、一般の老若男女、親子連れに芸術を教える“ジム”である。

【コース内容】
 デッサン、油絵、イラスト、水彩画はもちろん、日本画やグラフィック、アート書道など盛
りだくさん。artgymの特徴は次に通り。

・初心者から上級者まで個人レベルに合わせた実技サポート
・ひとりひとりプログラムの作成を支援
・平日夜間は制作に打ち込める
 昼間に教えてもらい、そのままひとりで制作を21時まで継続できる。
・手ぶらで通える(画材道具はジムのロッカーに)

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 子供から大人まで、いや親子ペアで美術を楽しめる。コースの構成は体験コース(1ヶ月以内5回まで)を入り口に、「クラブ」「スクール」「チャーター」の3つのコースがある。

クラブ:デッサン、絵画、デザインなどの集中レッスン(18,000円/月~)
スクール:ベーシック、スキルアップ、作品出品の最大12回(48,000円/月~)
チャーター:仲間を集めて集団講義、実技指導など。

 年間18万円(月1万5000円)で、最小60回、最大100回以上通える。しかも納得するまで制作に打ち込める。講師のクオリティも美大生やアーチストなので触発されるだろうし、アート好きな知り合いも増える。かなりお得である。

 Topph11 Topph05
 アート学習指導もあれば、画材販売もある。

【廃校の用途】
 少子化の波で各地で学校が閉鎖され、毎年200校前後の廃校がある。廃校後の利用は高齢者施設や温泉施設、英国庭園、体験教室、集会所など、その地域のニーズにもとづいて活用されている。だが用途さえなく、グラウンドだけ使われ放置される例もある(ウチの近所です)。

 美術と廃校利用が結びついた有名な先行事例は『世田谷ものづくり学校』だろう。アーチストが何人も巣立っているし、ものづくりを食まで広げたメニューもユニーク。群馬県などには、特定のアーチストに教室を貸し出すという事例もある(木工作業の場などに作家が使う)。

 全体として老人向け施設が多いようだが、そもそも学校は“教える場”であり、“学ぶ場”である。教室や職員室、美術室や木工室まで、スペースも機能も教えたり、学んだりが似合う。なぜなら廃校されるまで、子供たちと先生の魂がそこで息していたのだから。

 だから廃校利用、単に遊休のスペースとして考えるより、教え学ぶ場として再活用したい。その意味でパブリックなArtgymは、最も理にかない情にかなう使い方だ。

【hmm・・・なアドバイス】
 やっかいなのは、建設時の借金(学校債)が残っている場合、建物の用途転換ができないという。アホなお役所仕事である。でもジムなら教育だからいいでしょう。語学ジムもいいし、ダンスジムもいい。木工ジム、楽器ジムもいい。もちろん手づくりジムもいい。教え学ぶという、生身の人と人ふれあいを広げてゆけば、孤立した人を減らして、あんな悲惨な事件も減るのではないだろうか。

 ブログを書き続けると“ブロガーズ・パラドックス”にハマる。それはブログを書こうとパソコンに向かい続けて、やがてネタに詰まる。ネタを探しに街に出るとブログを書く時間がなくなる。それがパラドックス。街を歩くとネタに当たる、それがartgymだった。タイミングといい今の想いといい、個人的にはかなり運命的な出会いを感じました。今日は以上です。

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2008年6月 9日 (月)

“Ora Unica”と“駅”と企業ロゴ

 昨日(08年6月8日)は腕に時計をせずにあるセミナーのために、銀座に出かけた。休日なのでそれもありかなと思ったし、腕時計はもはや“手首のアイコン”。携帯にも駅にも街にも、時を刻むものはどこにもたくさんある。それにわたしの腕時計のデザインは“平日のアイコン”のようなモノなので休日に似合わない。

 フトdesignboomを見ていたら「これはいい!」という時計デザインがあった。今日は1週間のスタートの月曜日ですが、休日にぴったりの時計デザイン。というか、こんな時計のモードで平日も生きてみたい。

 0608_oraunicasqu1 これでも時計です。

【hmm…なアドバイス125.“Ora Unica”と“駅”と企業ロゴ】
with his design, guidone aimed to create a way of telling
time which is in line with ‘the irregular traits of our time’.
the hour and the minute hands are transformed into a single
line drawn on two faces which rotate one inside the other.

引用元 

0608_oraunica2 針は一筆書き

そのデザインでguidone氏は、私たちの時間を不規則なひと筆書きで表す
ことで今何時?を示す手法を創造しようとした。時と分は一本のぐにゃぐにゃ
な線で表され、それは(よく見ると)内側と外側の2つの針になっている

 子供がぐいっといたずら書きしたような線が文字盤にあるだけで、他に何もない。作品(まだ製品化されていない)のタイトルは“Ora Unica”、イタリア語で“たった今”ないし“ひとつの時間”という意味。たった今と言われても、何時かわからないじゃない。

 いえいえ、よく見るとこの一筆書きのぐにゃぐにゃ線は2本にわかれていて、一本が短針(時)、一本が長針(分)になっている。次の画像を見てほしい。

0608_3oraunica2007  短い一筆は時を。

 
0608_2oraunica2007長い一筆は分を。

 じぃっ〜と見ると時間がわかってくる(笑)。

【時間を裏切り、アイコンを否定するデザイン】
 時が進むにつれて幾何学な針模様が変形するのは、まるで銀河系の“平行時間”を可視化するようだ。時計は視認性が命と思う常識屋をこっぱみじんにする難読性。時間というものはチクタクと3つの針が刻むものと思うている良識家を裏切る不規則性。これで腕時計はまさに手首のアイコンになった。

2 competition展示風景

 これをデザインしたのはイタリアの若手デザイナーdenis guidoneさん。‘adom o’ eva creations’ design competition受賞作品のこの時計、いくらで売り出されるのだろうか?そもそもこのまま製品化ができるのだろうか? そこは怪しいのだ。無意識なのか意識的にか、腕時計のもっとも重要な“ブランド”をOra Unicaは否定しそうだから。

【腕時計 “駅”が示したこと】
 これと対極にあるデザイン、深澤直人氏がセイコーの“パワーデザインプロジェクト”でデザインした腕時計『』を見てみよう(2002年)。

2002_eki_main 引用元

 駅の時計を模した“日常の意外性”をテーマにした腕時計。駅を背景にして時計を手にする写真のインパクトが、状況証拠のような強烈な記憶となった。駅時計なのでとっても視認性が高い。この時計デザインは、製品化されていた。セイコーからではない。深澤直人氏+松江幸子氏『』は無印良品から発売された。

20051219_89544
 写真は商品を購入したハッシュさんのブログから。

 よく見てほしい。ロゴがないのだ。購入者のハッシュさん、「個人的にはロゴ(SEIKO)は残した方が気分が出るなぁと思うけど、無印良品から出るが故にここは削らざるをえない部分」と書いている。

 無印だからしようがないのかもしれないが、“SEIKO”というブランドのロゴが消えてしまったことは、この商品の魅力をかなり損なった。駅の時計の“SEIKO”と同じロゴがあるからこそ、おもしろかった。“SEIKO”がないと“駅”というイメージに結びつきにくい。

【hmm…なアドバイス】
 この時計デザインで確信犯的に深澤氏がねらったのは、“企業ロゴ=ブランド”を、“企業ロゴ=生活風景”に変えることだ。企業ロゴは日常風景になりうるという主張。それを嫌ったのでしょうか、SEIKOは自社で商品化しなかった(いや単にロットが小さいからだけかもしれない。これは憶測です)。

 “Ora Unica”にもどろう。“Ora Unica”の文字盤にはたして企業ロゴを入れられるだろうか?デザインが破綻しないだろうか? 100歩ゆずって“agnes b.”のような文字体ならいいかも。

3 ちと苦しいですか?(笑)

 Ora Unicaもまた無印良品でしか商品化できないとするなら、企業ロゴを前提としないデザインやその商品化のことを、ちょっと考えさせられた。今日は以上です。

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2008年6月 5日 (木)

私のマーケティング物語

 今日はビジネスメディア誠で連載する“うふふ”マーケティングへのリードです。

私のマーケティング物語
もし「ライダーブーツを作れ」と命じられたとしたら、あなたはまず何から
始めるだろうか。ライダーにヒアリングする? 競合メーカーのブーツを分解する? 
それも1つの方法ではあるが、しかし本当のマーケティングではない
——筆者はそう思うのだ。
続きはこちらへ

 今日も雨。レイニーシーズンで雨用品がネットにも増えてきた。ふと『スパイラルオンラインストア』で見つけた長靴、『KISSA SPORTS 長靴』が今回のエッセイの入り口でした。今年は梅雨入りが早いせいか、街で長靴を履く女性も多く見かけます。もちろんいわゆるゴム長ではない。シックな色、絞り込んだシルエット、飾りや柄。おしゃれな長靴が多い。その原点にはシューズデザイナーの高田喜佐さんの想いがある。それがきっかけです。

0510_kissa_gomunaga  
 喜佐さんの絵。『ELLE JAPON』 1993年11月20日号より。

【靴は何足お持ちですか?】
 都会で働く女性はかなりの靴持ちで「何足お持ちですか?」「さぁいくつあったかしら」と答える人が多い。いろいろあわせると30足を下らない人ばかり。TPOでの違いはもちろん、色やかたち、ヒールの高低、思い入れの深さ浅さ、“立ちやすさ”などでその日の靴を選ぶのでしょう。

 選ぶのは楽しいことでもありますが、日々大変でしょう。それにくらべれば男の所有靴は(たいてい)少ない。男は靴を何足持つのか?いや持つべきなのか。高田さんは著書にこう書いています。

 男の靴は道具だと思う。
 はき心地と機能性を第一に選んでほしい。

 男の靴は、丈夫で長持ちしてほしい。
 しっかりとした作り、実用的な靴であってほしい。
 流行に左右されてほしくない。色やデザインで選んでほしくない。
 本物のトラディショナルな良い靴をはいてほしい。
 最低必要な、基本の靴だけあれば良い。ローファーとスニーカーと、
 プレントウの紐じめと、ワークブーツと、この四足があれば良い。
 そしてよく磨き、修理に出し、何年も何年もはいてほしい。

 『私の靴物語

 実用的な靴4足。そのチョイスは、よく練られています。

 プレントウはフォーマルと都会の仕事、スーツからチノパンツまでOK。
 ローファーは仕事からプライベートの架け橋、スーツもジーンズもOK。
 スニーカーは都会も運動も、そして海辺のデッキまで万能なシューズ。
 ワークブーツは野や山を歩くだけでなく、自然を愛するという態度表明。

 わたしの靴箱にプレントウあり、ローファーなし(ローファーやタッセル、デッキシューズ型が好きではないので)、スニーカーあり、ワークブーツあり。四半世紀以上前に買ってまだまだ履けるクラークス(英国)のワラビーとデザートブーツがど〜んとある。

 喜佐さんはワークブーツについて、“男は自然と向き合う仕事もするべきだ”という意見を書いている。実はわたし、ほとんど履いていないティンバーランドのごっついワークブーツも持っています。米国のアウトレットでお買い得品を衝動買いしました。この靴を日常的に履ける仕事がしたいなと思うときが(たびたび)あります。いまだにその夢が果たせません。

 ワークブーツ、箱の中で鬱屈して、まさかカビていないだろうな?後でチェックしないと(笑)。今回のエッセイで喜佐さんにちょっと押されました。

【シンプル】

 男の靴は丈夫で実用的、機能が必要と語るウラには、石岡瑛子さんの婦人靴店のポスターの仕事の依頼というエピソードが影響している(『靴を探しに』)。与えられたテーマは“シンプルなハイヒール”のデザイン。ポスター案を何十枚書いてもダメ出しをされた。それまでのデザイン=装飾という想いを吹っ飛ばされた。シンプルじゃないとダメ出しをされた。

 シンプルってどんな意味なのだろう?ようやくそれが“機能性”につながっていることに気づいた。靴とは機能商品である。それに気づいて、“シンプル=機能性”を満足させつつ“遊び心のデザイン”というオリジナリティを持つことができたのではないか。これは1973年、彼女がデザイナーとしてブレイクする“滑走路上”にあったエピソードである。

 世に、飾り=デザインで終わっている商品は多い。でも機能ばかり重視の商品開発から入っても、シンプルの本意をつかむことはむつかしい。オリジナリティへの旅にでる、という意識がないとダメなのだろう。

【いさぎよさ】
 喜佐さんは1989年、靴デザイナーとして約20年以上走り続けたあと、会社を大きくすべきか、ほどほどにすべきか悩まれた。いくら個性化の時代で彼女の小ロット生産の靴が受け入れられるようになったとはいえ、KISSAというブランドは大きくもなく小さくもなく、ポジションとして微妙だった。今のようにロングテールでレアモノが売れる時代ではなかった。『卑弥呼』のように独自ブランドを維持しつつ拡大の道をたどるか、自分のテイストが薄まらない範囲で事業を継続するか、どちらかの道を迫られた。

 喜佐さんは後者を取った。そう決断して晴れた日曜日にひとりで会社に出て、ショールームに並ぶ靴を眺めていた。ほんとうに自分の履きたい靴、好きな靴はどれだろう?と。

 選んだのはローファーと紐靴、シンプルな中ヒールのパンプス、裸足のようなサンダル、そしてズック靴だった。男よりも数は1足だけ多いだけで、素足に近いチョイス。この5足の好きな靴でゆっくり靴づくりをしようという決断をして会社を小さくした。

 流されずベーシックで気持ちのよい靴だけを選んだ、喜佐さんのいさぎよい生き様がいい。今日は以上です。

Pict0044 喜佐さんの乗馬靴

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2008年6月 2日 (月)

イラストレーター・もんちほしの誕生 (後編)

 今日はビジネスメディア誠で連載する“うふふ”マーケティングへのリードです。

イラストレーター・もんちほしの誕生 (後編)
情感あふれる美人画をベジェ曲線で描き出す、26歳の女性イラストレーター
・もんちほし。彼女にしか描けないオリジナリティはどのように醸成されたのか? 
そして人はなぜ、彼女のイラストに“恋をする”のだろうか?
続きはこちら

 “うふふ”マーケティング始まって以来の2枚組、いえ2回物です。惚れ度合いが高いので前後編になりました。後編もお読みいただければ幸いです。

 わたしがもんちほしさんを知ったのは、またしても同僚Cherryさんから。彼女が○○印刷の元同僚Kuroさんらと会ったときに、もんちほしさんがいらした。そこでは“エバンゲリオン”の話で盛り上がったとか。

 Cherryさん曰く。「わたしはエバンゲリオンなんて語れません!」
 郷曰く。「僕もだよ。それって“グインサーガ”みたいなものだろ?」
 Cherryさん反語。「グインサーガって何ですか?」

 これがコンサルタントの日常会話です(笑)。ともあれCherryさんが「郷さんは絶対あの絵が好きです!」と高らかに言うので、その夜、“もんちほし”とググったとき“二次元の恋”に墜ちました。

Pict0056 戦利品写真

【私のマーケティング】
 結局これも運命だ、と思った。あ、恋の運命じゃないです!(残念ながら!笑) わたしにとってマーケティングとは何か?という想いと、どこかピピピとつながったんです。

 世の中一般に言われるマーケティングと、わたしの思うマーケティング、ずっと前からギャップがあり、違和感がぬぐえず、居心地の悪さが続いていました。それを何とかしたい、書いておきたいと思いました。そんな想いと、もんちほしさんの絵がどこかでつながったのがきっかけです。

 もんちほしさんの絵こそ、マーケティングそのもの。あるいはその前に書いたメッセンジャーバッグのAnaisさんのパッチワークバッグにもマーケティングがあるし、今週木曜日掲載予定のビジネスメディア誠のエッセイでとりあげるシューズデザイナーさんの生き様はマーケティングだと思う。

 教科書的にはマーケティングとは“セリングをなくすこと”と言われます。あるいは“お客さまの関心テーマを起点にすること”とも言われます。どちらもその通りだと思う。

 でもそれが“マーケティングのマーケット”に出ると、なぜかCRMとかSFAとかSEOといったシステム道具に化け、あるいは“マーケティング2.0”といった散布図みたいなコンセプトになる。おいおい、そうじゃないだろうと。声を大にして言いたくて。

 だから3人連続で女性デザイナーを取り上げ「マーケティングって、この人たちの行動そのもの」と伝えたかった。次回のエッセイもあわせてお読みくださればありがたいです。

【自転車と自動車の心象風景】
 話しは変わりますが、昨日(08年6月1日)はとても良い天気になり、ノースリーブ、ノー手袋(先日失くしまして素手です)、オンヘルメットで自転車にまたがりました。川沿いのサイクリングコースがいつになく気持ちがよかった。しばらく走ると、国道と交差点にぶつかり信号待ちの車を見ていました。フト、自転車ってこんなに気持ちがいいのに、自動車はストレスのカタマリだ!と思いました。

 キーワードでその違いをキワだたせてみます。

  <自動車のキーワード>
  燃費と燃料費、らくちん、でも渋滞イライラ、道不案内、GPSは便利でもロボット走行、
  保険が高い、法定点検しなくちゃ、洗うところ多い、などなど

  <自転車のキーワード>
  自分の力、風まかせ、追い風らくらく・向かい風つらい、渋滞なし、自然と一体、
  スピードは自分次第、さらばメタボ、手入れちょこちょこ、などなど。

 片やストレスいっぱいの乗り物、片や自分で漕ぐのはたいへんだけど、身体にもエコにもいい。できればそろそろ“自動車から自転車へ乗り換えたい”、ストレスいっぱいの乗り物から、自分のスピードで動かせる乗り物に乗り換えたいと思いました。自転車を漕ぎながら思いついた心象風景なので、夢みたいな話ですが。

【もんちほしさんに感謝して】
 さて、もんちほしさんの話でしめくくり。

 もんちほしさんにお会いして、なんとなく映画『ゆれる』の西川美和監督を思い出しました。ぱっと見はカワイイ女性なのに、その心の奥には人間の怖い部分をじっと見つめるまなざしがある。怖いというか、凄いというか。もちろん西川監督とお会いしたことはありませんから、想像ですが。

 若いのに深みのあるもんちほしさんにお会いして、目を開かれました。そうそう、蒸し暑くなったのに扇子が壊れちまったので、もんちほしさんのイラストを転写して自作しようかなと思っています。作成したら紹介します。では、ありがとうございました。今日は以上です。

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2008年5月29日 (木)

イラストレーター・もんちほしの誕生

 今日はビジネスメディア誠で連載する“うふふ”マーケティングへのリードです。

イラストレーター・もんちほしの誕生(前編
あるイラストにひと目ぼれした。たった1つの画像、大正時代の浪漫が
香る、着物を着崩したつややかな二次元の美女をひと目見て、
筆者は恋に落ちた……。(続き

 今回は吉岡編集長にお願いしてワガママをさせていただき、前後編の2回掲載になりました。ありがとうございました。“うふふ”マーケティング始まって以来の2回もの。だから取材こぼれ話もないだろう、と思われるでしょうが、まだまだあります。

Ochitubaki_tate600danpen 作品『落椿』(断片です)

【もんちほしの世界へのひと目惚れのワケ(絵にですよ♪)】 
 わたしの絵物語を少し。絵を観るのは好きです。もともと描くのは大好きで、中学高学年か高校生なりたての頃から展覧会に通いだしました。カンデンスキーを観たって子どもにゃわからんのに、それでも行きました。確かあれは西武美術館でした。

 いつぞやゴッホ展だったでしょうか。チケット代が無いか、生徒手帳を忘れて一般料金になるのがくやしかったか、千鳥ヶ淵の東京国立近代美術館の塀をよじのぼって「タダ観」したこともあります。ワルの友人と二人で、よっこらしょっと(笑)。とうに時効なので白状しました。アート好きな勇気ある?悪ガキでした。

 描くのも好きです。中学3年の頃でしょうか、オスカー・ワイルドに心酔し、『サロメ』の黒白のペン画の魅力に取り付かれ模写もしました。ムンクの『マドンナ』は黒、赤、青などのインクを使い、精密に模写しました。かなりうまかったと自賛しました。ですがその模写、クリアケースに入れていつも持ち歩いていましたが、誰かに盗まれました。ほんとうにくやしかった。 

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ゲイサイミュージアムでの一こま。写真は畠山正さんの撮影によるもの。

 イラストレーターもんちほしさんの『落椿』に落ちたのも、ビアズレー(サロメの挿画の作者)の香りをかいだからかもしれません。でもビアズレーよりも、もっと生めかしい着物美人があえぐ姿には、ひたすら衝撃をうけました。惚れた心の背景には、わたしのアート物語があったのでしょう。

【何かあるな、が起点のテーマ選定】
 さて、思いつくと動かないとダメな性分なので、絵を見てわりとすぐ、思い切ってもんちほしさんにインタビュー依頼の電子メールをしました。すぐに返信が返ってきて、いくつか展示会で作品を出品する予定があるので『ゲイサイミュージアム2』に行きました。

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 ファンと話すもんちほしさん。後ろからすみません!(郷撮影)

 初めてお会いするもんちほしさん、着物姿がまぶしいし、若いのに自分の世界をもっている人だなと直観しました。ビジネスメディア誠でかなり自由に書かせていただいていて、連載の被写体を選ぶのは自分の勘頼り。だから“何かあるな”という勘があたったときは、筆はスムーズに運びます。

 余談ですが、企業の大小を問わず、商品の作り手の熱意や姿が見えないときは書きにくい。そこに“何かあるな”と感じることが起点です。大企業ではそれが見えにくいことが多い。でも多くの読者は、自分が知る大企業の話の方が読みやすい。ここがつらいところです。個人ばかり取り上げる“うふふ”マーケティングですから、編集長には申し訳なく思っています。

 でも“フロントランナー”の生きかたは、学ぶことがあります。もんちほしさんはパッションや愛の行動力だけでなく、それをイラストとことばにする表現力も持ち、お客さま目線で商品化する力まである。これを26歳の女性がたったひとりでやっている。驚嘆しました。

 何かあるな、やっぱりあったな。書いて楽しいな。マーケティングライター冥利です。

【わたしのマーケティング物語が次のテーマ】
 マーケティングなんてしょせん「論」ではなく、「パッション(つまりAha!)」です。マーケティングとはこれこれであるとかの分析論、この企業の商品や取り組みは4Pから見てこうであるといった教科書マーケティング分析、データ操作だけでセグメンテーション&販促施策(魂を入れないCRMと言うときもあります)、いずれも不粋です。否定はしませんが、わたしのマーケティングではない。興味ナッシングです。

 むしろわたしはフロントランナーから“マーケティングそのもの”を感じます。先週のテーマ、自転車メッセンジャーバッグを作るAnaisさんからも感じます。次週のテーマの奔放で楽しい靴づくりをしたシューズデザイナーさんからも感じます。マーケティングを“マネジメント”だと思う人にはわかってもらえないでしょう。

 パッションから動きだし、パッションを向こう側(お客目線)から冷静に見る目を持つ。でも作品じゃくて商品ですから、機能面の手は抜かない。それがわたしの思う理想的なマーケティング。あまり論を語りたくないのですが、次週の誠ではちょっと語ります。

あ、もんちほしさんの後編も楽しみにお待ちください!後編は08年6月2日(月)掲載予定です。よろしくお願いします。今日は以上です。

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2008年5月28日 (水)

江戸の携帯化粧パレットは、女の衣であり素である

 男にとって女の化粧道具は不思議である。あの小ケースには紅や白や茶や漆黒が、なんやかんやと詰まっている。女がぱちんと蓋を開けて、ぽんぽんと馬毛のブラシを当て、さっさっと顔づくろいをする。紅筆を唇にすっくとあてる。瞬間、“おんなの性”が際だつ。見ている男はぽかんとする。そして好きが増す。

 いくら男と女の境目がクロスオーバーしても、男はコンパクトやらパレットは持ちあるかないだろう。だがその精緻な道具、性を際だたせる容器にはとても興味がある。伊勢半本店 紅ミュージアムで開催中の『甦る、江戸時代の化粧道具「板紅」の世界』へ今日(08年5月28日)行ってきた。

【hmm...なアドバイス116.江戸の携帯化粧パレットは、女の衣であり素である】
板紅は、婦女子が大切に慈しんできた、逝きし世の珠玉の化粧道具である。
筆や指で唇に点していた時代の紅は、小さな専用の容器に刷かれて
携行されていたのだった。

引用元 『甦る江戸時代の化粧道具 板紅』冊子 p10 
金沢学院大学教授 山崎達文氏

Chn12_rpt1692_image2ポスタアです。

 創業文政8年(1825年)以来、紅を扱ってきた伊勢半の展示会ですから、基本的には“リップパレット”。明治期以来洋装が主流になって、作られること自体が絶えてしまった“板紅”を、江戸から伝わる伝統技工(漆)で復活させようというプロジェクト。2007年4月から輪島・金沢の漆芸家と“板紅”を復活させようと取り組んできたそうですから、まさに1年ごし。

Chn12_rpt1692_image1 エキサイトより

 その1年ごしのプロジェクト、成果は十分だと思います。こんなに美しい細工モノの展示会、滅多にない。一品一品に長い時間見とれました。漆芸家28名、54点の作品群(といっても販売される商品です)はどれも驚嘆する細微さです。溜め息をたくさん吐きまして、ケースを白くしました(笑)。実際に手に触れたいと思いましたが、それは展示販売会までお預け。ケース越しでも、生で観ることができたのは貴重でした。

【わたしのお気に入り】
 ミュージアムでの写真撮影は不可なので、購入した冊子の写真を撮りました。わたしが気に入ったのは次の3つです。(四つ目は本の表紙)

Pict0052 Pict0054

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 この展示では人気投票もする。わたしは山村慎哉氏作のNO.50『唐草紋卵殻板紅』に一票を投じた。風呂敷みたいな唐草紋様のおもしろさ、庶民性、そして扁平した四角形が気に入った。

 ミュージアムの方から聞きましたが、江戸の女性が懐中に忍ばせた板紅のサイズは、3センチ四方ぐらいのサイズだったそうです。復活させるにあたって、加工性を考えて5センチ四方ぐらいというゆるめの制約で漆芸作家に注文を出したそうです。それほどに小さな物のなので、織物のケースで携帯していた(伊勢半で所有する当時の板紅のサイズはもっと小さい)。

【伝承のワザは複雑かつ長い】 
 お手本は今に遺る江戸の現品しかない。だから漆のプロでさえ、試作は手探りで繰り返し繰り返し行ったそうです。ミュージアムには漆の工程を20に縮めた説明展示がありましたが、実際には100を超える工程だそうです。縮めた展示の工程をメモりました。

木地部材ー組立接着ー木地仕上げー木地固めー紙着せー蒔絵ー蒔絵研ぎ①
蒔絵研ぎ②ー錆付けー錆研ぎー中塗りー中塗り研ぎー置目ー粉蒔①ー粉蒔②
粉固めー塗り込みー研ぎ出しー胴摺りー磨き

 展示会終了後、2008年7月4日〜6日に、15万円〜25万円くらいで販売をする(どれも一品モノ、購入希望が重複する場合は抽選)。間違いなく破格に安いと思ふ。わたしは専門家ではないので価値の云々は言えないが、こんな美彩なパレットを持ち歩いて紅をさす女性には、まっすぐ落ちてしまひます

【パレットは女の衣であり素である。】
 このプロジェクトで“伝える”ことの難しさと貴さを感じた。道具の復活や技法の復活は、よく“伝統技工の伝承”と言われるが、もちろん伝えることほどむつかしいことはない。才能ある弟子をとっても、何年もかかることだから。だが技法はあくまでカタチの伝承にすぎない。江戸のお化粧おハコを作る技工の難易度はもちろん高い。工程の複雑さもすごい。

 わたしの心がツンと立ったのは、時空を超えた女の美への気持ちを、現代の漆芸の作り手はどう想像したのだろうかと思ったときだ。

 女は、自分の美しさへのたゆまざる探求を、毎日使う化粧道具箱に塗りこめている。道具箱は単に紅を運ぶ運搬具ではない。素を際だたせ、色をつくり、おんなの性を際だたせる“希望道具”なのである。これこそ伝承すべき“普遍の顧客ニーズ”である。作り手視点の伝承とは“どう作るか”にすぎないが、使い手視点の伝承とは“時空を超える根源的なニーズ”を、はしょらず、きちんとモノに込めつづけることである。

 この漆芸の作品群は“女の衣であり素”である。時代を超えて使い手の美へのパッションまでぎゅっと詰めた化粧道具だからこそ、わたしはこんなに衝撃を受けたのだろう。

0505_chn12_rpt1692_sakuhin2 準グランプリの波の花

【ささやかなhmm…なアドバイス】

 明日のビジネスメディア誠の連載のテーマの女性アーチスト、才の衣があり女の衣があり、そしてすべての衣を溶かすパッションがある。ご期待ください。今日は以上です。

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